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川島 正人 院長の独自取材記事

山崎歯科口腔ケアクリニック

(板橋区/本蓮沼駅)

最終更新日:2022/07/08

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック main

本蓮沼駅から徒歩約1分の住宅街にある「山崎歯科口腔ケアクリニック」。65年以上の長きにわたり地域の歯科医療を支えてきた同院を、1989年に引き継いだ川島正人院長は、大学病院の口腔外科や歯科麻酔科で研鑽を積んだ人物だ。「痛み」の専門家でもあり、東京医科歯科大学の客員臨床教授や、神奈川歯科大学と日本歯科大学の非常勤講師も務めている。穏やかな語り口で、聞く人に安心感を与える川島院長のモットーは「お口の中から命を守る」。そんな川島院長に院名にもなっている口腔ケアのことや、最近増えているという口腔がん検診のことなど、じっくりと話を聞いた。

(取材日2021年5月18日)

内科疾患や感染症の予防につながる口腔ケア

65年以上の歴史がある歯科医院だそうですね。

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック1

先代院長の山崎先生が「山崎歯科医院」として開業し、この場所で長年地域の方たちを診てきました。山崎先生がお亡くなりになり、引き継ぐ人を探していた際にお声かけいただき、私が2代目として就任して30年以上になります。高齢化が進む中、お口の中をきれいにすることが、脳血管障害や心臓病、糖尿病などの疾患、また、寝たきりの高齢者の誤嚥性肺炎予防の一助になるとわかってきました。そこで口腔ケアを中心とした診療スタイルをとる方針を決め、「山崎歯科口腔ケアクリニック」と院名を変更して今に至ります。

口腔ケアを意識する患者さんが増えているとお聞きしました。

口腔ケアに対する意識の高い患者さんは増えていますね。特に昨年の春頃に感染症と歯周病菌の関係を説明したお便りを患者さんにお送りしたのですが、それを見てお口の中をケアするためにいらっしゃる方が増えました。風邪やインフルエンザなどのウイルスは、お口や喉の粘膜に付着します。また、お口の中の歯周病菌は強力なタンパク分解酵素を出しており、それによりウイルスが体内に侵入しやすくなることがわかっています。これは新型コロナウイルスにも共通するのではないかと考えられるため、感染症対策としてもお口の中を清潔に保ちたいですね。高齢者に限らず、どの年代の方にも言えることですので、幅広い年齢の方に定期的な検診を勧めています。

具体的にどのような口腔ケアを行っていますか?

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック2

まずはお口の中を清潔に保つために、歯石除去やブラッシングの指導などを行います。あわせて、むせやすく飲み込みが悪くなってきている高齢の患者さんに嚥下の指導をしたり、唾液を分泌させる運動を教えたりと、トータルで行うのが当院の口腔ケアの特徴です。また、命に関わる内科の病気に歯周病が関係している可能性を早くから意識し、体全体の健康を維持する一貫としての口腔ケアに注力してきました。さらに、お口の中をきれいにしておくと、手術後に感染症になることが減るというデータもあります。全身麻酔をして口からチューブを入れた時、口の中の菌が肺へ流れると、術後の肺炎の原因になると考えられていますが、事前に口腔ケアをすることでそれを防ぐことにつながるのです。当院では国立がんセンターなどと連携を取りながら、手術前の患者さんの口腔ケアも行っています。

口腔がんの検診や痛みのケアにも注力

口腔がんの検診にも力を入れているそうですね。

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック3

口腔がんを疑って来院される方も増えているように感じます。口腔がんはがんの中でも患者数の少ない希少がんですが、年々増加傾向にあり、日本では死亡率も低くはありません。けれど、胃がんや大腸がんのように検診制度はありません。さらに、進行した場合には手術で取り除く部分が多くなるので、顔の変形が伴ったり、食事ができなくなったりと非常につらい影響が出ることがあり、他のがんに比べて自殺率が高いがんでもあります。そのため、早期に発見することが極めて大切と考え、検診に力を入れるようになりました。

口腔がんの検診はどのように行っていますか?

