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中井 修 院長の独自取材記事

九段坂病院

(千代田区/九段下駅)

最終更新日:2019/09/09

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九段下駅から徒歩2分の便利な地にある「九段坂病院」。2015年11月に移転リニューアルした同院の建物はまるでホテルのようだ。広々した廊下や、やわらかいベージュで彩られた院内は落ち着いた雰囲気で、一見しただけでは病院とはわからない。特に脊椎脊髄疾患の診療を得意とし、全国から患者が集まることで知られている同院だが、リニューアルを機に回復期リハビリテーション病棟を新設し、高機能なCT、MRIの新機種を導入するなど、機能充実を図っている。その中軸である整形外科の指揮をとり、院長を兼任するのが中井修先生だ。インタビューでは、あまり形式ばった話はせず、至って自然体。優しく柔和な笑みを浮かべながら、わかりやすく話してくれた。「手術した患者さんとは一生の付き合いになる」と語る中井院長に、リニューアルの内容と脊椎脊髄疾患の診療について、詳しく聞いた。
(取材日2018年1月16日)

脊椎疾患を中心に急性期から回復期まで診療

まるでホテルのような外観ですね。リニューアルのポイントは?

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従来の病院にありがちな、無機質な雰囲気ではなく、患者さんがリラックスできるように工夫しました。院内のカラーは柔らかいベージュを基調にして、廊下も広くして。以前の建物は老朽化が進んでいたので、私が院長になった10年前から移転して新病院にする構想が持ち上がっていました。何度か頓挫しましたが、千代田区役所の隣が空いていることがわかったので、区長や区議会と話し合って合意を得て、今回、念願がかないました。建物内には区が運営する高齢者支援施設も入っています。病院の広さは1万8000平方メートルとほぼ倍になり、もともとの急性期病棟と地域包括ケア病棟に加えて、回復期リハビリテーション病棟42床を新設しました。当院の得意分野は整形外科ですが、その治療にはリハビリが重要ですから、これは非常に大きな前進です。回復期リハビリテーション病棟では脳卒中に対する脳磁気刺激療法など先進的なリハビリも行っています。

脊椎脊髄疾患の患者さんが、全国から来院されているそうですね。

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はい。1980年に当時、院長だった山浦伊裟吉名誉院長が病院の得意分野を作ろうと、自身の専門だった脊椎脊髄疾患の患者さんを集中的に診療する体制を作りました。多数の脊椎脊髄疾患手術を行い、脊柱靭帯硬化症のような、まだ治療方法が確立していなかった疾患の治療にも果敢に挑戦するなど、専門性を磨いてきた結果、インターネットの普及とともにクチコミで全国から患者さんが来るようになりました。整形外科には10人の医師が在籍し、うち7人が脊椎脊髄を専門にしています。リニューアルに伴いMRIの新機種を2台導入し、手術中に移動させながら撮影できるCTも入れました。これを使えば、切除している部位をリアルタイムで正確に視ることができますから、より安全面に配慮した環境で手術をすることができます。また、患者さんが立ったまま、頭の先からつま先まで1枚のエックス線写真にできる装置もあり、背骨の変形などの診断にとても役立ちます。

脊椎脊髄疾患の診療で大事にされていることは、何ですか?

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1つ目は病気の原因を見逃さないことですね。例えば腰部脊柱管狭窄症。この疾患は大きく分けて2つのタイプがあり、そのうち脊柱管の外側が圧迫を受ける外側型は見逃されやすい。手術したけど治らなかったという人は、中心部の狭窄だけを治療して、外側が放置されているケースが多いんです。僕が手術する半分には、外側の狭窄が見つかっています。2つ目に、治療後のフォローを大事にしています。手術をした患者さんとは一生の付き合いになると考えています。「手術をしたら終わり」という整形外科医は無責任だと思っています。例えば、夏に手術したら、「桜の咲く頃までリハビリをして、一緒に様子を見ていきましょう」と言うのが普通です。整形外科疾患の予後観察は長くて、頸椎の損傷や麻痺だったら、術後3年はしっかり回復状況を診ないといけません。僕の患者さんでは、一番長い人は34年間、経過を見守っています。その結果がまた次の治療に生かせます。

医師になり、整形外科を専門にしたのは、なぜですか?

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母方の祖父が医師だったので、母は医師になれと言い、父は公務員でしたが、東大に行けと言っていました。ちょうど大学受験の年は学生運動の影響で、東大の入試がなくて少しほっとしました。それで母が喜ぶかなと思って、東京医科歯科大学に進学しました。もともとは心理学が学びたかったんです。精神科の医師を主人公にしたハリウッド映画に感化されて、フロイトの本をたくさん読んでいましたが、精神科ではあまり精神分析をしないことがわかりました。迷っているとき、きれいな若い女性が足を引きずって歩いている姿を見て「ああいった人を治したい」と思ったのがきっかけです。研修医になって初めて担当した患者さんが、頸の手術を受けたことでどんどん良くなって、普通に歩けるようになったのに驚きました。それで脊椎を専門にしようと思ったんです。整形外科疾患は、患者さんの姿を見ればつらさも、良くなったこともすぐわかります。それが喜びですね。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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今回のリニューアルでハードは整いました。病院のアメニティーが充実して快適に過ごせるようになっただけでなく、駅に非常に近くて立地が良く、設備も充実しています。こうしたメリットを生かして、今後は診療分野を広げたいですね。脊椎脊髄疾患と関連の深い神経内科を開設することも考えています。脊椎脊髄疾患は年間900例(2015年8月〜2016年7月実績)の手術を行っていますが、さらに強化していきます。外科では体への負担の小さな内視鏡手術や腹腔鏡手術に力を入れているほか、ニーズの高かった乳腺の外来も始めました。内科系は、建物内の高齢者総合サポートセンターと連携して、高齢者支援に力を入れています。患者数が多いですから、待ち時間の短縮も課題ですね。一つ一つ解決してきます。小規模な病院だからこそ、患者さんと職員が触れ合う機会も多いはずです。各部門のチームワークを生かし、小粒でもきらりと光る病院をめざします。

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