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大利 隆行 院長の独自取材記事

おおとし内科クリニック

(葛飾区/金町駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR常磐線の金町駅南口を出て左手すぐ、14階建てマンションビルの2階にある「おおとし内科クリニック」には、葛飾区近隣だけでなく遠方からも患者が訪れている。内科・アレルギー科を標榜している同院では、日本アレルギー学会アレルギー専門医である大利隆行院長をはじめ、大学病院などで専門的な外来診療も担当する複数の医師が交替で診察を受け持っている。それぞれの豊富な経験と知識を生かし、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、じんましんなどアレルギー疾患を総合的に診断し、患者ごとに適切な治療を提供。アレルギー疾患以外の診断がつけば、専門の病院を紹介することもあるという。専門機関への相談窓口として地域医療へ貢献する院長に、アレルギー疾患の詳細や診療ポリシーなどを詳しく話してもらった。

(取材日2021年3月12日)

患者との対話を重視した丁寧な診察がモットー

開業されるまでの経緯について教えてください。

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私はもともと血液学が専門で、東京大学医学部附属病院に勤務しているときは白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など血液疾患の患者さんの臨床と、アレルギーの研究を行っていました。その後カナダのマックマスター大学に留学し、アレルギーを臨床的に専門とするようになりました。帰国後に大蔵省(現・財務省)診療所で診察をしながら研究を続けていた頃に、この場所での開業のお話をいただきました。当時はあまり開業を具体的に考えていなかったため悩んだのですが、自分には臨床が合っているという思いと、残りの人生を地域医療にかけてみるのも価値のあるチャレンジだという考えから、開業を決意しました。2001年のことですから、約20年前のことになりますね。

どのような患者さんが来られているのですか?

一般内科の患者さんも来院されますが、やはり気管支喘息やアトピー性皮膚炎、じんましん、アレルギー性鼻炎、食物や薬のアレルギーなど、さまざまなアレルギー疾患の患者さんが多いですね。近年は乾いた咳が長期間続く咳喘息の患者さんや、新鮮な果物を食べた後などに口腔内がかゆくなってしまう口腔アレルギー症候群(OAS)の方も増えています。中には何軒もの医療機関を訪ねても症状が良くならず、インターネットなどでお調べになってお越しになる方、それも埼玉や千葉など遠方からの患者さんもいらっしゃいます。大人の患者さんばかりですが、中学生や高校生で大人並みの体格になっているお子さんは診ることもあります。また、特に入学シーズンには、お子さんの食物アレルギーの相談を受けることも多くなります。給食を心配されて、ご自身の診察の際に聞いてみようと思われるのでしょうね。ご家族のことも気軽に聞いていただけるのはうれしいです。

患者さんとのコミュニケーションを大切になさっているのですね。

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患者さんはお一人お一人が特別であり例外で、誰一人同じ症状はありません。丁寧にお話を聞き、それぞれに適したベストな対応を行い、ご自身の病状や治療法についてきちんと理解し納得して治療を受けていただきたいと思っています。そのように真摯に向き合って問題を解決できた結果、患者さんから感謝していただけたら、それは医師冥利につきます。ただ、その思いが強すぎると診察時間が長くなってしまい、他の患者さんの待ち時間も長くなってしまうことがあるので、土曜日はニ診体制にするなどの工夫をしています。

自己判断NGの喘息治療、医師の指示に従うことが肝心

具体的にどんな流れで治療が行われるのですか?

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一番多い気管支喘息を例に挙げると、まずは丁寧な問診から始めます。これで診断がつくことも多いのですが、確認の意味を込めて胸部エックス線、スパイロメトリー(肺機能検査)、アレルギー反応を調べるための血液検査などを行います。一般のクリニックではあまり導入されていない呼気中一酸化化窒素(NO)測定器も喘息の診断・治療のために導入しています。血液検査は結果がわかるまでに数日かかりますが、他の2つは当日に結果がわかりますので、初診日に問診・検査・再度診察という流れになります。多少時間がかかることはありますが、初診で検査結果をお伝えできて早く症状に合わせたお薬を処方できるのは患者さんにとってメリットが大きいと思います。

呼吸器疾患やアレルギーの治療ではどんな点に気を配っておられますか?

