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渡辺 直哉 院長の独自取材記事

南小岩クリニック

(江戸川区/小岩駅)

最終更新日:2021/10/12

渡辺直哉院長 南小岩クリニック main

JR中央・総武線「小岩駅」から歩いて10分の「南小岩クリニック」は1959年に開院して以来、長く近隣住民をはじめとする多くの患者の信頼に応えてきた。23年前に父から院長を継いだ渡辺直哉医師は、先代の意思も引き継ぎ、「地域の人が相談しやすいクリニック」をめざす。診療時には専門用語を使わずにわかりやすい説明を心がけ、子どもにも「一人の患者」として向き合う。消化器分野が専門で、胃の内視鏡検査では経口内視鏡のほかに、吐き気を催しにくいという経鼻内視鏡も活用。患者によって使い分けている。「患者さんにとって相談しやすい医師でありたい。気兼ねなく質問して疑問を解消してほしい」と話す渡辺院長に、診療への思いや取り組みについて聞いた。

(取材日2018年2月1日)

外科の経験も生かし、患者の悩みに広く応える

まずは同院が開院してから現在までの経緯をお聞かせいただけますでしょうか。

渡辺直哉院長 南小岩クリニック1

私の父が1959年に開院しました。それからは長く父が運営を担っていたのですが、1995年に脳梗塞で倒れてしまい、突如、大学病院で働いていた私が診療を担うことになったのです。正式に継承したのは1997年です。今でもそうですが、私が子どもの頃からクリニックに自宅が併設されていて、クリニックは小児科を専門とする「愛児医院」という名前でした。私にバトンタッチしたことで内科や私の専門の消化器科なども診療範囲に加え、大人の方も対象とするクリニックに生まれ変わりました。長く続いてきたクリニックですから自然と建物も老朽化していて、5年前に一新しました。待合室や診療室など各スペースに十分な広さを確保し、色調はやわらかめのベージュを基調に。患者さんが落ち着ける、居心地の良い雰囲気にしたつもりです。

現在はどんな患者が来院されますか?

近隣にお住まいの方が大半ですが、当院には6台分の車を止められる駐車場を備えているので、引っ越し先の千葉県などから車で来院される方もいらっしゃいます。父の代から通われている方もいて、当時子どもだった人がもう40代以上。その方のお子さんを私が診療していますから歴史を感じます。私は近くにある保育園の園医や小学校の校医の他、特別支援学校「鹿本学園」の校医を務めていますから、心や体に障害を抱えているお子さんが比較的に多いのは特徴かもしれません。患者さんの主訴は一般的なクリニックと同様に風邪や腹痛、生活習慣病などがメイン。胃の内視鏡検査を受けたいと来院される方もいらっしゃいます。

お父さまから継いで21年がたちます。どんなクリニックをめざして日々の診療に臨まれてきたのでしょうか。

渡辺直哉院長 南小岩クリニック2

地域に根差した、地域の方が悩み事を気軽に相談できるクリニックです。それは父の代から変わりません。私は勤務医時代に消化器外科を専門にしておなかの病気の手術をたくさん行っていましたし、また麻酔科に在籍していたこともあります。そして継承してからは内科的な疾患も数多く診療してきましたから、患者さんの相談に広く乗れているのではないでしょうか。まずは患者さんの一次的な窓口として対応し、当院での診断や治療が難しい場合は適切な医療機関をご紹介しています。

内視鏡の種類を使い分けて患者に合った検査を行う

診療時にはどんなことを心がけていますか?

渡辺直哉院長 南小岩クリニック3

専門用語を使わずになるべくわかりやすくお伝えして、患者さんの疑問を解消したいと考えています。当院を受診したにも関わらず、「知りたいことがわからずじまいだった……」ということはないようにしたいですね。お子さんを診ることも多いのですが、お子さんの診療ではお母さんよりもまずお子さんに向き合うようにしています。悩んでいるのはお母さんであることが多いのですが、お子さんへの対応をないがしろにしてしまうと医療機関が苦手になってしまうこともあるからです。最初は持っているおもちゃや着ている服の柄などを話題にして、「どこが痛いのかな」と徐々に核心に迫っていくことが多いですね。注射を打つ際にも変にごまかさずに、「これは病気をやっつけるやつだから頑張ろうね」と励ましながら打つようにしています。「子どもが注射を痛がらなかったから」と来院されるご家族もいらっしゃいます。

