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岡野 昌治 院長の独自取材記事

岡野歯科医院

(板橋区/板橋駅)

最終更新日:2023/09/26

岡野昌治院長 岡野歯科医院 main

初診で口腔内の状態把握や応急処置を行ったあと、早い時期に30分以上時間をかけたカウンセリングを行う。虫歯や歯周病に加え、トゥースウェアと呼ばれる歯を失う原因について丁寧に説明するとともに、患者自身に自分の口内の状況を確認してもらい、対策を話し合う時間を何より大切にする。それが「岡野歯科医院」の岡野昌治院長が開院以来続けている診療スタイルだ。患者とのコミュニケーションを重視し、一人ひとりの症状に合わせた治療を実践する同院には、長年通い続けている患者も多いという。そんな患者思いの岡野院長に、開業までの経緯や診療の内容、今後の展望など、さまざまな話を聞いた。

(取材日2021年5月25日)

カウンセリングを重視した診療方針

こちらはご実家のあった場所だそうですね。

岡野昌治院長 岡野歯科医院1

両親がここで製麺業を営んでいました。開業するなら昔から知っているこの場所でと思っていて、実際最初に開業したのも製麺所内の空いている部屋でした。でもここはJR、私鉄、地下鉄の3駅から5分以内と、予想以上に交通の便が良かったです。15年前に製麺所を廃業したとき、全部更地にして建て替えました。近くにお住まいの患者さんのほとんどは子どもの頃からの顔なじみで、両親との縁で来ていただいていた方も多く、実家の仕事がどれほど皆さんに信頼されていたかを実感しました。

開業しようと考えたきっかけを教えてください。

口の中に限定せず全身を診ることができる歯科医師をめざして口腔外科を専攻し、大学病院で口腔外科専門の勤務医を続けるつもりでした。あるとき入学時からの親友が異動になり、彼が担当していた顎の病気も引き受けることになりました。そこで彼のもとに専門的な教えを請いに行ったところ「それなら本格的に学んだほうがいい」と咬合・補綴治療で知られる藤本順平先生の勉強会を紹介されました。そこで藤本先生の考え方や診療姿勢に大きな感銘を受け、先生のような診療がしたいと思い、開業医になることを決めました。8年間勤めた大学病院を退職した後は、同じ大学の口腔外科学と藤本先生の勉強会でも先輩だった中沢先生が開業されていた歯科医院で、2年間経験を積ませていただきました。そこでも初診後の早い時期にカウンセリングを行っていたので、自分の歯科医院でもカウンセリングから始めるようにしました。

カウンセリングとはどのようなものなのでしょうか。

岡野昌治院長 岡野歯科医院2

専用の記入票に口の中の状態などを記入しながら、虫歯、歯周病、トゥースウェアといった要因からどうやって歯を守るかを説明します。トゥースウェアというのは、噛む力など物理的な力による摩耗や、飲食物に含まれる酸で歯が溶けたりすることを指します。もちろん治療中にもお伝えはしていきますが、そういったことを別室で資料をお見せしながらじっくりと説明するには初診後の早い時期が一番です。最後に原本を患者さんにお渡しし、私たちがコピーを持つことで、診療の基盤を共有できます。そういったことがなぜ大切かと言うと、ただ「甘いものは控えましょう」と言うだけではなく、なぜ甘いものが虫歯の原因になるかを理解していたほうが、少しでも控えようという気になると思うからです。歯周病の予防にしても、なぜ歯磨きが重要かわかっていれば、頑張り方が違います。そういったことをイメージとして持っていただくことが大事なんです。

口内の状態は全身の健康につながっている

診療の内容についてですが、精度の高い補綴に力を入れているとお聞きしました。

岡野昌治院長 岡野歯科医院3

藤本先生の勉強会で学んだことの一つが「補綴物の精度を上げよう」ということでした。かぶせ物は、細菌が付着するような隙間もないくらい精密に作る必要があります。それには型採りからかぶせるまでの全部のステップを精密にしていかないといけない。それを実現するためのノウハウを学びました。ただそれにはコストも必要で、良い材料を使おうとすると自由診療になってしまいます。そういったこともカウンセリングでお話ししています。もちろん保険診療でできることは限界まで突き詰めます。それでお互い納得して治療を始めても、進めるうちに問題が生じたりしたときは、改めてカウンセリングをして、どこをゴールにするかを再確認してから治療を続けます。ゴールが決まっていれば、そこに進むためのプロセスについて悩むことはあっても、目的地をどこにするかで悩むことはありませんから。

口腔内の健康を保つためには何が一番大切だと思われますか?

