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山下重雄 院長の独自取材記事

吉祥寺南病院

(武蔵野市/吉祥寺駅)

最終更新日:2019/08/28

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99床の一般病棟と28床の回復期病棟を備える「吉祥寺南病院」は、古くからこの土地にあった個人病院を2006年に引き継いでスタートした二次救急医療機関だ。「救急車は基本的に断らない」という方針のもと、年間約8000件といわれる武蔵野市の救急患者のうち約2000件を受け入れている。平成26年より院長を務める山下重雄先生のモットーは「現場主義」。地域のドクターとの関係づくりなど院長としての職務に加え、今も外来や当直を以前通り担当している。「ひとりの医師として現場の先頭に立ち続けることで、医師として、病院としてやるべきことは何かを周囲に示していきたい」と話す山下院長に、減少の一途をたどる二次救急施設の現状と課題、および今後の地域連携について話を聞いた。

(取材日2015年10月5日)

365日、24時間医師が常駐。救急車は基本的に断らない

こちらは、以前は別の病院だったと伺いました。

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もともとは地域に古くからあった個人病院でしたが、2006年に私たちが所属する医療法人啓仁会が引き継ぎ、2008年1月には経営を完全に移行しています。私は経営を移行した年の4月に当病院の常勤医師になり、2014年の6月から院長職に就きました。新しくなった病院のイメージや理念について、地域の皆さんにより深くご理解いただきたいと、最初のうちは試行錯誤の日々でした。しかしいろいろと考えた結果、地道な医療行為によって私たちの誠意をわかっていただくのが一番だと、とにかくここまでやってきました。おかげさまで、現在では急性期を担う二次医療機関として、また早期退院が難しい方のための回復期リハビリテーション病院としても、地域の方に認知されつつあると感じています。

先生は院長職に就かれてからも、外来や当直を担当されているとか。

現在、当院では9人の常勤医師と数人の非常勤医師で外来診療を行っていますが、決して十分な人数ではありません。そのため、私も外来はもちろん平日や週末の当直など、以前と同じように担当しています。まだまだ年も若いほうですし、医局の中でも私が一番年上というわけではないので、院長職だけに集中して現場を離れるつもりは毛頭ないんです。むしろひとりの医師として現場で一番働いて、周囲には私の背中を見て成すべきことを知ってほしいという考え方ですね。ですから、当直もできれば誰よりも多くやろうと思っていますし、当直中はできる限り多くの救急車を受け入れようと思っています。

救急車はなるべく断らず、24時間受け入れていらっしゃるそうですね。

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二次救急機関として、1年365日、24時間体制で医師が常駐し、救急の患者さんを受け入れています。救急車については、できる限り断らないようにしていますが、病棟の都合でお断りせざるを得ないときもあり、今後の課題として重く捉えています。建てられてから50年以上になる古い建物をそのまま使用しているので、使い勝手が悪いところがあるんですね。例えば、空いているベッドはあっても、重症の患者さんを受け入れるには看護師の目が届きにくくふさわしくない場所だったりする場合があるわけです。看護師さんも、夜中の受け入れに備えてベッドコントロールをしたり患者さんを移動したりと、制限のある空間で本当に頑張ってくれていますよ。武蔵野市における二次救急施設は減少の一途をたどっていますので、私たちができる限り努力していかなければならないという使命感を持って救急医療に臨んでいます。

大規模病院に負けない専門性と総合力が強み

搬送先が見つからない患者さんを受け入れる「東京ルール」の担当もしておられますね。

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救急隊が患者さんを収容してから、一定の時間を過ぎても搬送先が見つからない場合に患者さんを受け入れる医療機関として登録し、週1回は当番をしています。私たちが属している北多摩南部医療圏は、救急車を要請してから来るまでの時間や、医療圏内の受け入れ率など、救急医療に関する成績が実はあまりよくないんですよ。大学病院など大規模な病院と、私たちのように地域に密着した病院はありますが、そのふたつの中間となる規模の病院がないことが大きな要因でしょうね。当院では、武蔵野市における年間約8000件の救急患者さんのうち2000件以上を受け入れていますが、前述したとおりベッド数や病棟に限界があります。多摩のほうではこうした部分の調整が進んでいるようなので、近いうちに私たちの地域でもより良いシステムに改善されるよう期待しています。

