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山口 潔 院長の独自取材記事

山口整形外科

(江東区/亀戸駅)

最終更新日:2023/03/24

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JR総武線の亀戸駅北口から歩くこと約8分。医療ビル「亀戸クリニックファーム」の3階に「山口整形外科」はある。ガラス越しに見えるリハビリルームは明るく、開放的な空間に気分までスッキリとしてくる。院長である山口潔先生は研修医時代から脊椎を専門とし、大学院では脊柱管狭窄症の基礎研究を重ねてきた熟練ドクター。整形外科の臨床では一つの場所に留まるのではなく、さまざまな現場で経験を積み、多くの知識や技術を学んできた。「患者さんの抱える痛みを早くとって笑顔になってほしい」と力強く話してくれた山口院長。患者や診療への思いからプライベートに至るまで、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2014年2月19日)

スポーツでケガが絶えなかった自身の経験から整形外科医をめざして

医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

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私は千葉県千葉市で生まれ育ち、特に家族に医師がいたというわけではありませんでした。小さい頃からスポーツが好きで中学から大学まで部活動でもサッカー一筋でした。そのせいで捻挫や肉離れなどケガが絶えませんでした。そのたびに整形外科にお世話になっていて、今思えば整形外科医という職業が自分にとって身近だったのでしょうね。実際に医師になろうと決めたのは高校時代。医学部に入学してからは医学全般の勉強をしながら、大学卒業間際に整形外科に進もうと具体的に進路を決めました。

大学を卒業してからどちらで臨床経験を積まれたのですか?

1988年に千葉大学医学部を卒業してから、千葉大学医学部附属病院の整形外科に入局しました。指導体制がしっかり整っていて、1年目は千葉大学病院での研修、それからは大学の関連病院を1年ごとに回っていきます。私の場合は、2年目は栃木県鹿沼市の上都賀総合病院、3年目は静岡県の沼津市立病院、4年目は千葉県立佐原病院で経験を積みました。関連病院のスタッフ体制も万全で、研修先々でおおいに勉強しましたし、深い指導を受けることができました。研修先が変わることで違う知識や技術を習得することができます。同じ症例でも処方が異なるように。研修先には専門病院もありさまざまな症例も診てきました。5年目のときは千葉県がんセンターで他の研修先とはまったく違う臨床の場に立つことができました。一つの病院だけですと知識や技術など偏りが出てしまう場合がありますので、多くの病院を回り、常に新たな技術や知識が学べたことはとても勉強になりました。

先生の専門分野についてお聞かせください。

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整形外科にはさまざまな分野があるのですが、日常診療で、腰痛など背骨に関する疾患を持つ患者さんが非常に多かったことと、私がいた千葉大学整形外科は、脊椎の診療、研究において、伝統、実績があり、学会でも常にリードしていました。そのような環境でしたので、脊椎を専門とするようになりました。背骨の中には脊髄といって体や手足に伸びる神経が通っていますので、手足が痺れたりする原因が実は背骨にあったということも少なくありません。大学を卒業して7年目に千葉大学大学院に進みましたが、腰痛を専門とし、腰椎グループに所属し、そこでは脊柱管狭窄症についての基礎研究を行いました。脊柱管狭窄症は、神経の通り道が背骨の変形や組織の変化によって狭くなってしまい、しびれや痛み、歩行障害などが出る病気です。また、医学博士の学位も取得しました。

つらい痛みを和らげるための治療で、まず患者さんに笑顔になってもらいたい

この地を開業に選んだ理由や、患者の主訴などをお聞かせください。

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私は千葉県に長く住んでいて、東京都との行き来で、この亀戸には馴染みがありました。開業の物件を探しているとき、「この辺にあったら良いな」という漠然としたイメージを持っていて、他にもいろいろと探していた時に、御縁があってこの物件に巡り会いました。院内はリハビリルームを大きくとり、皆さんにリラックスしていただけるようにグリーンを基調にして、先進の機器も導入しました。待合室もできる限り広く取り、すべてバリアフリーでトイレにも車いすで入れます。主訴としては、やはり痛みを訴える患者さんが多いです。腰痛や、膝などの関節の痛み、肩の痛みや肩こり、手のしびれなど。また小さいお子さんや、小学生や中学生の方も多く来院されます。お子さんたちは小さい頃の私と同じようにケガが多いですね。日々の診療では、まずは痛みを和らげるための治療を第一に考えて、当院でできるリハビリ機器を使った治療を行い、患者さんの症状に合わせて薬物治療や注射なども取り入れています。私の経験を生かした治療で、多くの方の痛みを和らげることができたらうれしいですね。

患者さんと接する時に心がけていることはありますか?

