坪野慶弘院長の独自取材記事

上十条歯科

(北区／十条駅)

最終更新日：2023/07/26

JR埼京線十条駅南口から徒歩1分の至便な場所にあり、1987年の開業以来、地域密着型の歯科医院として地域に根差してきた「上十条歯科」。ガラス張りの扉と白を基調にしたスタイリッシュな院内は、手入れが行き届いた清潔感のある空間だ。長年の経験で培った知識と技術、常に時代のニーズを見据えた歯科診療を提供してきた坪野慶弘院長。その穏やかな語り口と丁寧な言葉選びからも、歯科医療に対する真摯な姿勢が伝わってくる。予防を柱に、「一生自分の歯で」をコンセプトに患者満足度の高い治療をめざす同院。先進の薬剤を使った高い効果が期待できるホワイトニングにも対応し、今後は審美歯科にも注力していくという坪野院長に、同院の特徴やこれまでの経験、今後の展望など多岐にわたる話を聞いた。

（取材日2023年5月1日）

長年続けてきた予防歯科で患者の歯への意識変化を実感
勉強を重ねたホワイトニングに注力
歯科医師として患者も自分自身も満足できる仕事を

長年続けてきた予防歯科で患者の歯への意識変化を実感

開業されたのは1987年と伺っています。当時から現在までの変化があれば教えてください。

そうですね。以前は、歯が悪くなって歯科医院に通院する方が患者さん全体の8割でしたが、現在は歯の悪い方と予防のために通院する方が半々になっています。今年で開院から36年になりますが、皆さんの歯の健康に対する考え方が変化してきて、予防の意識が昔よりも格段に上がってきたなと感じています。当院では、意識が高く健康な歯を維持している人たちが、将来的にお口の中の衛生環境を管理できるかどうかを考えながらメンテナンスを行います。昔は半年か1年に1回、歯の検査を受けていただくよう案内しておりましたが、最近では3ヵ月に1回、もしくは2ヵ月に1回の間隔で歯の検診を受けていただくよう案内しております。そのような点が大きく変わったところですね。

患者さんの歯科に対する意識が高くなってきているのですね。

歯科に対する意識が高い方もいらっしゃいますし、中には低い方もいらっしゃいます。特に歯科への意識が低いなと感じる方には、根拠を持って、今のままの状態が続くと快適な食生活を送ることができないから、こういう生活をしてください、こういう口腔処置をしてくださいというアドバイスを根気強く説明するようにしています。また、歯科に対する意識の高い方には、ハイレベルな口腔衛生を徹底していただくために、いろいろな治療の成立を紹介します。特にPMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）という歯のクリーニングは、健康な口腔環境を維持するために有用なため、そういった説明を行うようにしています。

こちらの歯科医院のコンセプトを教えてください。

10年ぐらい前から予防を柱に、一生自分の歯で食べられることを目的にした診療コンセプトを基本にしてきましたが、コロナ禍を機に、口の中の衛生管理ができていないのではないかということで心配されて来院される方も増えています。開業から36年間、積み上げてきた歯科治療をいろいろな方に受けていただきたい。また、いろいろな方に満足していただき、自分の歯で噛める食生活を送っていただきたいということを強く思っていますし、残りの歯科医師人生を充実させ、精一杯努力していこうと考えています。そのためには患者さんとの信頼関係が大切ですから、しっかりと目を見て話すことや何か不安そうな患者さんがいれば、的確なタイミングでお声をかけることなども心がけています。

勉強を重ねたホワイトニングに注力

こちらではホワイトニングに注力されているそうですね。

実は当院の周辺にはいくつかの女子大があり、歯を白くしたいというニーズが多くありました。そこで、さまざまなメーカーのホワイトニングを試し、私だけでなくスタッフも一緒に学び、院内で講習会を開くなどして、みんなが同じ方向を向いてホワイトニングに取り組んできましたね。

こちらで導入されているホワイトニングの特徴について教えてください。

2023年の5月から新しいホワイトニングを導入したのですが、これは現在、国内の歯科医院で使えるホワイトニングの中でも、特に色むらが少なく、艶と透明感が期待できる施術だと感じています。ホワイトニングは漂白成分を配合した薬剤を塗って、光を当てて歯を白くすることをめざす施術ですが、導入したホワイトニングで使用する薬剤は、主成分である過酸化水素にPH調整剤、炭酸塩などをかけ合わせたものです。また、紫外線をほとんど出さないホワイトニング専用の照射器光活性化装置を使用します。「以前ホワイトニングを受けたけれど、歯が白くならなかった」という人にも一度受けていただきたい施術ですね。

ホワイトニングの具体的な施術の流れを教えてください。

ホワイトニングの施術時間自体は30分程度ですが、説明や歯の表面を磨くなどの工程を含めトータルで1時間ぐらいと考えておいていただければいいと思います。理想は1ヵ月に1回を半年ぐらい続けて、色が固定してきたら3ヵ月に1回受けるという形ですね。ホワイトニングは痛いというイメージがありますが、痛みについてはあらかじめ説明をして、しみたり痛みがあった場合の対策も取っています。痛みを我慢して施術を受けることはしてほしくないので、痛みがあった時は別日に変更するなどします。当院では院内で施術するオフィスホワイトニングとマウスピースに薬剤を入れて行うホームホワイトニングも導入しています。このホワイトニングを導入している歯科医院は増えていますが、周辺地域ではまだ少ないと思います。

歯科医師として患者も自分自身も満足できる仕事を

先生が歯科医師をめざしたきっかけは？

大学受験を機に、自分は将来何になろうかと考えたのですが、その時は答えが出ませんでした。ただ、小さい頃からプラモデルを作るのが好きで、手先は器用だったので、両親から言われた「お前は歯医者に向いているのでは？」という言葉を信じて歯学部に進学しました。実際に歯科医師になってみると「天職だった」とつくづく思います。よく「細かい仕事で大変ですね」と言われますが、僕にとってはまったく苦ではなく、むしろ診察をしているとあっという間に時間がたってしまいます。

診療で大切にされていることは何でしょう。

診療ではできるだけ専門用語を使わず、「普段話している言葉でわかりやすく」を心がけています。また、口腔内カメラで撮影した写真を大画面でお見せして、治療前後の違いがわかるようにしています。そうすると患者さんの予防意識も自然と高まると思うんです。当院のスタッフは全員が明るく元気いっぱいに患者さんをお迎えし「通いやすい歯医者」になることで、お口のケアをしっかりサポートできる歯科医院をめざしています。私の患者さんへの姿勢は、これまで自分が培ってきた技術や考えを患者さんにすべて提供することです。それによって、皆さんが喜んで歯科医院に通えるよう努力していきたいと思っています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

患者さんとの相性もありますが、できるだけ患者さんが私の診療方針や治療内容を理解してくださるように、また、それが完全に伝わるように心がけています。先ほどもお伝えしましたが、私は歯科医師になって長い年数を積み上げてきました。これからは今まで以上に、患者さんのための医療を提供することはさることながら、自分自身も歯科医師になって良かったと思えるような仕事をしていきたいですね。患者さんも私も満足できるような治療。これがあって初めて「上条歯科医院」が成り立っているのだと思います。当院での歯科治療を患者さん、スタッフ、私自身が満足して笑顔で声をかけ合えるような機会にしたいですね。