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吉野 諭 院長の独自取材記事

吉野歯科診療所

(板橋区/ときわ台駅)

最終更新日:2023/04/10

吉野諭院長 吉野歯科診療所 main

東武東上線・ときわ台駅南口から歩いて約2分。ときわ台駅から川越街道に続く、常盤台銀座商店街にあるのが「吉野歯科診療所」だ。昭和大学歯学部歯科補綴学教室の兼任講師を務める吉野諭院長が1998年に開業し、主に一般歯科・小児歯科に対応している。「商店街の皆さんといいお付き合いをさせていただいています」と吉野院長が話すように、地域に溶け込み、子どもから高齢者まで幅広い世代の患者が訪れる同院。保険診療を中心に、患者の気持ちに寄り添った親身な診療スタイルが特色だ。インタビューでは、吉野院長に歯科医師を志したきっかけや地域とのつながり、今後の展望などについてじっくりと聞いた。

(取材日2023年3月13日)

幅広い年代の患者が訪れる、地域に根差した歯科医院

開業までのご経歴を教えてください。

吉野諭院長 吉野歯科診療所1

歯科の面白さや奥深さを強く感じていたことから、昭和大学歯学部卒業後は、研究者になろうと思って大学院に進みました。そこで与えられた研究テーマは「歯の色」。例えば「これは青」「あれは赤」というのは目で見てわかりますが、歯の微妙な色の違いを測定器で測るのはとても難しい。歯は半透明なので、物体が示す色とは違い、光を当てると後ろに抜けてしまうんです。そのため、歯の色を客観的に評価するのが困難で、研究者としてつまずいてしまったんですよね。なかなかいい発想が思い浮かばなくて、何度試しても予想していた結果が出ないので非常に苦労しました。そういった経験から、研究よりも歯科医師として患者さんと接しているほうが自分には向いているんじゃないかと思い始め、開業をめざしました。そして大学院を修了後、将来の開業を見据えて「青葉歯科医院」で勉強させていただき、開業した次第です。

開業の際、この地域を選ばれた理由は何でしょうか?

私は埼玉県出身で、もともと東武東上線沿線の雰囲気がとても好きでした。そこでこの沿線沿いで開業できたらと、1駅ごとに地元の不動産屋さんで物件を聞いて回ったんですよ。その際に、以前薬局が入っていたこの場所がたまたま空くと聞きまして、駅からも近いので決めました。現在私は、こちらの商店街の理事もやっているんですよ。商店街を活性化させるために、40・50代のメンバーがそれぞれ仕事が終わってから集まっていろいろ話し合って活動しています。その一環で商店街の旅行に参加したり、町内会のイベントに参加したり、地元の方にとてもかわいがっていただいていますよ。ここから駅まで2分くらいですが、歩いていると必ず知り合いに会って、途中で立ち話をしてしまうので2分じゃたどり着かない(笑)。そのくらい、この地域の方たちと交流を持てるようになりました。地元に根差した歯科医院になりつつあるのではないかと自負しています。

どんな患者さんが来院されますか?

吉野諭院長 吉野歯科診療所2

小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い年代の患者さんがいらっしゃいます。近年、この商店街近くにもマンションが建ち始め、若いファミリー層が増えていますが、基本的には以前からこの地域にお住まいの患者さんが多いですね。当院では、半年後・1年後に来てくださいなどと来院を促すはがきを差し上げていないのですが、それでも皆さん検診をしてほしいと定期的に来院されるんです。この辺りにお住まいの方は、歯の健康管理に対する意識が高いのかもしれません。小さい頃から通っていた患者さんが大きくなって、「もう就職なの?」というようなことも。継続して通ってくれると歯の状態もわかりますし、うれしいものですね。

患者のために質の高い保険診療の提供をめざす

先生の治療方針をお聞かせください。

吉野諭院長 吉野歯科診療所3

私は保険診療でほとんどが網羅できると考えており、当院でも保険診療をメインに行っています。皆さん自由診療だと良い材料を使えるといったことは理解されているのですが、内心は保険診療を望んでいらっしゃることが多いのではないでしょうか。ですから患者さんが安心して治療に臨めるように「保険診療でやりましょう」と話をしています。患者さんからほかの治療方法はあるかと聞かれたときに初めて、自由診療についてご説明するようにしていますね。保険診療だからそこまで良い治療を期待できないというのではなく、皆さんに喜んでいただきたいからこそ、なるべくお金をかけずに長持ちもさせられるような、質の高い治療を心がけています。保険診療の中でできることを精一杯やっている、というのが当院の一つの特色といえるかもしれません。

先生が診療の際に心がけていることは何ですか?