レントゲンや診察の結果など、どういう病態が考えられるのかということなどを患者さんにできるだけわかりやすく、丁寧に説明することを心がけています。忙しくても専門用語を使ったりせずに。そのためにはしっかり時間をかけて、言葉を多くするようにしています。患者さんたちが笑顔になって帰っていただけると、私も幸せな気持ちになり、やりがいも生まれます。心から良かったなーと感じる瞬間ですね。

ロコモティブシンドロームを防ぐ方法を教えてください。

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普段できる心がけとしては、筋力トレーニングや体操などがあります。筋肉の力はとても大切で、普段から簡単にできる体操程度でも、行うのと行わないのでは、だいぶ違ってきます。「トレーニングだ!」と構えてしまうと思うようにできませんし続きませんので、簡単にできる体操として「片足立ち」があります。何かに掴まりながらでも良いのですが、できるだけつかまらずに片足立ちするのが良いです。あとは椅子に座ったままの姿勢で、片足ずつ膝から下をまっすぐ前に伸ばすようにすると、大腿の前の筋肉を鍛えることができます。これだけでもだいぶ違ってくるんですよ。歩くことも良いのですが、膝が痛い方や股関節の悪い方は、歩き過ぎがかえって逆効果になることもありますので注意が必要です。

勤務医時代の骨折で、患者の気持ちをあらためて再認識

休日はどのように過ごされているのでしょうか?

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なかなか時間がとれませんが、日帰りの旅行やドライブが好きです。最近では、家族でバス旅行で、山梨の昇仙峡に行ってリフレッシュしてきました。私には娘が3人いて妻と娘3人対私1人といった感じで、家の中はとても賑やかなんです(笑)。まだ誰も将来医師になりたいとは言い出していませんが、なりたいと言ったらもちろん応援します。娘たちにはやりたいことをやってもらいたいと思っていますから。

患者さんとのエピソードがあったら教えてください。

2011年の5月に開業して、もうすぐ丸3年になるのですが、私は開業する前に千葉県の病院に勤務していました。その時の患者さんがわざわざ来てくださったときは、本当にうれしくて感激しました。私がどこで開業しているかを探して来てくださって。それから、これは自分自身の話なのですが、今からちょうど8年前の勤務医時代、後輩とサッカーをしたときに接触プレーで転んで足首を骨折してしまったんです。自分でギブスを巻き、自分で治療をした経験があります(笑)。学生の頃からケガが絶えなかったのですが、卒業してからもそんな大ケガをするとは夢にも思いませんでした。しかも、ちょうど臨床の場に立っていた頃で、医師である私が松葉杖をついて診療したり、車椅子に乗ったりしていたものですから、逆に患者さんから「どうしたの?」とか、「先生、お大事にね」などと優しく気遣ってもらってしまって(笑)。この時は治るまで2ヵ月近くかかりましたが、あらためて患者さんの気持ちを再認識しましたね。

読者へのメッセージをお願いします。

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当院ではさまざまな設備をそろえていますので、リハビリ機器をぜひ利用していただきたいですね。それでも痛みがある方には、積極的に薬物治療や注射など、当院でできることを提案して、患者さんに納得していただいてから治療を行うようにしていますので、わからないことは何でも遠慮なく聞いて欲しいと思います。また、できるだけ敷居を高くしないようにと思っていますので、体で気になる痛みなどがあったら放っておかずに受診して、何でも気軽に相談していただきたいです。私自身もスポーツによるケガでずいぶんと痛い思いをしてきましたので痛みと向き合う気持ちがよくわかります。痛みに悩む方々に早く楽になっていただきたいですね。

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