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飯田 尚良 院長の独自取材記事

飯田歯科医院

(中央区/銀座一丁目駅)

最終更新日:2021/10/12

飯田尚良院長 飯田歯科医院 main

東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅10番出口から歩いて3分。昭和通りに面したビルの2階にある「飯田歯科医院」。院長の飯田尚良先生は、1968年東京歯科大学を卒業後すぐに開業し、これまで50年以上にわたって歯科医療に取り組んできている。得意分野は補綴で、特に総義歯の治療を得意とし、多くの症例を手がけてきた。また、審美面を重視した治療にも取り組んでいる。「審美面に配慮した治療は年齢や骨格、顔の雰囲気など、その方の個性に似合ったものにすることが大切ですね」と飯田院長。あくまでも自然に見えるよう、場合によっては患者の年齢相応に歯列を少し乱して義歯を作る場合もあるという。そんな飯田院長に、義歯治療の特徴や歯科医療への思いについて語ってもらった。

(取材日2019年3月18日)

治療から歯科技工まですべて自身の手で

こちらの場所で開業してから17年になると伺いました。

飯田尚良院長 飯田歯科医院1

最初は銀座6丁目、今、新しい商業ビル「GINZA6」が立っている所に開業し、そこで約20年間診療し、次に表参道で審美歯科を中心にしたクリニックを開業しました。当時はまだ審美面を重視した治療が一般的ではない時代でしたがたくさんの患者さんが来られましたね。その後また2002年に銀座に戻ってこの場所に開業し、現在に至ります。この内部は私が設計したんですよ。診療室の分け方や構造もすべて自分で考えました。このビルは角地にあり、ガラス窓の角が3面になっているので、ユニットはすべて外が見られるように設置しています。一番こだわったのは、動線と視線ですね。院内で歯科技工を行っていますので、私が治療中に動きやすい動線を確保し、患者さんが院内を歩く際、余計なものが視線に入らないようにしています。またユニットは審美歯科、入れ歯など精密な補綴を必要とする場合、一般歯科というように分かれています。

こちらにはどんな患者さんが多いのでしょうか。

義歯の具合が悪い、痛い、うまく噛めないなどの理由で来られる方がとても多いですね。紹介で来られる方も多くおられます。関東近県だけでなく関西方面など遠方からも。先日は伊豆七島の一番遠い島からも来られました。中にはイギリスやフランス、ドイツなど、海外から来られる方もいらっしゃいます。若い方もいますが、多くはご年配の方で、義歯の不具合を訴えて来られます。

院長の得意分野は義歯やかぶせ物を扱う補綴治療だそうですね。

飯田尚良院長 飯田歯科医院2

ほとんどの歯科医院では分業制になっていて歯科技工士に外注していると思いますが、当院では私が歯科技工まで全部行っています。今、技工物はCAD/CAMシステムや3Dプリンターなどプログラミングされたものを使って作られることが多いですね。歯型はスキャナーで採りますが、一人ひとりに合わせたものというよりも、いわばセミオーダーで、平均的な仕上がりになっていると思います。そのため、実際に使用してみると、顎の動きに合わないとか、噛み合わせが少しずれているとかで、微調整が必要になることもあります。しかし、その場で微調整ができず、そのままになってしまうこともよくあるようです。そもそも歯科医師が歯科技工の経験がないために、でき上がってきた技工物の良しあしがわからないということもあるのでしょう。技工の経験がない歯科医師には遊びでもいいから一度、技工の経験をしてほしいと思っています。

