しっかり噛めて味わえる歯をめざす
インプラント治療の流れ
津田デンタルクリニック
(千代田区/麹町駅)
最終更新日:2022/01/31
- 自由診療
歯を失ってしまった時、インプラントは1本から補うことのできる有用な治療法だ。「津田デンタルクリニック」の津田宏尚院長は口腔外科を専門とし、アメリカ留学で機能性と審美性を兼ね備えた本場のインプラント治療を学んできた。その経験を生かし、同院では先進の検査機器を用いて精密な診断を下し、丁寧な治療を行っている。一方で「インプラントは万能ではなく、すべての患者さんに適しているというわけではありません」とも話す。インプラントはどのような人に向いているのか。実際にはどのような手順で治療が行われるのか。期間や費用はどれぐらいかかるのか。どのような点に注意すべきなのか。同院で行われているインプラント治療について、実際の様子を尋ねた。
(取材日2020年7月13日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q歯をなくした時、どのような治療方法がありますか?
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A
おおまかに4つの選択肢があります。1つは取り外し式の入れ歯、2番目はブリッジ、3番目にインプラント、4番目として何もしないことも歯の場所によっては選択肢の一つです。当院ではどの治療方法にもしっかり対応していますが、それぞれ長所と短所があるので、丁寧にご説明をして患者さんご自身に選んでいただいています。その方のお口の中の状態、時間的な制約、健康上の問題などお一人お一人ご事情が違います。患者さんがどういった性格で、この先どういった食生活を送っていきたいのかも重要な判断材料になります。なるべく異物感や体への負担がなく、自分の好きなものをしっかり噛んで味わいたいという方には、インプラントがお勧めです。
- Qインプラント治療の費用や期間について教えてください。
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A
費用は自由診療扱いとなります。期間についてはその方のお口の中の状態によってかなり違ってきます。まず、抜歯してから治療するのか、それともすでに歯のない状態から治療するのかで、大きく変わってきます。抜歯から始める場合も、周囲の骨の残り具合や、根の長さ、大きさによってかかる時間は大幅に変わります。要は下準備にどれだけ必要かということですね。抜歯と同時にインプラント体と呼ばれるネジを埋め込むことも可能で、通常ネジの埋入手術から2ヵ月、長くても3ヵ月たてばその上に人工歯を入れることができるようになります。
- Qインプラント治療は誰でも受けられますか?
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A
外科処置をするのが難しい方は、インプラント治療はできません。糖尿病の方、あるいは心臓や肝臓、腎臓に疾患のある方、自己免疫疾患のある方は難しいですね。糖尿病の場合、きちんとコントロールができていればいいのですが、そうでない場合、術後の治りが悪く、細菌に感染しやすくなってしまいます。このような健康面でのリスクが高い方、また、体にできた傷を治そうとする自己免疫の細胞が十分でない方も、インプラント治療は向いていません。顎の骨が十分残っていないケースでは、骨を造るための治療もできますが、なかなか大変な作業で、そこまでしてインプラント治療をしたいかという問題になります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初診時の検査と診断後のカウンセリング
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初診時にはエックス線写真撮影や歯周病の検査、虫歯と噛み合わせのチェック、口腔内写真の撮影など必要な検査を漏れなく行う。その歯が本当に残せないのか判断するための準備だという。カウンセリングではインプラント治療の流れなどおおまかな全体像の説明があり、その後検査結果を踏まえつつ、実際の治療方針を決めていく。2回目の来院の時に歯科用CTを撮影して、どの程度の時間がかかるかなど説明を深めていくそう。
- 2口腔内の環境整備
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手術を行うためには、まず口腔内の環境を整えることが必要になる。細菌でいっぱいの口の中に、インプラントを埋めても長持ちは望めないためだ。具体的には歯のクリーニング、歯周病の治療を行う。歯を失ってしまった原因の多くは、ケアに問題があるといい、中には口腔内の環境を整えることで歯を残すことが期待できるケースもあるそう。環境を整えるためにどれぐらいの時間を必要とするかは患者の状態によって変わってくる。
- 3埋入手術
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手術の際には衛生面にも配慮して、ほかに患者を入れず、その人の手術だけを行う。顎の骨が残っていて1本だけインプラント体を埋め込む簡単な手術なら15〜20分程度で終了する。一度に何本か入れる場合や、同時に顎の骨を造るための施術を行う場合、抜歯と同時に埋入を行う場合などは1時間以上かかることもあるそう。実施の際には患者にとって最小限のダメージで済むよう、なるべく早く正確にということを心がけているという。
- 4治療期間を経て人工歯の装着
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埋め込んだネジが顎の骨の中でしっかり固まるまで1ヵ月半から2ヵ月かかる。周囲の骨の状態によって、場合によっては3ヵ月、あるいは半年待つこともあるそう。しっかりと固まったところで、型を採ってかぶせる人工歯を造る。その間、患者のライフスタイルや入れる歯の位置によって、仮歯を入れることもあれば、そのままにしておくこともあるそう。人工歯は色や噛み合わせなど全体のバランスを見ながら装着する。
- 5定期メンテナンス
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インプラントはきちんとメンテナンスをしないと歯周病になりやすく、定期的なメンテナンスが非常に重要だという。自分のブラッシングで100%磨けている人はほとんどいないといい、どんな人にも癖があり、磨き残しがあるものなのだそう。3、4ヵ月に一度は来院して、プロによるクリーニングを受けよう。治療が終わったところがゴールではなく、そこからいい状態をどれだけ長く維持できるかが、新しいスタートだ。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本44万円~ 骨造成治療/11万円〜(症例によって異なる)