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杉野敬一 理事長の独自取材記事

勝どきビュータワークリニック

(中央区/勝どき駅)

最終更新日:2020/04/01

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勝どき駅直結の勝どきビュータワー2階にある「勝どきビュータワークリニック」。大きな青い看板が目印。院内は、待合室・診察室と広々としたスペースで、CTスキャン・消化器内視鏡・超音波装置・心電図・X線装置と医療設備も充実している。理事長を務める杉野敬一先生は、約25年にわたり大学病院の循環器科で臨床・研究ともに経験を重ねてきた。そこで得た先端医療の知識と技術を地域医療に還元するため、2001年、「杉野内科クリニック」を勝どきに開業。さらなる体制充実をめざして2年前に開業したこちらのクリニックは、院長をはじめとする全員が診療経験10年以上のベテラン医師だ。大学病院や専門病院の医師も在籍し、多彩な診療科目に対応している。ダンディーで気さくな杉野先生に、地域医療への取り組みやプライベートについいてなど、さまざまなお話を伺った。

(取材日2013年3月6日)

町のかかりつけ医として、さらなる進化をめざす

こちらを開院した経緯をお聞かせください。

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私は大学病院に長年勤務し、心臓疾患の最先端治療に携わるともに、内科全般にわたる研鑽と生活習慣病の改善に力を注いできました。ところが、次第に研究や後輩の指導などで忙しくなり、患者さんに対して小回りのきく医療が提供できないという思いが募っていたんです。その頃、銀座の医院を手伝っていたこともあり、親しい中央区医師会の先生から、こちらの地域は医院がまだまだ少ないと紹介を受け、平成13年に勝どき駅前のビルに杉野内科クリニックを開業しました。今も診療を続けていますが、30坪と狭く、レントゲンを置くのが精一杯。勝どきビュータワーの計画を聞いた際に、広いスペースに魅力を感じ、こちらでも新たにクリニックを始めたのです。念願だった、CT・内視鏡・エコーなどを備え、待合室もゆったりと作りました。

新しいクリニックのメリットを教えてください。

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やはり医療設備が充実したことですね。特に、CTスキャンは重病の発見に役立っています。咳が続いていると来られた方は、レントゲン検査では原因が見当たりませんでしたが、聴診器で胸の音を聞くと雑音が聞こえる。これはちょっとおかしいと、胸部のCTを撮ってみると心臓の後ろに腫瘍らしきものが見つかり、大きな病院をご紹介しました。すると、やはりがんが見つかり、2週間後に手術して助かりました。また50代の女性は、胆石が胆管を通って十二指腸まで落ちるという危険な状態であることがわかり、その日のうちに病院を紹介してすぐ手術。もしCTがなければ手遅れになっていたと思います。

どのような方が来院されますか?


昔から住んでいる方が多いですが、最近はマンションが次々と建ち、お子さんがいるご家族が増えています。お昼休みを利用して駆け込んで来る会社員の方も多いので、杉野内科クリニックでは私はお昼休をとりません。ただし、従業員には交替で休んでもらいますし、ビュータワークリニックは開業間もないので、院長にはお昼休みをとってもらっています(笑)。風邪、お腹をこわしたなど、体調が悪ければどんな相談でも受け付けています。私の専門分野は循環器科なので、紹介で来られる心臓疾患の患者さんや、メタボリックシンドロームのご相談も多いですね。

2つのクリニックをどう診ていらっしゃるのですか?


私は基本的に杉野内科クリニックで診療を行い、ビュータワークリニックで診るのは木曜日のみ。他は院長に任せています。歩いて5分程の距離ですから、ちょくちょく顔を出しますよ。杉野内科で検査が必要だと判断した患者さんには、こちらに来ていただきます。そして、金曜日は往診に当てています。この地域も高齢化が進んでいますので、医師会も積極的に在宅医療に取り組んでいるところです。医師会が運営する介護老人保健施設および訪問看護ステーションと連携し、在宅医療を行っています。訪問看護ステーションの看護師より、「血圧が下がっている」「呼吸がおかしい」といった連絡があれば、すぐに私も含めた医師会のドクターが動く仕組みになっています。

患者から細かく話を引き出すこと。病気の早期発見と要望に合わせた治療がモットー

診療の際にで心がけていることはありますか?

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細かいことまで患者さんに問いかけて、詳しい状況を聞いていくことです。自分から積極的に話してくれる人もいますが、大人しく何も言わない方には「こういう所が悪いんじゃないの?」「今日は何のために来たの?」と、こちらからどんどん話かけます。基本的に、患者さんは家族だと思って診ています。他の病院にご紹介しても、できるかぎり入院先にお見舞いに行くようにしています。私の手を離れても治療は続いていきますし、患者さんが元気になる姿を見るのは何よりうれしいです。長い付き合いの患者さんばかりなので、この辺を歩いていると必ず見つかります。道端で引き止められて、10分ぐらい診察することもありますね(笑)。

忘れられない診療のエピソードはありますか?