お子さんは歯科医院を嫌がる子が多いので、何かできたら「今日はちゃんと座れたね」「じゃ、次はこれをやろうね」というように、必ず褒めるようにしています。そうすると次もすんなり来てくれるケースが多いんですよ。これは、実はお子さんだけでなく、大人の患者さんも同じ。多少歯磨きがうまくできていなくても「ここがきれいになっていますね、でももう少しここを磨きましょう」というような言い方をしてあげると、患者さんは喜んでいただけます。また、丁寧に説明することも心がけています。よくしているのは、メモ用紙を用意しておいてイラストを描くこと。「今はこんな状態で、治療するとこうなりますよ」と図解で説明し、納得していただいた上で治療を始めるようにします。当院全体としては、スタッフと連携しながら、できる限り手際良く診療を進められるよう努めています。

先生が歯科医師を志されたのはなぜですか?

吉野諭院長 吉野歯科診療所4

子どもの頃の私は生き物や理科系の勉強がとても好きで、もともとは科学者になることが夢だったんです。実家は父が会社員、母が農業をやっていて周りに医療従事者はいませんでした。そんな環境の中、中学生の頃に5つ上の兄が歯学部に進学。兄から刺激を受けたこともあり、自分も歯科の道に進んだというわけです。歯科医師になった今は私が子どもたちに「しっかり歯を磨こう」と言う立場ですが、実は私が子どもの頃は、きちんと歯磨きをしていなくて……。虫歯だらけで歯が痛くなってから治療するということを繰り返してました。振り返ってみると、そんな私がよく歯科医師になったものだと思います。

誰もが安心して通える歯科医院をめざして

影響を受けた歯科医師の先生はいらっしゃいますか?

吉野諭院長 吉野歯科診療所5

はい。大学院の時にお世話になった川和忠治先生です。技術的な面はもちろんですが、人付き合いをとても大切にされる先生で、人との接し方についても多くのことを学びました。よく覚えているのは、私が研究で行き詰まって医局でこれからどうするかという話になった時のこと。先生がコピー用紙の裏に英語で「Practice makes perfect」と書かれて、この意味を調べてみろと言われたんです。訳すと「継続は力なり。とにかくやってみろ」というような意味で、ああ、これなんだなと。ひどく落ち込んでいましたが、先生のおかげで立ち直ることができました。

先生のご趣味を教えていただけますか。

走ることが好きでジョギングを続けているほか、フルマラソンにも挑戦しています。私はそんなに早くないので、フルマラソンに5時間くらいかかるのですが、沿道の応援が素晴らしくてその魅力に取りつかれてしまいました。知らない人が42.195キロも応援してくれるなんて、あんまりないじゃないですか。35キロあたりで本当につらくなり、泣きながらゴールしたこともありましたね。あとは、実家で母がまだ農家をやっていますので、農繁期は手伝いに行きます。お米を作っているので、田植え、稲刈りまで、農繁期は呼び出しがあるんです。トラクターやコンバインに乗れる歯科医師はあまりいないんじゃないかな(笑)。農作業の手伝いはとても楽しいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお聞かせください。

吉野諭院長 吉野歯科診療所6

現在、当院では在宅診療や訪問診療を行っていませんが、近年は患者さんが高齢化して寝たきりになってしまい、歯科医院に行きたくても行けないというケースが増えています。そのため将来的には患者さんのお宅にこちらから出向いて診療できる体制を構築したいと思っています。これからますますご高齢の方は多くなりますし、時代の流れとしても必要かなと。つまり、当院に来てくださっている患者さんだけではなく、地域の困っている方々にも目を向けていくことが課題です。一方で、この先も笑顔の絶えない、安心して通っていただけるアットホームな歯科医院でありたいです。これからも当院に来て良かったと思っていただけるように頑張っていきます。歯に関するお悩みやトラブルがありましたら気軽にいらしてくださいね。

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