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帆足 公人 理事長の独自取材記事

神田橋デンタルオフィス

(千代田区/神田駅)

最終更新日:2023/08/22

帆足公人理事長 神田橋デンタルオフィス main

院内に一歩足を踏み入れると、マホガニー製の大きなデスクと本棚が目に留まる。「神田橋デンタルオフィス」はシックで落ち着いた雰囲気のクリニック。理事長の帆足公人先生はアメリカ留学を経験し、1999年に同院開業後も、海外の先進技術や医療事情にアンテナを張り、クリニックの診療に生かしている。予防歯科を主軸に、歯周病治療、インプラント治療、矯正歯科、審美歯科、精密根管治療など幅広い診療内容に対応する中で、細分化する先端歯科医療に対応するためのシステムを構築。そこにはどんな思いが込められているのか。これからの日本の社会に必要な医療、患者が喜ぶ医療を追究し続ける帆足理事長に話を聞いた。

(取材日2023年3月22日)

“プレシジョンメディシン”の考え方を歯科に応用

まるで高級レストランのような重厚なインテリアですね。

帆足公人理事長 神田橋デンタルオフィス1

患者さんに「来て良かった」と思っていただきたくて、インテリアには力を入れました。診察ブースには仕切りを設けてセミプライベートな空間をつくり、間接照明も使ってゆったりくつろげる雰囲気に。参考にしたのはアメリカのクリニックです。アメリカでは歯科医師が受付で患者さんをお出迎えして上着を預かり、ホテルのコンシェルジュのように診察室にご案内するなど、マナーやサービス、院内環境の整備が行き届いています。当院でも受付カウンターに患者さん用の椅子をご用意し、そこでスタッフが患者さんと対面しながら、受付のご案内や治療後のお支払いに対応しています。

診療において大切にされているお考えは?

遺伝子レベルで原因を突き止め、その方に合った科学的根拠に基づく医療を見い出し、それを治療やケアに生かして、真の意味での治癒・予防を実現することをめざす「Precision Medicine(プレシジョンメディシン)」と呼ばれる考え方を診療のベースにしています。この考え方を、がん医療を例にご説明しますと、一般的に医師は決められたガイドラインに沿って、まずは外科手術を行い、腫瘍が取り切れなかったり、再発のリスクがある場合、化学療法や放射線治療を組み合わせる、というふうに治療を進めていきます。つまり、平均的にデザインされた治療を前提に、病気にアプローチするという視点です。一方、プレシジョンメディシンの考え方では、その方のがん遺伝子を解析し、がんの特性を把握します。そして、個々のがんに合った治療方法でアプローチするという、診断メインの考え方になります。

歯科ではどのように生かされるのですか?

帆足公人理事長 神田橋デンタルオフィス2

虫歯や歯周病は、同じ年齢で同じようなケアを続けていても、歯のトラブルを起こしやすい人、そうでない人がいます。そこで生かされるのが、プレシジョンメディシンの考え方ですね。例えば、歯周病菌を代表する病原性の高い菌には6つの遺伝子型があり、その中の1つを持っていると歯周病を発症しやすかったり、病状の進行が早かったりするといわれています。歯周病菌の検査によってそのタイプを特定すれば、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療を提供できると考えています。このことを医療の現場でいかに実現していくかを考えながら、未来を見据えて予防につなげたいと思っています。また、歯周病治療に関しては外科的な処置を積極的に行う歯周病治療もある中で、できるだけ患者に負担をかけない非外科的な治療に取り組んでいます。

こちらの予防歯科の特徴について教えてください。

「未来提案型予防歯科」に取り組んでいることが特徴です。クリニックで主に行う早期発見のための定期検診は二次予防にあたりますが、当院ではその前段階の一次予防に着目しています。一次予防は、口腔内をチェックして将来的なリスクを調べ、改善のために生活習慣を指導し、健康増進を図ることが主な目的です。虫歯に例えると、虫歯になりやすいか検査をして食生活の改善を促し、将来虫歯にならないようにリスク管理を行います。つまり、早期発見に力を入れる従来の予防ではなく、病気にならないための予防なのです。一次予防は日本の歯科医療の抜けている部分でもあります。

