健康な口腔を保つための選択肢
長期的視点に立つインプラント治療
弘岡歯科医院 スウェーデン・デンタルセンター
(千代田区/東京駅)
最終更新日:2019/06/20


- 自由診療
海外で誕生したといわれる現代のインプラントシステムは日本にも普及し、多くの歯科医院で行われるようになった。インプラント治療に関する情報も書籍やインターネットで手軽に得られるようになったが、インプラント治療後の良い状態を長く保つ上で、歯周病の改善とメンテナンスが非常に重要であることを知る人は、そう多くはないだろう。特に予防に努めたいのが“インプラントの歯周病”といわれる「インプラント周囲病変」だ。世界でインプラント治療が行われ始めた頃から、歯科医療先進国といわれるスウェーデンに5年間留学し治療技術を学んできたという「弘岡歯科医院 スウェーデン・デンタルセンター」の弘岡秀明院長に、インプラント治療を受ける上で患者が知っておくべきことや、治療にかける思いを聞いた。 (取材日2019年4月3日)
目次
歯周病の治療とメンテナンスがインプラント治療の成否を分ける
- Q先生はどのようにしてインプラント治療の研鑽を積んだのですか?
-
A
▲スウェーデンでインプラント治療の技術を学んだ弘岡院長
補綴治療の分野の学びを深めるため、アメリカへ留学先を見つけに行った際、歯周病学で権威とされているヤン・リンデ教授の講義を受けました。そのエビデンスに基づいた内容にとても感銘を受け、歯科医療の先進国といわれるスウェーデンのイエーテボリ大学院でリンデ教授に師事することになりました。5年にわたるスウェーデン留学中、歯周病治療や虫歯・歯周病の予防などと併せて研鑽を積んだのが、インプラント治療です。イエーテボリ大学は現代インプラント治療発祥の地ともいわれ、ブローネマルク医師が開発した治療方法を学ぶとともに、新しいインプラントシステムの開発に参加するなど、世界でも先駆的な歯科医療を学びました。
- Qインプラント治療にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
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A
▲患者の思いをくみ取りながら診療を行う
歯の保存にとても有用である点です。重度の歯周病になると多くの歯を失ってしまいますし、治療後に残った歯もぐらぐらしたり、土台の骨がなくなって抜歯を余儀なくされるケースもあります。そういった場合にインプラントを応用することによって歯を保存できるんです。これは、イエーテボリ大学で学んだスウェーデン方式のインプラント応用術ですが、歯とインプラントをつなぐことで抜歯を余儀なくされた歯を保存することが期待できます。ダメと思った歯も保存できる可能性が広がるため、ぜひ活用いただきたいですね。ただし、メリットの多いインプラント治療ですが、決して恒久的な治療ではなく、治療後の継続的なメンテナンスが不可欠です。
- Qどうして治療後のメンテナンスが重要なのですか?
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A
▲充実した設備を用いて患者が安心できる治療をめざす
ケアが不十分だと「インプラント周囲炎」という、歯周病のような症状を発症しやすくなるといわれています。歯周病とインプラント周囲炎は症状こそ似ていますが決定的に異なる点があります。インプラント周囲炎は、治療法が確立されていないのです。また歯周病患者がインプラント治療を受けた場合、インプラント周囲炎を発症しやすいともいわれています。このことからも治療後のメンテナンス、ひいては治療前に口腔環境の改善を図ってインプラント周囲炎を未然に防ぐことが重要であると、ご理解いただけるかと思います。イエーテボリ大学は積極的にインプラント周囲炎の研究を行っていたため、私も帰国後、日本での啓発活動に力を注いできました。
- Q貴院におけるインプラント治療の特徴をお聞かせください。
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A
▲最近書き上げた著書の一つ
インプラント治療が世界的に行われ始めた頃から治療に携わっており、キャリアが長いこと、インプラント治療の成否を左右する歯周病の治療を専門にしていることが挙げられます。またインプラント治療では埋入した人工歯根に人工の歯をかぶせるのですが、これには私が研鑽を積んできた、補綴治療の技術も問われます。私は東北大学の補綴学分野の臨床教授を5年間務め、現在でも非常勤講師として教鞭を執る一方、教科書の執筆も行っています。信頼する歯科技工士とタッグを組み、患者さんの希望を踏まえ機能と審美を回復する補綴物を作るよう心がけています。こうした特徴を土台にした上で、患者に寄り添ったエビデンスベースの治療を行っています。
- Q「エビデンスベースの治療」とはどのようなものなのですか?
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A
▲知識と技術だけでなくスタッフとの連携も大切にしている
歯学的・医学的な根拠(エビデンス)に基づく、安全性を考慮した治療です。医療は日々進歩していますから、インプラント治療に限らず常に患者さんに対して安全性の高い治療を行う上で、日常的に英語論文に目を通し新しい知識を習得することは不可欠です。帰国後もヨーロッパで開催されるシンポジウムには欠かさず参加して情報収集をしています。また治療後のメンテナンスを担当する歯科衛生士も英語が話せますので、定期的にスウェーデンに出向いて現地の歯科関係者と情報交換を図り研鑽を積んでいます。ここまでやって初めて「エビデンスベースの治療」が実現できると私は考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本あたり50~60万円