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良いことも悪いこともいっぱいありますね。中でも、クリニックの事務スタッフから相談を受けたケースは忘れられません。「父が他院で診察を受け、すぐにペースメーカーを入れなさいと言われたけれど、本人はどうしても入れたくないと言い張っている……」と。私は大学病院で不整脈班の班長として、多数の心臓ペースメーカーの植え込み手術を行ってきました。確かに心電図を見ると入れてもいいし、入れた方が医師にとっては安心できる状態でした。しかし、私はご本人の要望を優先して、薬を使いながら体調管理を行うことにしたんです。あれからもう15年経ちますが、今も脈は正常でお元気! 患者さんの体の状態だけでなく、気持ちも把握して治療しなければうまくはいかないと実感した出来事です。たとえペースメーカーを入れたとしても治療は完結しませんし、元々入れたくないと感じていた方はその後もずっと不満を抱えて生きてくことになりますからね。体と心の状態に応じた判断が重要です。

メタボリックシンドロームは、どのように改善していくのでしょう?


一般的には腹囲を測ることで診断しますが、本来はきちんと内蔵脂肪を測るべきで、それにもCTスキャンは有効です。いわゆる「メタボ健診」と呼ばれる、区の特定健診でメタボリックシンドロームと診断された方は、6ヶ月間に渡って健康指導を受けるのですが、私もその担当医の一人です。最初に面接をして、運動や食事の適正な量を見定め、腹囲の目標を決めます。その後も、生活習慣の改善状況について電話でフォローを続け、6ヶ月後には再度測定結果をみながら医師が面談します。効果が出る方が徐々に増えてきていると感じています。

どんな些細なことでも相談。検診データも積極的にかかりつけ医に見せてほしい

心臓疾患はどのように予防したらよいのでしょう?

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心臓疾患は一般検診で見逃されてしまうケースもあり、予防が困難な例もあります。ある方はゴルフ中に意識がなくなり倒れて、脳外科で脳ドックを受けても特に問題はないと、私のところを紹介されてきました。一見すると心電図は正常で自動解析でも異常なしでした。しかし、わずかな変化があり、このことから、発作性心室頻拍から心室細動にいたり、失神したのではないかと考えました。数回にわたり、24時間ごとの心電図を調べ直していくと、やはり10秒から30秒ほどの悪性の心室頻拍が見つかり、埋め込み型の除細動器を入れました。放置していれば亡くなっていたでしょう。一見、異常のない心電図でも、病気を発見できるように検診を充実させる必要性がありますが、一番重要なのは心臓に負担をかける要素(高血圧・糖尿病・脂質異常など)をなるべく早く取り除いてあげることです。現在の検診では、みなさん数値にばかりに意識が集中しがちですが、検診はあくまで検診であって、それで全てが分かるとは思わないこと。一番良くないのは「やりっぱなし検診」。結果が出たら、必ずかかりつけ医に見せてください。私も患者さんには検診結果を持ってくるよう、いつも催促しています。

先生が医師を目指した理由について聞かせてください。

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父が小児科医で、昔は往診も含め何でも診ていました。小学生の頃から鞄持ちとして付いて行ったこともあるのですが、今と違って診察代を払えない方もいた時代。「申し訳ないけど」と野菜などを持たせくれると、親父はいつも「それで十分だよ」と言っていました。患者さんから感謝される姿を見て、やりがいがある仕事だと感じたのが、医師を目指したきっかけです。実家は熊本市内で、周りには川も山もあるいい環境で、魚や蛙を釣って遊び回っている子どもでしたね。

多忙な日々だと思いますが、休日はどう過ごされていますか?


楽しみはゴルフと温泉旅行です。あとは、司馬遼太郎の本を読んだり。でも、休みの日も医師会の勉強会や講演会で時間を奪われることもあります。休日ではありませんが、国立がんセンターの研修医が在宅医療の勉強に来ることもあります。がんセンターでは、末期の患者さんは手放さざるを得ないので、その後の受け皿や看取りについて知りたいとやって来るんです。中央区の訪問看護ステーションの仕組みに、素晴らしいと驚く研修医は多いですね。

今後の展望をお聞かせください。


今後も、一般診療以外にも在宅医療に力を入れていきます。療養型病院もパンク状態ですし、クリニックにも通院できない患者さんをどうケアしていくかは地域医療の重要な課題です。在宅医療をやりたくてもやれない先生も多いので、医師会が環境作りを進めることで、参加する先生も増えてくると考えています。また、人口の高齢化が進む中、ある程度の年齢になったら、体の不調を早めに発見して早めに治すことが肝心です。個人としては専門性を生かしつつ総合的な診療を行い、医師会の勉強会や講演会にも積極的に参加し、地域医療を一層磐石にしていきたいと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

とにかく、どんな些細なことでも躊躇なく相談してほしいです。「たぶんこれは、先生のところじゃないと思うんです」というのも歓迎。私が対応できない疾患は、適切な病院に紹介状を書きます。そのために私も常に都内病院の先生達とネットワークを広げていますよ。「ちょっと転んだから」と見える方もいます(笑)。敷居の低い町医者ですので、お気軽にお越しください。

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