チーム医療がひとつの強みでしょうか。

当院の常勤の医師は内科、外科、整形外科、脳神経外科がいますが、うち脳神経外科には3人の医師がいます。また非常勤として順天堂大学脳神経外科から、血管内治療や脊椎、てんかんを専門に診ている教授クラスの先生方がいらしてくださっており、大規模病院に負けない高いレベルの治療を行うことができるというのは強みですね。緊急手術の場合にも、提携先から優秀な医師に来ていただいています。救急では「頭を打った」などの症状が多いので、対応する脳神経外科が常に高度な医療体制を敷いているという点は安心感があるのではないでしょうか。名誉院長は脳外科が専門、私は外科が専門なので、外科系は全般的に強いですね。また、常勤の医師が少ない分、医師同士の仲が良く横の連携がスムーズであるということも当院の強みであり特長でもあるしょう。総合力という面では、大規模病院に負けないと自負しています。

病院の理念について、思いをお聞かせください。

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当院では、「病院の使命を自覚し、思いやりのある質の高い医療を提供する」という理念を掲げています。専門的な知識を要する症状においては、大学病院でしっかりと検査をして治療するのが望ましいと思いますが、経済的な事情や身体的な理由で大規模病院への通院が難しいという方々もいらっしゃいます。そうした患者さんを含めて、あらゆる患者さんを総合的に診られるよう、専門的な知識や技術を追求するスペシャリストよりもジェネラリストとして存在する病院でありたいですね。急性期だけでなく回復期リハビリ病棟を備えて在宅復帰を支援しているのも、地域医療に必要な部分を担うという使命に基づいてのことです。

地域のドクターとの連携も視野に入れ、救急医療により注力できる体制づくりを

地域の開業医との連携については、どうお考えですか。

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救急医療に力を尽くすこと、地域の皆さんに認知していただくことを優先してきたので、地域の開業医の皆さんとの連携体制の構築は後手に回っていました。しかし、救急の受け入れが増えていることもあり、回復期のリハビリテーションなどはもっと地域のドクターの協力を仰いでいく必要があると考えています。新たな関係づくりのため、各医院に足を運んでごあいさつをしたり、医師会の仕事に積極的に参加したりして、つながりをつくろうと努力しているところです。

今後について、お考えをお聞かせください。

まずは黒字化を図り、病院を将来にわたって継続していくための土台をしっかりと構築する必要がありますね。その上で、当院で働くスタッフ全員の悲願でもある建て替えを実現したいと思っています。建物自体は以前の病院のままなので、もう築46年くらいになるんですよ。前述したとおり、救急の患者さんを受け入れる上で構造上の問題があることが大きな理由ですね。また、手狭なので、医局も病棟と同じ建物内ではなく道路を挟んだ向かい側のビルに作らざるを得ませんでした。利便性を考えると、やはりひとつの建物内に納めたいというのが全員に共通している思いです。病院の隣の土地を購入し、武蔵野市と協議を進めているところですので、患者さんにできるだけご不便をおかけすることなくスムーズに移転できるよう計画を立てていきたいと思っています。ここから数年は、今後の礎を築くための重要な時期になるでしょう。どれだけ忙しくなろうとも、これからも私自身が現場に立って、みんなを牽引して行きたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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二次救急施設の不足や高齢化など、地域が抱える医療課題に真摯に向き合い、急性期から回復期まで包括的に対応できる病院として価値を発揮していけたらいいと思っています。スタッフ全員が萎縮することなく伸び伸びと力を発揮できる環境をつくることで、患者さんにとって居心地のいい病院になるよう頑張っていきますので、お困りのことがあればお気軽にお声がけください。

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