患者さんが呼吸器やアレルギー性の原因を疑って受診される場合でも、実はアレルギーではなく、喫煙やストレス、肺の炎症などに起因する症状だったということもあります。同じ「咳」であっても、その原因は多彩です。当然ながら、その原因に応じた処置を行わなければ症状は改善につながりません。もしアレルギーではなく肺がんや膠原病に伴う肺炎などであったとすれば、速やかに専門的な治療が受けられる医療機関を紹介する必要もあります。また、じんましんで目や皮膚に症状が出てお困りの方が、アレルギーだと思わずに皮膚科や眼科を受診しても原因がわからず困り果てて来院されることも。3週間以上の乾いた咳は咳喘息の可能性もありますし、しつこい湿疹はアレルギーのこともあります。そのような症状を細かく分析し原因を見極め、的確な診断ができるように気を配っています。

では、喘息の治療で一番大切なことは何ですか?

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喘息というのは慢性の炎症性疾患と考えられている病気です。風邪とはまったく違うものですが、咳などの症状が軽くなり息苦しさがなくなると通院をやめてしまう方が少なからずいらっしゃいます。そうするとまたすぐに症状がぶり返してしまい、とても残念に感じます。慢性的な疾患ですので、症状が良くなっても薬を飲み続けなければならないということを繰り返しご説明するのですが……。喘息には、長期間のコントロールをめざすコントローラーと、症状が出た時に一時的にその症状を抑える目的のリリーバーという2種の薬があります。症状が出た時だけリリーバーに頼るのではなく、日頃からコントローラーを服用するほうが、結果的には早く薬自体を使わずに済むようになることが期待できます。

知識と経験豊富なドクターたちがサポート

他の先生も診療を担当されているそうですね。

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大学病院で呼吸器・アレルギーに関する専門的な外来診療を受け持っておられる杉本直也先生が、火曜日の午前・午後を担当されています。重症度の高い喘息の患者さんの診療経験も豊富で、先進的な治療にも取り組んでおられる方です。例えば、比較的副作用が少ないため注目されている生物学的製剤も杉本先生を中心に治療に用いるようになってきました。まだ薬価が高いため処方しにくいのですが、今後安くなって多くの患者さんに提供できることを期待しています。他にも金曜日の午後は山下直美先生に、土曜日は大学病院の医局から交替で先生方に来ていただき二診体制で診療しています。そういった協力もあって、短期入院を伴うような処置が必要な場合には大学病院のご自身宛てに紹介状を書いて自ら担当してくださったり、逆紹介で地域に戻る患者さんを引き続き診てくださったり、患者さんに安心していただける体制ができています。

印象に残っている患者さんのエピソードはありますか?

静岡など遠方からいらっしゃる患者さんは案外多いのですが、なんとロシアから来られた方がいらっしゃいました。女性の実業家の方で新潟の取引先から当院をお調べになったそうです。じんましん・血管神経性浮腫の治療のために来院されました。当時のロシアでは適切な薬が手に入りにくかっただけのことだと思っていますが、遠方からはるばるお越しくださった方のお役に立てて良かったです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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杉本先生をはじめとする諸先生方に助けていただきながら、患者さんお一人ずつに十分な時間をかけて丁寧な対応をさせていただきたいと思っています。現在は診察の専門科が細分化されているので、患者さんが自分にとって適した医療機関を選ぶのが難しくなってきています。患者さんの状態を総合的に診て的確に判断し、適した医療機関をご紹介できる医師はまだまだ数少ないのが現状だと考えています。アレルギーとは関係がないと思われる症状や、お子さんなどご家族の病気についてもお話しくださって構いません。当院では、専門外の症例についても次にかかるべき医療機関のアドバイスができると思いますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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