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林 毅 院長の独自取材記事

林クリニック

(板橋区/小竹向原駅)

最終更新日:2024/04/19

林毅院長 林クリニック main

小竹向原駅から徒歩約7分。環七通りを超えたところの閑静な住宅街で、長きにわたって地域の人々の健康を支え、寄り添ってきたのが、「林クリニック」だ。内科一般から、糖尿病をはじめとする生活習慣病、循環器科、消化器科、小児科、皮膚科など、かかりつけ医としての外来診療に加え、訪問診療や往診、訪問リハビリテーション、訪問看護まで地域に必要とされる医療を提供している同院。3代目となる林毅院長は、これまで大学病院で糖尿病や内分泌疾患、甲状腺疾患、骨粗しょう症などを専門に診療に従事。同院でも、その豊富な経験を生かしながら、「地域の皆さんの健康増進のために、頑張っていきたいと思います」と話す。そんな林院長に、同院のことや地域医療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2022年8月4日)

地域とともに歩んできた歴史あるクリニック

クリニックを紹介していただけますか?

林毅院長 林クリニック1

当クリニックは、祖父がこの地に開業して60年弱がたちます。そして、特に父の代からは、外来診療に加えて在宅医療にも力を入れるなど、地域に根差し、必要とされる医療にずっと取り組んできたという歴史があります。そのような中で私は、2022年の4月に父から院長を引き継ぎました。内科一般をはじめとするかかりつけ医としての幅広い診療に加え、大学で17年間取り組んできたのが、地域とも非常に関係のある糖尿病を中心とした生活習慣病ですから、そういった専門性も生かしつつ、引き続き何か体調に問題があったら最初にかかる町のお医者さんとして、相談相手になりたいと思っています。父も引き続き、外来や訪問での診療に取り組んでいます。

どのような患者が訪れていますか?

長年通っていただいている高齢の方で、主に生活習慣病の方が中心ですね。あとは、大学病院や基幹病院での治療を終えて、引き続きこちらでフォローアップをしている方もいます。私の主たる職場がここになってからは、甲状腺疾患や骨粗しょう症の患者さんも増えてきています。特に、比較的若い患者さんは、インターネットなどで検索して来ていただいているようですね。また、小児科一般の範囲でお子さんにも対応していますし、皮膚のことやほかのどのようなことでも、まずは1回診させていただいて、専門的な診察が必要な場合には、紹介をさせていただいています。

力を入れていることは何ですか?

林毅院長 林クリニック2

糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を治療することで、最終的に脳卒中などの脳血管疾患や心筋梗塞などの心血管疾患の予防をめざすことです。生活習慣病では、食事指導や運動指導などによる肥満の改善を大切にしています。糖尿病は、専門ではない医師でも診ることができますが、食事のカロリー管理や運動内容の指導は、この領域を専門とする医師のほうが、より適切にできると考えています。それらの指導は私自身も行いますし、連携している近隣の病院でも指導をしてくれますので、そこにお願いもしています。また、骨粗しょう症の治療にも力を入れていますが、骨密度を精密に測定できるDEXA法の検査も、ここから徒歩5分程度の病院で、当日中にしてもらうことが可能です。さらに、私は現在も大学病院で外来を担当していますので、何かの専門的な検査や治療が必要なら、そちらで対応することも可能です。

糖尿病から特殊な内分泌疾患、在宅医療まで幅広く対応

糖尿病は、専門の先生に診てもらったほうが良いのですか?

林毅院長 林クリニック3

そう思います。例えば、専門ではない医師はすぐにインスリンを出すこともあるようなのですが、基本的に患者さん自身で注射をしなくてはいけないのでストレスになりますし、低血糖のリスクもあります。近年では治療薬が進化し、インスリンを使わなくてもかなりコントロールが望めるようになってきています。ですから私は、本当にほかの手段がなくなるまでは、なるべくインスリンに頼らないようにしています。また、糖尿病では現在、24時間の血糖値がわかる測定器があります。その装置の国内での普及に尽力してきたのが、私がずっといた大学の教室の教授です。その装置は、体にセンサーをつければスマートフォンで血糖値が見れたり、家にいてもクラウド経由でデータが主治医のところに行ったりするなど、ITを利用した管理ができます。さらに、糖尿病専門の医師の場合はデータの見方などの経験も豊富にあるので、より適切に治療できると思います。

糖尿病以外にも特殊な内分泌疾患にも対応されているとか?

