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鈴木 仁 院長の独自取材記事

鈴木整形外科

(荒川区/東尾久三丁目駅)

最終更新日:2023/02/15

鈴木仁院長 鈴木整形外科 main

都電荒川線東尾久三丁目駅の目の前というアクセスの良い場所にある「鈴木整形外科」。開業して20年以上になる同院を率いる鈴木仁(ひとし)院長は、自身もスポーツ愛好家で、スキーやスノーボードなどを楽しむ一方、スポーツでのけがによる手術、そして数年に及ぶリハビリテーションも経験してきたという。「腰痛だと思っていたけれど、治らないのでエックス線検査をしたら骨折だった、ということもよくあります。思い込みではなく、医療機関での正しい診断こそが治療の近道です」と優しく語る院長のもとには、スポーツでのけがを相談する学生なども訪れる。そんな院長に治療で心にとどめておいてほしいこと、患者とコミュニケーションを取りながら治療を進めていくことなどについて話を聞いた。

(取材日2023年2月1日)

自らのスポーツによるけがや、リハビリ経験を生かす

先生もスポーツでけがをして、リハビリで復帰された経験がおありだとか。

鈴木仁院長 鈴木整形外科1

骨折などもありましたが、大きなけがの一つが、37歳の時の椎間板ヘルニアです。本当に痛みがひどく、痛みのある部位の神経付近に麻酔薬を注射するブロック注射に加え、数年にわたってみっちりとリハビリを行いました。また53歳の時にはスノーボードで左膝の靱帯損傷、半月板損傷、軟骨損傷をし、手術も3回行いましたが、主治医がすごく力になってくださって、長期間の治療にも専念できましたね。

先生ご自身がそういった経験をお持ちなので、患者さんも心強いですよね。

そうかもしれませんね。今は主にゴルフに打ち込んでいます。これまでのスポーツよりも腰への負担も比較的軽いですからね。医療は日進月歩で、現在は椎間板ヘルニアに対し効果が見込めるお薬も出てきています。私が椎間板ヘルニアの治療をしたのはもう20年以上前のことなので、今の患者さんと単純に比較することは難しいですが、自分の経験を患者さんにお話しし、けがの悲しみ、リハビリに根気がいることなど、抱えている思いを分かち合いながら治療を進めていけるのは、大きな財産なのかもしれません。適切な治療、適切なリハビリ、そして医師や理学療法士によるメンタル面を含めた適切なフォローがあれば、社会復帰やスポーツ復帰もめざせると信じています。

都電の駅前という通いやすい立地ですが、どんな方がいらっしゃいますか?

鈴木仁院長 鈴木整形外科2

当院は開業して21年がたつのですが、開業して10年ほどは、やはり整形外科の特性でもある高齢の方が多くおられました。しかし周辺に新しいマンションなどが建設され始めて、若年層の方も増えてきましたね。主訴で多いのは、やはり膝痛と腰痛。膝痛は年齢を重ねると誰にでも出てくるものですし、腰痛は年齢に関係なく、重いものを持つ力仕事、座りっぱなしのデスクワークなど、幅広い職業の方に出やすいものです。また主婦の方だと手首の痛みなどもありますね。もちろんスポーツによるけがの相談もあります。

患者の心のケアも大切に、治療やリハビリを進めていく

スポーツによるけがでは、具体的にどのような症状があるのでしょうか?

鈴木仁院長 鈴木整形外科3

お子さんでも見かけるものの一つに、腰椎分離症があります。椎弓(ついきゅう)という腰椎の後方の部分が分離した状態のことで、スポーツをやっている成長期のお子さんでよく見られる症状です。例えば柔道で投げられて背中を打つ、サッカーで競り合って後ろに転ぶなどして骨折し、「腰に痛みがある」と来院されることも多いです。つい若いからすぐに回復するだろうと考えてしまいがちですが、痛みがずっと続き、後のスポーツ人生に影響を及ぼしてくることも十分考えられます。ちょっとした痛みであっても、体のため、スポーツを続けるためには、やはり整形外科できちんと診断し、必要であればきちんと治療をしてほしいと思います。

診察で心がけていることは何でしょうか?

