全国のドクター8,992人の想いを取材
クリニック・病院 161,454件の情報を掲載(2020年2月23日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 新宿区
  4. 西新宿駅
  5. 湘南メディカルクリニック 新宿院
  6. 阿部吉伸 院長

阿部吉伸 院長の独自取材記事

湘南メディカルクリニック 新宿院

(新宿区/西新宿駅)

最終更新日:2019/08/28

33119 df 1 main 1451872027

西新宿駅から徒歩2分ほど、新宿駅からも徒歩数分の距離にある「湘南メディカルクリニック新宿院」。胸部外科を専門としている阿部吉伸院長は、加齢などによって非常に多くの人が罹患すると言われている“下肢静脈瘤”を専門に扱うクリニックとして2012年に新宿血管外科クリニックを開院。今回移転に伴い、院名を変更し、新たに“がんの免疫療法”にも力を入れて取り組むクリニックとなった。「がんの死亡率は年々高まる一方です。今行われている治療以外に何か方法はないかと免疫療法に着目しました」と阿部院長。がん細胞を攻撃する免疫細胞を活性させるアクセル作用と、がん細胞からの反撃を抑える薬を併用し、がんに直接ブレーキをかける“アクセル・ブレーキ療法”を行っている。画期的ながん治療として今注目されている免疫療法や下肢静脈瘤の治療について、阿部院長に詳しいお話を伺った。
(取材日2015年12月1日)

免疫細胞を活性化し、がん細胞をブロックする治療法

まずは免疫療法について詳しく教えてください。

33119 df 1 1 1451384223

私たちの体では毎日約5000個のがん細胞がつくられていると言われています。これを免疫細胞がやっつけてくれているんです。朝から晩まで細胞は入れ替わりますが、その過程で修復を間違えてしまうことがあります。例えば髪の毛は毎日抜けますが白髪になって生えてくることもあります。ケロイドとなって傷跡が残るのも、元通りに修復されずに“できそこない細胞”になってしまっているんです。目に見えるようになるまでには年月がかかりますが、この“できそこない細胞”が増えすぎると免疫細胞が殺しきれずに、がんになると言われています。免疫細胞の中でも直接がんを攻撃できるのはNK細胞(ナチュラル・キラー細胞)です。このNK細胞を活性化させる治療が免疫療法です。現在、がん治療には主に手術、抗がん剤、放射線が行われています。抗がん剤はほぼすべての患者さんに何かしらの副作用が出ますが、効果がないこともありますし、使い続けていると効果が薄れてきてしまうこともあります。しかし、免疫療法は患者さん自身の細胞を活性化するわけですから、副作用はありません。また一度高まった免疫力はなかなか下がりませんので、元気にがんと闘うことができるんですよ。

クリニックで行っている“アクセル・ブレーキ療法”についてお聞かせください。

がん細胞をやっつけてくれる免疫細胞を活性化させるだけではなく、がん細胞の反撃をブロックするのが当院独自で行っている“アクセル・ブレーキ療法”です。免疫細胞はがんを攻撃しますが、がん細胞も攻撃されて黙っているわけではありません。自分が生き延びるために免疫細胞を攻撃するようになります。この攻撃を阻害しがん細胞に直接ブレーキをかけ、おとなしくさせる薬を併用します。そうすることで、活性化された免疫細胞の攻撃力が最大限に発揮される環境が整うわけです。従来は、免疫細胞を活性化させるアクセル作用のみの治療でしたが、がん細胞がバリアをつくり、効き目が低くなってしまうことがありました。しかし、がん細胞にブレーキをかける“免疫チェックポイント阻害剤”という薬を使うことで、このバリアを取り除き、直接攻撃ができるようにしたのです。この免疫療法を行っているのは当院だけです。抗がん剤が効かなくなると、もう治療法はないと言われてしまう患者さんも多いですが、そんな方々に希望を与えることができる画期的な治療です。当院に来院された患者さんには笑顔で帰っていただきたいといつも思っています。

なぜ免疫療法に注目されたのですか?

33119 df 1 2 1451384223

湘南メディカルグループの相川佳之統括院長が、以前クリニックで働いていた若い女性スタッフをがんで亡くしたことがきっかけのひとつです。亡くなる前にそのスタッフは免疫療法を受けてみたいと話していたそうです。しかし自費診療のため、費用が高額で受けられませんでした。そこで相川統括院長が、自費診療ではあるがなるべく費用を抑えて、より多くの人に免疫療法を受けてもらえるクリニックをつくりたいと考え、私もその意思に賛同し、ぜひお手伝いをしたいと当院の開設に至りました。以前は、下肢静脈瘤の治療をメインとしたクリニックでした。罹患率の高い病気にも関わらず、あまり知られていなかったため、病気と気付かずに足のむくみやだるさに悩まされている方が非常に多かったんです。今では病気の認知度も上がり、治療できる施設も多くなりました。もちろん現在も下肢静脈瘤の治療も行っていますが、一定の役割は終えたという達成感もあり、次はがんで苦しんでいる方々の手助けをしたいと考えています。

足は“第二の心臓”、正しい治療とケアを

どのような幼少期を過ごされましたか?

