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近藤 謙二 院長の独自取材記事

海上ビル診療所

(千代田区/大手町駅)

最終更新日:2022/08/02

近藤謙二院長 海上ビル診療所 main

「海上ビル診療所」は60年以上にわたり、東京・丸の内の地域医療に貢献してきた医療機関。2022年4月に東京駅日本橋口から徒歩約1分の場所にある常盤橋タワーの10階に移転し、新たな体制でスタートを切った。巨大オフィスビルにある診療所としてビル内の企業はもちろん、大手町、丸の内、日本橋を中心とした都心で働くビジネスパーソンの医療を担う。小児科や手術を行う外科以外の科目はほぼ網羅している規模の大きな診療所で、外来、健診を合わせて1日に400人以上の受診者を受け入れられる体制を整えている。そんな診療所をリーダーとして率いる院長の近藤謙二先生は、日々の診療だけでなく、院内環境の整備、スタッフ教育や医療機関との連携強化にも尽力している。そんな近藤院長に移転後の新たな取り組みや診療体制について話を聞いた。

(取材日2022年6月29日)

健康診断や画像診断で都心で働く会社員をサポート

まずは診療所のリニューアルオープンについてお聞かせください。

近藤謙二院長 海上ビル診療所1

当診療所は1960年に、丸の内の企業29社からの寄付を受け設立されました。60年以上にわたって、丸の内エリアに勤める方や近隣住民の方に医療を提供してまいりましたが、東京海上日動ビルの建て替え工事に伴い、2022年4月に東京駅日本橋口前に新しく誕生した常盤橋タワーに移転することとなりました。移転にあたっては各部署の意見を取り入れながら内部の設計を実施。入り口から外来エリアと健康診断のエリアが分かれる設計になっているほか、患者さまの通路とは別にバックヤードを設けることで、医療従事者と患者さまの動線を分けています。これは感染症対策であると同時に、忙しい会社員の方がスムーズに外来診療・健康診断を受けられるように配慮した形でもあります。38階建ての常盤橋タワーは広々として眺望もよく、今まで以上に快適に受診していただけると感じています。

こちらの診療所の診療科目や特徴について教えてください。

健康診断による健康管理と、それをフォローする外来診療体制として内科、整形外科、眼科、皮膚科、婦人科、泌尿器科などの10の診療科目を扱っています。さらに内科では消化器内科、循環器内科、呼吸器内科など5つの内科専門科目も有しているのが特徴です。常勤の医師8人、看護師38人に合わせ、慈恵医大、東大、順天堂大などの大学病院から教授職や助教授職の先生方を含め123人の非常勤医師が診療にあたっています。こうした大学病院との緊密な連携によって、健診後のフォロー体制にも力を入れているのが当診療所の大きな特徴です。受診される方は、東京駅周辺のみならず都内全域から来院されますが、健康への関心も高く、健康診断の重要性も理解していただけている方が多いと感じます。

こちらではどんな健診が行えますか。

近藤謙二院長 海上ビル診療所2

一般生活習慣病健診に加え、各科でさまざまな検査が行えます。特に画像診断には力を入れていまして、上部、下部の消化器内視鏡検査機器には7台あるすべてに、狭帯域光観察(NBI)機能という早い段階での病変を捉えられる機能を携えたものを用意しました。これにより食道がんなどを早期発見できていると実感しています。その他マルチスライスCT、眼科ではOCT検査器、乳腺科ではマンモグラフィや乳腺エコーなど、先進の機器を導入しました。また、機器をそろえるだけではなくそれを扱う医師や技師も、研鑽を積み技術を持った者が担当しています。さらにリニューアルオープンにともない「健診コーディネート課」という部署を新たに立ち上げました。受付から各検査へと無駄のないスムーズな案内を行うことで滞在時間を短く抑え、受診される方の満足度を上げることはもちろん、衛生管理としても力を入れています。

充実の内視鏡検査と画像のチェック体制

注力されている診療はありますか。

近藤謙二院長 海上ビル診療所3

内視鏡検査については特に力を入れています。上部(胃)内視鏡検査は、午前7部屋体制・午後2部屋体制で、専門の常勤医師4人、各大学病院からの非常勤内視鏡の専門医師23人が担当。静脈麻酔で鎮静剤を用いる検査も行っており、内視鏡検査に不安のある方や反射の強い方に配慮した検査としてニーズがあります。麻酔を使うと検査後は安静にする必要がありますので、感染症対策を行った上でリカバリースペースも用意しています。下部(大腸)内視鏡検査についても午後1~2部屋体制で専門の常勤医師2人、各大学病院からの非常勤内視鏡の専門医師5人が担当。テクニックが要求される検査の1つですので、大学病院で研鑽を積んだ経験豊富な医師に担当してもらっています。

日々の診療において心がけていることはありますか?

