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岩下 光利 病院長の独自取材記事

杏林大学医学部付属病院

(三鷹市/つつじヶ丘駅)

最終更新日:2019/08/28

30424

東京都の人口の約3分の1を抱える多摩地区に拠点を置き、中核的医療施設の役割を担っている「杏林大学医学部付属病院」。一次、二次救急だけでなく三次救急医療までカバーする高度救命救急センターや総合周産期母子医療センターなどは24時間対応で、高度急性期病院として地域住民に安心を提供し続けている。診療においては、各診療科が独立せず、いくつかの科が協力して疾患別に診るという取り組みに注力。2015年にはそのチーム力を生かして院内に患者支援センターを設置し、院内のみならず地域の診療所とも連携して、さまざまな面から患者をサポートする体制をつくり上げた。あらゆる視点から高度な医療を提供する特定機能病院として、チーム医療を実践する同院。積極的に先進医療を取り入れ、院内の陣頭指揮を取る岩下光利病院長に話を聞いた。
(取材日2016年7月20日)

地域のつながりを生かしたチーム医療

地域の中でこちらの病院は、どのような位置づけとお考えですか?

Cs1

東京都民の約3分の1が住む多摩地区で、大学医学部の本院として拠点を構える病院として、この地域の方々の命を守る最後の砦であるという大きな使命を感じています。われわれは医療従事者として、「あたたかい心の通う、良質な医療を患者さんに提供します」という理念のもと、患者さんにとって親切であたたかいホスピタリティの提供をしなければなりません。患者さんは具合が悪くていらっしゃるわけですから、明るい気持ちではありませんよね。だからこそ当院の対応によって、患者さんがリラックスし、安心して診療が受けられるようにすることが重要だと考えています。地域における当院の役割は、軽症の方から命の危険があるような重症の方まで、すべてを診ることです。医師の数は決して多くはありませんが、少ない中でも地域のために最大限のことをする、それが私どもの使命だと思っています。

病院の特徴的な部分についてご説明ください。

Cs2

一つは、当院の基本方針である「チームワークによる質の高い医療の実践」です。その象徴として2015年に立ち上げた患者支援センターがあります。ここでは医師や看護師、事務、医療ソーシャルワーカーなどが職種を超えて協力し合い、患者さんをサポートします。例えば入院される場合、まず患者支援センター内の地域連携室に診療所から紹介が入ります。そして空きベッドの確認などを行い、入院と同時に医療ソーシャルワーカーが必要に応じて、退院までの諸手続きを支援したり、退院後に通院する施設を紹介。退院までの流れを一括し、円滑に進めていきます。その他、都内で見ても規模の大きい眼科総合診療部門や、当院の看板である高度救命救急センターも特徴といえるでしょう。神経内科と脳神経外科が協同する脳卒中部門、産婦人科と小児科の医師らで構成する総合周産期母子医療センターなども、多くの患者さんからの信頼を集めています。

地域の診療所との連携についてはいかがでしょう?

Cs3

通常、大学病院というと大学自体が医師会を持っているのが一般的だと思います。しかし当院は三鷹市医師会のメンバーであり、独自の医師会を持ちません。そのことが、地域のドクターとの緊密な連携を可能にしています。近年、全国レベルで推進されている「地域包括ケアシステム」においても、高度急性期医療を司る病院と慢性期医療を行う診療所が密に情報交換をすることは、患者さんにとっても大きな安心材料です。当院ではこうした連携の窓口として、患者支援センター内に地域連携室を設置。地域の診療所から患者さんをご紹介いただいたり、こちらでの治療を終えたら診療所へお戻ししたりするほか、交流会なども行っています。互いの業務内容や課題を交換できれば、さらにスムーズな連携が加速するでしょう。このような関係性の構築に加え、今後はインターネットを活用し、リアルタイムに近い形で診療情報がやり取りできるシステムの整備なども予定しています。

施設や設備面について教えてください。

Cs4

アメニティサービス施設の充実や、ヘリポートの設置などいろいろありますが、特筆すべきはハイブリッド手術室でしょう。「ハイブリッド」とは、手術台と、血管内部を透視するエックス線投影装置が同じ部屋に入っていることを指します。従来、心筋梗塞でのカテーテル手術の場合、血管を中から広げるステントの設置場所は、カテーテル専用の部屋で専用の装置を使って決める必要がありました。それがハイブリッド手術室では、同室内でエックス線投影装置によって血管内部を見ることができるため、難しい手術も可能になったのです。これは患者さんの負担軽減だけでなく、地域医療においても大きな一歩となりました。私が一医師として魅力に感じている点は、大学の校風の良さですね。医師同士や他職種同士の仲が非常に良く、別の大学から来た人間も受け入れる温かい雰囲気に満ちています。だからこそ、チーム医療がうまくいくのかもしれません。

今後の展望について一言お願いします。

Cs5

地域に根差して良質な医療を提供し続ける、それに尽きると思います。良質な医療を提供するためにも、常に先進の医療や医療機器について情報を集め、できる限り取り入れていく方針です。病院長という病院運営を任された立場からすれば、新しい医療機器をどんどん購入するのは正直、経営的に厳しいものがあります(笑)。しかし、地域の方たちから信頼を得るためには不可欠なことですからね。高度な医療技術を提供できる環境を整え、近隣からの要請に応えていけるというのも、医師としてはうれしい部分です。多摩地区は、人口に対して医療施設が少ない場所といわれています。それは裏を返せば、多数の症例を経験する機会があり、卓越した臨床技能を身につける人材を育成できる場でもあるということです。そうした中で、地域の方たちの命を守ることを最優先に考え、信頼いただける病院としての務めを果たしていきたいと思います。

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