33119 df 1 3 1451384223

小学生の頃は野球に夢中でした。中学、高校は柔道ひと筋で、大会で日本一になったこともあります。そのときは柔道の道に進みたかったのですが、腰を痛めてしまったため、「何か自分の腕一本で食べて行ける仕事がしたい」と考えて医療の道を選びました。とにかく何にでも夢中になる性格で、医師になってさまざまな臨床経験を積むうちに、その対象が下肢静脈瘤となりました。下肢静脈瘤は全体人口の43.4%が罹患する、ごくありふれた病気です。2人に1人の確率ですよね。ところが、命にかかわる重い病気ではないため、今まで軽視されていました。最初は「足がだるい」「むくむ」「こむら返りをする」「立ちくらみがする」「足がかゆい」などの症状があり、「足の血管が浮き出る」「クモの巣のように血管が広がって見える」「血管がボコボコとふくらんで腫れている」などの特徴が見られます。似たような症状があっても、下肢静脈瘤ではないケースもありますので、きちんと検査を受けることが大切です。

開業までの経緯を教えてください。

私は胸部外科を専門としていますので、もともと心臓移植などの大手術を行っていたのですが、その診療を続ける中で、下肢静脈瘤の患者さんの多さに驚いていました。しかし、病院に行くと「命に別状はありません」と帰されてしまう患者さんたちを見て、何とかしなければと思っていました。そこで勤務医時代、病院内に静脈病科をつくったのが下肢静脈瘤に携わることになった最初のきっかけです。そして、専門のクリニックをつくりたいと開業を決意し、ここ新宿を選びました。新宿は日本で一番乗降客の多いターミナル駅なので、遠くから来られる患者さんにとって便利だと思ったためです。新たに取り組んでいる“がんの免疫療法”についても、私自身ががんの専門医ではないからこそ、始められた治療だと思っています。やはり専門医ですと、従来の抗がん剤治療の進め方や手術の術式にこだわってしまうかと思います。がん患者さんが抗がん剤等の副作用で徐々に体力を失い、弱っていく姿を見ているのは本当につらいですよね。

下肢静脈瘤はどのような治療を行うのでしょうか?

33119 df 1 4 1451384223

軽度の下肢静脈瘤は、治療用のストッキングを履くことで改善されることもあります。症状が重い場合は手術になりますが、当院は最先端の保険対応のレーザーを用意しています。今はすべて保険診療で治療を行っています。最先端のレーザーは短時間の手術で、痛みらしい痛みや傷跡もほとんどなく、治療した次の日には仕事もできます。手術の当日も歩いて家まで帰ることが可能です。足は“第二の心臓”と言われるように、人間の体にとってとても大切な部位です。年を重ねて足が弱ると、それがきっかけで体の調子を崩してしまう方も少なくありません。そのくらい足のケアは重要です。足のむくみやかゆみ・こむら返りなどがあり、下肢静脈瘤かも知れないという方は、くわしい症例などもすべて載っていますので、当院のホームページをご覧ください。

すべての人に生きる希望を与えたい

新たに取り組んでいる“がんの免疫療法”は、まだあまり知られていないそうですね。

33119 df 1 5 1451384223

がん患者さんは非常に勉強熱心で、常に最新の情報を求めてアンテナを張っています。当院独自の免疫療法は自費診療となりますが、希望する患者さんには治療を行うことが可能です。手術を受け、抗がん剤の投与もしたが、がんが進行してしまっている患者さんにも効果を発揮する可能性が高いことがわかっています。より多くの方々にこの治療法を知ってもらうために、テレビ等のマスメディアからの情報発信や毎月2回無料説明会を実施しています。詳しい説明が聞きたい方や治療を考えている方に、ぜひ参加していただきたいですね。患者さん本人の免疫細胞を活性化させる当院の培養士グループは、長年研究を重ねてきた日本の免疫療法における草分け的な存在です。抗がん剤や放射線治療で効果がないともう治療法がないと言われてしまう患者さんでも、免疫療法の観点から治療法がないということはありえません。終末医療を受けていらっしゃる方にも生きる希望を与えられる治療法だと自負しています。

がんを予防することはできますか?

約9割のがんが予防できると言われています。まずは禁煙するとか塩分の摂取量を減らすことが予防の第一歩となります。遺伝子検査によって、何のがんになりやすいかを調べることもできます。それがわかれば、具体的な予防対策をすることもできますよね。またスポーツは健康に良いと言われていますが、過度のスポーツは免疫細胞の活性を妨げてしまうことがわかっています。ウォーキングなどの適度な運動後には免疫細胞の活性が1.2倍から1.5倍になります。がん予防の観点からは適度な有酸素運動が有効だということです。さらに体温が1度下がると免疫力が30%下がると言われています。冷えへの対策も予防につながりますね。免疫力を上げるためにはどうすればいいのか、スタッフ一同、常に勉強しています。乳酸菌と生姜で免疫力アップのためのサプリメントをつくることができないか研究を行っています。

今後の展望をお聞かせください。

33119 df 1 6 1451384223

免疫療法は、治療すればするほど免疫が上がり体力がつくので元気になっていきます。根治が難しい症例でもがんと上手に付き合い元気に共存していくことができます。当院独自の免疫療法である“アクセル・ブレーキ療法”を全国に広げ、この治療を行える拠点を増やしていきたいと思っています。免疫療法の治療は点滴をするだけなので患者さんの中には「まるで魔法みたいだ」と言う方もいます。患者さんに「希望を見つけた」と言っていただくことがやりがいですね。また免疫力を上げるということは予防にもつながります。なんとなく体調がすぐれない時や健康維持を目的とした点滴治療も行っていますので、気軽に相談してください。来院された患者さんには笑顔で帰ってもらいたいですし、がんで亡くなる方を一人でも減らしたいと思っています。中核的ながんセンターをつくることが今後の目標ですね。

Access