「安心して満足いただける、質の高い医療の提供」がわれわれの理念です。そのための取り組みの一つが画像のダブルチェック体制。検査した画像を院内で読影し、大学病院の放射線科、呼吸器内科等の専門の医師が確認した後フィードバックするという二重の体制で診療にあたっています。外来・健診含めて1日数百人が訪れる診療所において、すべての画像をダブルチェックする体制をとり、緊急性のある結果については速やかに医師に報告するシステムを構築しています。

女性専用のエリアがあると伺いました。どんな診療を行っているのでしょうか?

近藤謙二院長 海上ビル診療所4

当診療所には女性しか入れないエリアがあります。婦人科や乳腺科の検査はこのエリアにあり、医師、看護師、検査技師すべて女性です。乳腺科については、マンモグラフィと乳腺エコーの両方を用意していますので、乳腺濃度が高く、マンモグラフィだけでは判断のつかない場合でも同じ場所で再検査が受けられます。婦人科と乳腺科が一緒にあることで、これまで別の病院に行かなければいけなかった子宮がん検診と乳がん検診を一緒に受けることもできます。近隣には幅広い年齢層の女性が働いていますので、できるだけ希望に応えたいという思いからできたエリアです。

大学病院との緊密な連携で、質の高い医療を追求

大学病院や医療機関との連携体制についても教えてください。

近藤謙二院長 海上ビル診療所5

健康診断ではいろいろな疾患が見つかりますが、発見からその後の診断、質の高い医療につなげていくためには、必要な医療機関にすみやかに紹介できる連携がとても大切になってきます。幸いにして当診療所は都心にあるため、非常に多くの選択肢があり、患者さまの居住するエリアに対して適切な医療機関を複数紹介して、選んでいただける体制を構築できています。また、慈恵医大、東大、順天堂、がん研有明病院とは特に緊密な連携を行っており、各大学病院から数十人単位で非常勤の先生方に来ていただいているほか、がん研有明病院とは定期的に合同セミナーも実施しています。こうした取り組みを通して、医師自身が先進の知識を常にアップデートしていける環境を整えています。

そのほかのスタッフ教育はどうされていますか?

「患者様第一」を基本に、医師、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師をはじめ、受付や事務スタッフも同じ医療人の一人であるという意識をもって仕事にあたってほしいと伝えています。新人への教育・指導はもちろん、各種専門医療の習得に関しては他大学病院など医療機関への出向、講師を招いてのセミナーや勉強会などにより、知識・技術の維持向上に努めています。また、外来業務課・健診業務課においても、接遇はもちろんのこと、医療情報を扱う業務内容でもあり、医療内容自体への知識習得やミス・取り違えのない緊張感を持った業務を行うよう各部署を通じて指導しています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

近藤謙二院長 海上ビル診療所6

忙しい日々の中でつい仕事を優先して、健康診断や検査を後回しにしてしまう気持ちはとてもよくわかります。しかし、体や健康状態は自分ではわからないことも多くあります。実は私の父も九州の田舎で開業医をしていましたが、数十年前に体調を崩して検査をしたところ大きな肝臓がんが見つかりました。まだ健康診断の体制なども整っていない時代の話ではありますが、「こうしたことが二度とあってはならない」と、私自身の心に強く刻まれた経験となりました。自分の健康を守ることは、家族を守ることにもつながります。ぜひ仕事の合間を見つけて、気軽な気持ちで医療機関を訪れてほしいと思います。忙しい中来ていただいた皆さまのためにも、われわれは迅速で正確な検査を行い、そして高い水準の医療につなげていくことで、皆さまの健康維持に貢献していきたいと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

生活習慣病健診/2万4000円~(金額は目安です。健診の種類によって変わります)

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