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野村 仰 院長の独自取材記事

野村歯科医院

(杉並区/荻窪駅)

最終更新日:2023/11/15

野村仰院長 野村歯科医院 main

閑静な住宅街にある「野村歯科医院」。診察室の椅子からは、四季折々の緑の景色が楽しめる居心地の良い歯科医院だ。1958年の開業以来、親子2代で地域医療に貢献してきた同院。2006年に同院を引き継いだ2代目院長の野村仰(のむら・こう)先生は歯科麻酔が専門で、20年以上大学病院で経験を積んできたスペシャリスト。現在も歯科麻酔を必要とする他院に出向き、高血圧症や糖尿病、心臓病といった内科的疾患がある患者の治療に携わっている。ライフワークである歯科麻酔、得意とする入れ歯の技術、歯科医師として多くの引き出しを持つ野村院長に、同院を引き継いだ経緯や仕事のやりがい、今後の展望などを聞いた。

(取材日2018年11月20日)

30年以上通う患者も多い地域密着型の歯科医院

開業は1958年と伺っています。

野村仰院長 野村歯科医院1

当院は古い住宅地の中にあり、地域の皆さんに長く親しんでいただいている歯科医院です。父である先代の院長時代から30、40年通っていらっしゃる方が全体の半分ぐらいいらっしゃいますね。父が健在の時には、大学病院に勤務しながら時々手伝っていましたが、2006年に私が院長に就任しました。父は歯を抜かないことがモットーでした。歯科医師が少なかった頃は、とにかく早く治療しようという流れで、悪い歯は抜いて入れ歯にすることが多かったようですから、その時代には珍しかっただろうと思います。現在も父の意志を引き継ぎ、歯を残すための最大限の努力をしており、ラバーダム防湿法による根管治療、マイクロスコープによる治療も行っています。

クリニックの後を継がれた経緯を教えてください。

歯科医師をめざしたきっかけは、父の背中を見て、地域の方に信頼され、感謝される職業だということを無意識のうちに感じてきたからだと思います。ですから、歯科医師になったからにはいつかは後を継がなくてはと思っていたのですが、自身の専門である麻酔の仕事が非常に魅力的だったため、可能な限り続けたいと思っていました。父が体調を崩してから継ぐことを決めましたが、すぐに大学病院を辞めることもできず、数ヵ月間は、週に1、2日だけ診療するということが続きました。患者さんたちからは「待っていますから」と言われ、継いでからは「やってくださって良かったわ」とおっしゃる患者さんも多く、「ああ、これが私のやるべきことだったんだな」としみじみ思いましたね。

診療の特徴を教えてください。

野村仰院長 野村歯科医院2

当院では「痛みに配慮した治療」と「リラックス治療」を行っています。痛みに配慮した治療とは、診察室の椅子に座ってから降りるまで痛みをほとんど感じることなく治療が終わるというものです。痛みを抑えるために麻酔注射をしているのに、注射自体が痛いのでは本末転倒ですよね。この治療では、いくつかの処置をすることで鋭い痛みを感じさせず、麻酔が効いてしまえば、感じるのは治療をしている感触だけというのが特徴です。リラックス治療は、少し眠くなる薬剤を静脈から注入する静脈内鎮静法のことです。痛みを感じなくなるわけではありませんが、気分を和らげることで楽に治療が受けられると思います。静脈内鎮静法はどの歯科医院でもできるわけではないので、依頼を受けて他院への出張も行っています。

歯科麻酔の専門家としての知識と技術を生かした診療を

先生は日本歯科麻酔学会認定の歯科麻酔専門医だそうですね。

野村仰院長 野村歯科医院3

日本歯科麻酔学会認定の歯科麻酔専門医は全国でもそれほど多くはなく、開業している方はさらに少ないと思います。東京歯科大学千葉病院や水道橋病院、他院への出向も含め約20年、歯科麻酔の分野で経験を積んできたので、当院では心臓病や糖尿病、高血圧症の方も受診していただけます。具合の悪くなった場合の対応に精通していますし、そもそも具合が悪くならないように対処いたします。歯科の場合、開業医で対応できない場合は、総合病院ではなく大学病院に行くしかありません。高齢の方が遠方に通院するのは困難なことも多く、当院で治療を完結できるのは大きなメリットとなっています。また歯科麻酔の専門家として障害のある方の診療にも関わる機会が多かったため障害者歯科を学び、現在は地域の自治体から委託され、障害のある方の診療にも携わっています。

歯科麻酔のお仕事の魅力は何ですか?