顎口腔系機能の維持・向上で健康寿命を長く

他にもクリニックならではの取り組みがあると伺いました。

帆足公人理事長 神田橋デンタルオフィス3

顎口腔系機能の維持・向上によって、健康的な生活をサポートすることも歯科医師の重要な役割だと思っています。高齢化が進んだ現在、歯が残っていても、舌や頬の筋肉の衰え、唾液の減少、飲み込む機能の衰えなどに気づかず、きちんと噛んで食べられていない人が実は増えているんです。こうした方に対して患者さん自身にも認識してもらいながら、機能の改善を図ります。高齢になると体の機能は衰えますが、できるだけ衰えのスピードを減速させ、健康寿命を長くしたいという思いで取り組んでいます。

インプラント治療の経験も豊富だとか。

1985年にアメリカでインプラント治療の講習会を受けて以来、数多くの症例を手がけてきました。しかし私は「この歯はもう駄目だから、さっさと抜いてインプラントを入れる」という治療では、そもそもの問題は解決しないと考えています。その歯がどうしてそういう状態になったのか根本原因がわからないと、他の歯も同じ道をたどってしまうでしょう。そういったことから当院では歯周病を診療の中心に据え、歯を失わないための治療や予防に力を入れているのです。インプラント治療というのは、虫歯や歯周病含めて予防を一生懸命やったけれど、それでも抜かざるを得なくなった場合の選択肢の一つ。その患者さんが自分の歯をどれだけ大事にできるか、しっかり見極めてからでないと行いません。

矯正歯科も掲げられていますね。

帆足公人理事長 神田橋デンタルオフィス4

当院の矯正は見た目の美しさだけではなく、歯を長く維持することを目的に希望される方が多く、55歳以降の方が半数以上です。歯並びが悪いと磨きにくく歯垢がたまりやすいため、マウスピース型装置を用いた矯正で問題の箇所を整えていくことをめざします。矯正とは歯列や噛み合わせを整えることで歯を守るために行うものだと私は考え、予防という観点から積極的にお勧めしています。

各専門分野の歯科医師が連携して細分化する治療に対応

専門性の高い治療内容も多いですが、どのように対応していますか?

帆足公人理事長 神田橋デンタルオフィス5

医科と同じように、歯科も一人の歯科医師が他の科をまたいだ治療を100%の力で行うことはできません。ですから、一人の歯科医師がさまざまな治療を行うのではなく、主治医をリーダーに、専門性の高い治療はそれぞれ得意としている歯科医師たちが担当するというシステムを構築しました。虎ノ門に専門分野を持つ歯科医師が在籍する分院を開設したのもそのためです。法人内に小さな大学病院があるようなイメージですね。本院をかかりつけにしてもらい、専門的な処置が必要になったら分院を紹介するというスタイルを取っています。

スタッフの方について教えてください。

みんなとにかく勉強熱心で、いろんなことに興味を持って取り組んでくれています。当院の「原因を重視する」という診療ビジョンを理解しているので、仕事でもただ結果だけを求めるのではなく過程を大事にしています。それに患者さんへの対応もピカイチです。私も専門的な治療を行うときは分院に赴きますが、スタッフも分院を行き来して連携を取っています。分院にも知った顔のスタッフがいると、患者さんも安心なのではないでしょうか。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

帆足公人理事長 神田橋デンタルオフィス6

患者さんの求める治療をライフステージに合わせて提供し続け、「一生涯通ってもらえるクリニック」をめざしています。20年以上この地で診療を続けていると、長く通ってくださる患者さんを取り巻く環境も変わってきます。オフィス街にあるクリニックですから、定年退職により神田エリアを離れることになる患者さんも多く、その方たちを将来的に支える方法を模索しているところです。「通えなくなるので、どこか紹介してほしい」という方も多いですね。別の法人のクリニックとも連携を取って、エリアの違うクリニックでも紹介できるようになれば、その患者さんにとって、本当に一生涯のかかりつけ医になれるのではないかと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

セラミックを用いた補綴治療/3万8000円~
インプラント治療/45万円~
マウスピース型装置を用いた矯正/35万円~

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