生涯にわたって自分の歯で噛み続けるには、歯を失う大きな原因である歯周病を予防することが不可欠です。症状がなくてもかかりつけの歯科医院で検診を受け、定期的なメンテナンスを続けてもらえば、たくさんの歯を良い状態で残せると思います。また、口内環境を良い状態で保つことは、医科で手術を受ける際の感染症の予防にも役立ちます。全身麻酔をかける手術では、人工呼吸用の管を口から気管に通すので、口の中が汚いと体内に細菌が入ってしまいます。また、術後に誤嚥性肺炎が起こりやすくなったり、術後や化学療法中の食事の取りやすさにも影響します。一部例外もありますが、全身麻酔を伴う手術での「周術期等口腔機能管理」は保険医療として認められていますから、ご自身やご家族が手術を受ける可能性がある場合は、口腔ケアにも目を向けてみると良いですね。当院でも入院前の口内チェックなどでご相談に乗ることができます。

口腔と全身は思った以上に関係があるのですね。

岡野昌治院長 岡野歯科医院4

ありますね。そこでもう一つ重要なこととして、お口が健康で食事ができることの大切さも意識してもらえればなと思います。高齢になると体の機能は衰えていくものですが、「食べること」ができなくなると、生活の質が大きく損なわれてしまいます。ただこれらの機能は、体操や運動などの予防策によって改善できることもあるので、必要に応じて生活の中に取り入れてみると良いですね。当院でも、治療の際のうがいの様子を見たり、患者さんのお話を聞いたりする中で、「むせることが増えたかな」「飲み込み機能が落ちているかな」と感じた患者さんには、運動のアドバイスをしたりしています。少し気にするだけでも違うと思うので、こちらもぜひ気をつけてみてください。

今後も地域に密着した診療を続けていきたい

院内の設備や感染対策で力を入れているところを教えてください。

岡野昌治院長 岡野歯科医院5

新型コロナウイルス感染症の流行があり、院内の感染症対策をより強化し、その対策を現在でも維持しています。患者さん同士が接触する機会を減らすために予約数を減らし、診療ユニットも同時に使うのは3台中2台までにしています。以前から使っていた口腔外バキュームも、感染対策に役立てています。空気清浄機も性能の良いものに買い替えました。パーティションも比較的早い段階で導入しています。あと、これも開業以来使っているものですが、次亜塩素酸水を使ってユニットや待合室の椅子など、すべてきれいに拭いています。

東京都板橋区歯科医師会の活動にも深く関わっておられましたね。

特に中心になって取り組んでいた4年間は、地域の歯科医師会・医師会・薬剤師会の連携を密に取るように努めました。例えば、お互いに関連する内容の講演があるときには声をかけ合ったりしていましたね。あと、骨粗しょう症の薬の副作用で、顎の骨が壊死してしまい、ときには大きな手術が必要になるようなケースもありましたので、その薬を出すときは注意してほしいというメッセージを医師会に送り続けたりもしました。その後医師会・薬剤師会の方と、製薬会社から派遣された口腔外科の先生とでディスカッションの場を設けることができました。そういったことに取り組んでいましたね。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

岡野昌治院長 岡野歯科医院6

開業した当時すでに私より年上の患者さんも多かったのですが、そういった方の中には、身体の衰えなどによってすでに通院できなくなっている方もいらっしゃると思います。私自身が訪問歯科診療でお伺いすることはなかなか難しい状況ですが、ただ手をこまねいているのは申し訳ないという思いがあり、何かしらお助けできることはないかと考えています。自分にできることならお力になりたいと思いますので、お困りのことがあれば、ぜひ声をかけてください。これからも地域に密着した診療を通して、一人ひとりの患者さんと長くお付き合いしていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

セラミックインレー/4万5000円~

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