虫歯や歯周病の治療は、治療のゴールがあって順番に治療していく中長期的な視点が必要ですが、麻酔の仕事はその場で決まります。血圧が上がった、薬を入れて下げる、そのさじ加減によって結果がすぐに目に見えるところが魅力ですね。また私は今でも歯科麻酔科医としていろいろな先生のお手伝いをしています。歯科の開業医をしていると自分のクリニックにこもりがちですが、他の歯科医院でのお手伝いをすることで、自分のスタイルを見直すきっかけにもなりますし、新たな発見もあります。例えば、インプラント治療のため静脈内鎮静法を依頼してくる先生が、実は義歯も得意としているとわかったことがありました。その頃難しい義歯の製作で悩んでいたのですが、思い切って相談したところ一緒に診療しながら教えていただくことができました。その当時はありがたかったですね。今では入れ歯は得意な治療の一つになっています。

歯科麻酔のスタディーグループを立ち上げられたそうですね。

野村仰院長 野村歯科医院4

日本歯科麻酔学会歯科麻酔専門医と、麻酔を必要とする治療を行う歯科医師とのマッチングや勉強会、講演会などを行うスタディーグループです。立ち上げメンバーはすでに自分たちが、他院へ出向いて治療に参加することを続けている歯科医師ばかりなので、主に情報共有や講演会の講師活動がメインですね。現在、クライアントである一般歯科医院が約250軒、歯科麻酔専門医が50人ぐらい在籍しています。長年携わってきた一番好きなことでもあるので、今後もライフワークとして続けたいと思っています。

長く取り組んできたオーラルフレイル予防

診療で心がけていることは?

野村仰院長 野村歯科医院5

患者さんは、噛めないとか痛いとか困ったことがあっていらっしゃるわけですから、相手の訴えを始めから否定しないようにしています。例えば下の歯に大きな虫歯があったとしても、上の歯が痛いと訴えられるケースがあります。実は、歯の神経は最後には1本の神経になって脳に伝達されるので、下の歯に問題があるのに、神経が「上が痛い」と間違えて感じてしまうことがあります。それでも、患者さんの訴えをまずは受け入れます。自分が見落としている場合もありますからね。そこからはしっかり検査して、「上の歯が痛いということで調べましたけれど、問題はなさそうです。私は下の歯が原因だと思うので、下から治療を始めていいですか」と説明します。自分が患者として病院に行った時のことを考えると、医師に受容してもらうと安心しますよね。ですから、私も患者さんに安心してもらえる診療を心がけています。

オーラルフレイルの予防にも力を入れているとか。

オーラルフレイルは口腔機能低下症ともいわれ、2018年の春から治療が保険適用になりましたが、当院では10年以上前からフレイルの診断と、機能向上のためのトレーニング指導を行っています。飲み込む力を計る舌圧計測器も導入し、75歳以上の方には積極的に検査を勧めています。口腔機能は少しずつ落ちていくため気がつきにくく、男性は気にしない方も多いですね。多少むせても「年だからこんなものだ」と思ってしまいがちですが、筋肉は何歳からでも鍛えられます。予防で大事なのは「食べるため」の筋力トレーニングと、口腔内のクリーニング。当院に長年勤めてくれているベテラン歯科衛生士は口腔ケアの意識が高く、メンテナンスでも口のマッサージから始めるなど、口腔機能の維持を意識した診療スタイルを一緒につくり上げ実践してきました。

読者にメッセージをお願いします。

野村仰院長 野村歯科医院6

当院では、オーラルフレイルという言葉が一般的に知られる以前から取り組んでおり、今、時代が追いついてきたように感じています。高齢の患者さんの中には、入れ歯が合わないと言って来られる方がいらっしゃいますが、入れ歯に問題があるのではなく、筋肉が落ち、その入れ歯を使いこなす口の状態でなくなっていることがあります。頬を噛んでしまうのも筋力の低下が原因と考えられます。お口の健康状態が落ち切る前に底上げしておくというのが、オーラルフレイル予防の考え方です。通院できる間にどんどん来てもらって、治す所は全部治しクリーニングやケアを行っていく。寝たきりになる前に、継続的な口腔ケアで地域の方々の健康を支えていきたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

矯正(部分矯正を含む)/10万円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/30万円〜

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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