はい。当院の特徴の一つは、甲状腺疾患や脳下垂体の病気、男性更年期障害など、ちょっと特殊な内分泌疾患にも対応していることです。中でも、バセドウ病や橋本病、経過観察が必要な甲状腺腫瘍などは、病状が落ち着いていても定期的に検査を受けながら、ずっと薬を飲まなくてはいけない患者さんが、世の中にはたくさんいます。ですが、それらの専門的な診療に対応している医療機関は多くなく、有名な病院に患者さんが集中しています。診察を受けに行くと丸1日かかってしまって、帰ってきたら疲れきってしまっている人も少なくありません。しかし、これらの領域のフォローは、血液検査や超音波検査ができれば支障はありませんので、当院でも大学病院に劣らないクオリティーで診察が可能です。そういう方は、当院も利用していただければ便利でしょうし、専門的な検査や治療が必要な場合には、対応する病院に速やかに紹介しています。

在宅医療の取り組みについても教えてください。

林毅院長 林クリニック4

当院は、24時間365日往診対応も行う「機能強化型在宅療養支援診療所」として、訪問診療にも力を入れています。主に父が行っていますが、昔から当院を受診していて、そのまま父と一緒に年を重ねたような患者さんもたくさんいます。がん患者さんのターミナルケアやお看取りも対応していますし、在宅でインスリンを打っている患者さんのもとには、私がお伺いすることもあります。さらに、居宅介護支援事業所も併設していて、ケアマネジャーが在宅療養の相談をお受けしているほか、訪問看護や訪問リハビリテーションも提供しています。訪問リハビリテーションでは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが、脳卒中後遺症や認知症、生活習慣病が悪化して引き起こされるADL(日常生活動作)の低下、整形外科的な運動器疾患などから、日常的な運動機能を回復できるよう取り組んでいます。

患者の意思を尊重した医療を大切に

診療の際に心がけていることはありますか?

林毅院長 林クリニック5

丁寧に説明をすること。そして、治療はこちらが決めつけたものを押しつけるのではなく、理解をしてもらった上で選択肢から選んでもらうなど、患者さんの意思を重要視することです。例えば、薬の中には効果が見えてくるまで多少の時間が必要なものもあります。そのような場合にこれを飲んでくださいと言うだけでは、患者さんは「言われたとおりに飲んでいるけど効かないからやめてしまおう」となってしまうでしょう。でも、そのことを理解して、納得して飲んでいる方は、そういう場合でも飲み続けてくれて、良い結果につながりやすいです。ですから、病気の治療は、患者さんにもある程度は理解してもらって、一緒に進めることができるよう心がけています。

診療で多忙な中どのようにリフレッシュしていますか?

娘が2人いますので、一緒に遊ぶことですね。あとは庭いじりというか、園芸です。庭で果物を育てていて、それも子どもたちと一緒にしています。特に、果物が採れた時は楽しそうで、その様子を見るのが親としてはうれしいですね。鉢で育てられる果物もけっこうあるのでいろいろな種類に挑戦してます。今後も子どもたちと一緒に楽しく続けていきたいと思っております。

今後の展望とメッセージをお願いします。

林毅院長 林クリニック6

今後も、これまでどおり地域に根づいた医療を継続していくこと。加えて、生活習慣病については、これまで以上に地域の拠点になれるように取り組んでいきたいですね。また、新型コロナウイルス感染症に対しても、発熱の外来やワクチン接種に積極的に取り組んでいますが、一般診療と時間と空間を完全に分けていますので、安心して受診してください。そして、私は3代目になりますが、当院は長年、この地域の医療を支え、地域の皆さんと一緒に歩んできたという自負があります。私が大学で得てきた経験を生かし、地域の皆さんの健康増進のために、頑張っていきたいと思います。

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