ブルーの光をお口の中の粘膜に当てて写真を撮ると、がんのある部分が反応して写る機械を使って検査をしています。合わせてリンパ腺などの触診や視診も行いますが、光を当てる方法だと肉眼で見える前の初期段階のがんも発見できるのです。当院では、検診をして疑わしいと感じた場合は、口腔がん撲滅委員会と連携して診断につなげます。お口の中のがんは痛みを感じにくく、自分で気づくのは難しいかもしれません。当院は治療中に口の中全体を診ていますので、粘膜におかしい点があれば検査を勧めています。しかし、口腔外科の経験がない先生ですと気づかれにくいため、2週間程度口内炎などの症状が続くようでしたら、口腔がんの検診を行っている歯科への受診を考えてみてください。体だけではなく心へのダメージが大きく、その後のQOLを著しく下げてしまうのが口腔がんです。定期的な検診で予防していきましょう。

先生は「痛み」の専門家でもあるそうですが。

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック4

痛みの悪循環をなくすためのケアを行う歯科は珍しいですよね。私は大学卒業後、東京女子医科大学病院の口腔外科へ進みました。そこで手術の麻酔だけではなく全身管理の必要性を痛感し、東京医科歯科大学の歯科麻酔科へ移ったのです。その歯科麻酔科の中に「痛み」に対する部門があり、それが今の診療につながっています。現在当院では、通常の一般歯科分野に加え、「神経を取ったのに痛みが治まらない」「歯を抜いた後の痛み取れない」といった、歯科治療を終えたにも関わらず痛みが治まらない方の相談に応じています。院内に導入した歯科用CTなども用いて検査を行い、痛みの原因を突き止め、漢方薬も含め適した薬を処方しています。口腔周囲筋ストレッチの指導などの、理学療法的な概念を取り入れたアプローチもしていますので、「痛み」にお悩みの方は気軽に相談に来てください。

末永く口の中から健康寿命を延ばすサポートを

先生が歯科医師をめざしたきっかけは何だったのでしょうか?

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック5

父が耳鼻科の医師だったことが医療の道に進んだきっかけです。父の背中を見ながら、医学部への進学も考えたのですが、若気の至りか父への反発心もあり、歯学部に進みました。知識や技術を積み重ねていくうちに、命に関わるような内科の病気の原因の一つに歯周病があると言われ出した頃から、歯科医師としてのやりがいを改めて感じるようになりました。歯科医師は、ただ歯を削って詰めるだけではなく、もっと広い意味で人の命を守る仕事なのだと気がついたのです。以来、「お口の中から命を守る」をキャッチフレーズに、日々診療しています。

長く続く歯科医院として大事にしていることは?

信頼関係をつくることです。医療の基本は患者さんとの信頼関係だと思っています。信頼関係がうまくつくれなければ治療もうまくいかないと考えています。基本としているのは、患者さんの訴えをよく聞き、患者さんの考えに間違えがなければ支持をして、最終的に大丈夫ですよという保証を与えること。皆さんお口のことで困って当院にいらっしゃるわけですから、その心に寄り添い、安心感を与えられるようお話をしています。また長く続くクリニックゆえに高齢の患者さんも多いですから、年を取ってしまったからもういいと諦めの気持ちを持たせず、前向きに最後まで元気に生きる気力を持っていただけるようにサポートしています。歯の治療を通して、お口の中から体の健康を支え、寝たきりにならないように導いていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

川島正人院長 山崎歯科口腔ケアクリニック6

末永くお口の中から皆さんの体の健康をサポートしていく、そういう歯科医院でありたいと思っています。お口の中をきれいに保つことは健康寿命を延ばすことになります。例えば歯周病は、歯周病菌が血管の中に入り込むと血栓を作る原因になるといわれていますが、頭に血栓ができれば脳梗塞、心臓の場合は心筋梗塞と重大な疾患につながります。体の病気を予防する観点でも定期的な歯科の受診は重要です。当院はスタッフも専門知識を持ち、患者さんの質問にしっかりとお答えし、お一人お一人に合わせたケアを提案できるよう努めています。お口の中をきれいにすることに加え、嚥下や食生活などの指導も行っていますので、不安なことがあれば同時にサポートさせていただきます。

自由診療費用の目安

自由診療とは

口腔がん検診/4950円~

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