1本の歯だけでなはく口腔全体を診ることが大切

こちらの診療の特徴はどんなことでしょうか。

飯田尚良院長 飯田歯科医院3

1本の虫歯があると、その1本だけの治療に集中しがちですが、その歯は口腔全体の中の1本です。口腔全体の中でどうなのか、口腔全体を一つの単位としてよく診るようにしています。お口の中全体を診ていますので、舌がんなど早期の段階で発見することも多いですね。根っこの治療をしていた患者さんが紹介で来られたことがあったのですが、舌にできた口内炎がなかなか治らないと訴えられました。最初は歯が少し凸凹していたのが原因と思われたのですが、歯列をそろえても全然治らない。それで病院に連れて行きましたら、舌がんだったということがありました。舌にある小さなぼつぼつの微妙な変化を発見して、それががんの初期だったということもあります。口腔も体の一部ですから、お口の中の状態を見ますと、口を開けて寝ているか否かなど、体の具合もわかることがあるんですよ。患者さん全体といいますか、人を診ることが一番大切だと思います。

人を診るために、診療の際は患者さんとよく話をされるのですか?

そうですね。よくお話しています。初診の際は、すぐには治療をせず、2~3回は話だけで終わることもよくあります。お話ししながら、その方のしゃべり方や発声の仕方、口の癖などを観察したり、あるいはどんな食べ物が好きか、義歯治療を終えたらどんな食事を楽しみたいかなど、患者さんの悩みや要望を把握してから治療に入っています。

審美面を重視した治療でも特徴があるそうですね。

飯田尚良院長 飯田歯科医院4

審美面でもその人の個性に合うようにしています。例えば、いかつい顔をした男性が、かわいこちゃんのような歯を入れていたら不自然でしょう。年齢を重ねると歯列が少しずれたり、色もくすんでくるのは自然のことです。それなのに真っ白な歯が目立っていたら、逆に不自然で、治療をしたのがわかってしまいます。ですので、私はその方の顔つきや雰囲気、年齢に合わせて仕上げています。ご年配の患者さんには、少し歯列を乱して作るなんてこともありますね。患者さんが何を食べたいかといったことも重視しています。最期の時までおいしいお肉を楽しみたいという方には、お肉が食べられるような治療をして、食事の方法なども指導しています。

歯科医師と患者、双方の信頼関係を大切に診療を

これまでの診療で、心に残った出来事などあればお聞かせください。

飯田尚良院長 飯田歯科医院5

余命1ヵ月という患者さんのことが印象深いですね。「あなたが入れ歯をもう一度作ってくれれば元気になれるから入れ歯を作ってほしい」と話されたのです。入れ歯治療が終わると、「先生、病院のごはんが食べられたわ」とお電話をくださいました。残念ながらその直後に亡くなられたのですが、最後に食事が楽しむことができたとご家族の方には喜んでいただけました。

ところでプライベートはどのようにお過ごしですか? 健康の秘訣なども教えてください。

実は最近仏像の木工彫刻を始めました。ずっと歯科技工に携わっていますが、技工も削ったり掘ったりしますので、彫刻とほぼ同じなのですね。仏像の素材はヒノキを使っていますので、香りも良く気持ちが落ち着きます。今まで5~6体は完成させました。集中して彫りますので精神修養にもなりますね。健康のためには、くよくよしないことが大事だと思います。くよくよしている方は、どうも早くお亡くなりになる傾向があるように感じます。なので、どんなことがあってもくよくよしない(笑)。

では最後に、今後の展望とメッセージをお願いいたします。

飯田尚良院長 飯田歯科医院6

私のことを信頼してくださる患者さん、私が信頼している患者さん、双方の信頼を大切にしながら、これからも楽しく診療していきたいと思います。やはり仕事は楽しく行うことが一番です。技工でも、今日は気分が乗らないなと思っていても、いざ始めると楽しくて仕方がない。やはり好きなのでしょうね。当院では、自然な見え方、年齢やお顔の雰囲気など、その方の個性を重視した治療を行っています。皆さんには、ぜひ自然な歯を取り戻して、ご高齢になってもおいしく食べて楽しい人生を過ごしていただきたいと願っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

セラミック治療/7万円~、部分矯正/10万円~、入れ歯/30万円~

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