患者さんの身になって考え、寄り添うことです。痛みがあると精神的にもつらいもの。これは自分も経験しているから本当によくわかります。患者さんの気持ちに寄り添い、アドバイスをするときもできるだけポジティブな言葉になるように心がけています。「こうするから悪くなるんです」という言い方ではなく、「こうしたほうが痛みが出にくくなって、運動も続けやすいですよ」というように。そのほうが患者さんも安心でき、治療やリハビリへのモチベーションも自然と上がると思うんですよね。体の痛みはもちろんのこと、心の痛みのケアも大切にしています。

けがや痛みを抱える方の、心の負担も軽くしていくのですね。

鈴木仁院長 鈴木整形外科4

痛みがあると心も弱ってしまいますから、まずはブロック注射などで痛みの緩和を図り、その後リハビリに入り、しっかりと筋力を戻していけるように順序立てて治療を行います。薬物療法と運動療法をきちんと組み合わせれば、治療期間の短縮にもつながります。リハビリは根気がいりますし、つらいと感じることもあると思いますが、私もその気持ちはとてもわかりますし、患者さんの気持ちを尊重しながら治療を考えていくことが大事だと考えています。リハビリがつらくて治療をドロップアウトしてしまうと、せっかく手術などをしたとしても筋力、ひいては体の機能が戻らなくなってしまうことも考えられます。医師として言うべきところはしっかりと言いますが、つらいこと、苦手なことは遠慮なく、正直に私たちにご相談ください。

適切な治療のためには医療機関での適切な診断が大前提

具体的にどのように治療を行っていくのでしょうか?

鈴木仁院長 鈴木整形外科5

エックス線などによる検査をもとに診断し、薬物療法・リハビリを行い、それらで改善が見られない場合は病院で手術を行うなど、段階を踏んで進んでいきます。しかしどの治療を選ぶかは、患者さんと、リハビリをする場合は理学療法士と話し合いながら決めていくもの。院内で可能な治療にはヒアルロン酸注射やブロック注射があり、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、それに伴う坐骨神経痛や大腿神経痛などに用います。理学療法士も経験をもとに患者さんとしっかりコミュニケーションを取っていて、私にもリハビリの様子について詳しくフィードバックをくれるので、次の診察・治療に大いに生かせています。運動器の回復のためのリハビリに注力し、患者さんの負担をなるべく軽減できるような方法を日々模索しながら治療にあたっています。

骨粗しょう症の治療にも注力されているそうですね。

骨粗しょう症の相談も多いです。骨密度を調べたいという方や、他院で治療しているけれどなかなか改善されないという方もおられます。骨密度を上げるための治療はとても難しく、さまざまな薬がありますが、いずれも必ず骨密度が上がると断言できるものではありません。また「整骨院でほぐしてもらっているけど、腰痛が治らない」と訴える方の中には、骨密度が低く、実は骨折していたという方もおられます。原因が筋肉ではなく骨ですから、治らないのは当然のこと。整骨院などを活用することも良いと私は考えますが、その前に必ず、医療機関でエックス線などの検査を受け、正確な診断をつけた上で活用することをお勧めします。でなければ的外れな対応になってしまいますし、その間にも症状は悪化しているのですから。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

鈴木仁院長 鈴木整形外科6

スポーツでのけがや日常生活の中で感じる痛みを、無理に我慢する必要はありません。むしろ骨粗しょう症やスポーツ障害など、その後のQOL(生活の質)に影響を与えるものが隠れている可能性もありますから、気になることや長く続く痛みなどがあれば、遠慮なく整形外科を頼ってください。きちんと医療機関で検査・診断をした上で、問題がなければ「時間がないから整骨院でほぐしてもらおうかな」ということも可能です。現状の痛みを取るだけではなく、これから先どうすれば痛みが出ないのか、けがをしないで済むのかまでをきちんと理解していく。ぜひ私たちと一緒に、体のことを考えていきましょう。

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