胃の内視鏡検査では経鼻内視鏡も使っていると聞きました。

ええ。口から管を入れる方法を経口内視鏡、鼻から管を入れる方法を経鼻内視鏡といいます。経鼻内視鏡の場合は経口とは違って吐き気をもよおしにくいことが長所の一つです。経口内視鏡を受けたことのある人は「二度と検査を受けたくない」と拒否感が強くなる人もいるのですが、当院で経鼻を受けた方の中には今のところそのような方はいません。また、経口の場合は検査の前に胃の動きを止める注射を打つ必要があるのですが、前立腺肥大や緑内障などの病気をお持ちの方の場合、症状がひどくなる恐れがあります。経鼻ではその注射が不要なのでそういったリスクもありません。

では、基本的には経鼻内視鏡を勧めているのでしょうか。

渡辺直哉院長 南小岩クリニック4

それぞれ特徴が異なるので、最終的には患者さんの状態やご希望を踏まえて決定します。ポリープを切除する際は経口内視鏡を使います。鼻の穴よりも口のほうが大きいわけですから取り出しやすいんです。また、経口内で検査を行う際には麻酔を使って嘔吐反射を抑えることも可能です。ただ、ご高齢の方の場合は薬の作用により呼吸が浅くなりやすいので、麻酔は使わないのが一般的ですね。近年は内視鏡検査がクリニックで受けられるので注目されがちですが、私は内視鏡検査と区の検診で行われているようなバリウム検査を交互に受けることを勧めています。というのも、スキルス性の胃がんなどは内視鏡検査では見つけにくい場合もあるからです。すべての病気が内視鏡で見つかるわけでないことは留意してほしいですね。

患者の気持ちがわかるからこそ、積極的に聞いてほしい

先生が医師をめざした理由をお聞きしたいのですが、それはやはりお父さまの存在が大きかったのでしょうか。

渡辺直哉院長 南小岩クリニック5

そうですね。父を尊敬していました。今から振り返るとちょっと患者さんのお母さん方に厳しい医者だったようにも思いますが、それは子どもが好きだという思いからで、父が信念を持って仕事をしていることは子どもながらに伝わってきていました。それと、これは医師の家系で育った人ならわかるかもしれませんが、周囲に医師になれなかったと思われたくなかったという思いも多少あったかもしれません。ですから医師の資格をまずは取って、それで他にやりたいことがあればそれをすればいいかなと。結果的に医師になったらやりがいのあることがわかり、ずっとこの仕事をしているわけです。

お忙しい日々の中、休日はどんなふうに過ごされていますか?

以前から好きだったゴルフを最近になって再開しました。膝を痛め、スコア的にも伸び悩んでいたので止めていたのですが、友人から誘われたのを機に。若いうちにもう少し体を動かそうと思ったからです。後は盆や正月に家族で旅行に行ったり、時々週末に妻とワインを楽しんだりといったくらいでしょうか。中学3年生の男の子と小学6年生の女の子がいてともに思春期を迎えていますが、不思議とまだ一緒に旅行に行ってくれるんですよ。ついこの前もスキーを楽しんできました。ワインは妻と一緒に以前スクールに通って学びました。2人ともワインが好きなのですが、レストランでリストを見せられてもわからなかったので、せっかくなら少しはわかるようになりたいと。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

渡辺直哉院長 南小岩クリニック6

患者さんにお伝えしたいことは、一回一回、納得して帰ってほしいということです。せっかくクリニックに来たのですから、自分が抱いている疑問を解消してほしい。ひと昔前に比べて怖そうな医師は減ったように思うのですが、それでもまだ医者にいろんなことを尋ねるのはハードルが高いのではないでしょうか。少なくとも私は患者さんに聞いてほしいと思っているので遠慮しないでどんどん聞いていただきたいです。例えば私も患者として医師や歯科医師の治療を受けた時に、自分が何をされているかわからなければ不安です。お気持ちはよくわかります。私は患者さんにとって相談しやすい、いろんなことを聞きやすい医師でありたいと思っているので、構えずにご相談いただければうれしいですね。

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