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山本 尚 院長の独自取材記事

やまもと消化器内科クリニック

(中野区/中野坂上駅)

最終更新日:2024/02/16

山本尚院長 やまもと消化器内科クリニック main

新中野駅と中野坂上駅の両駅から徒歩約7分。青梅街道沿いにあるのが、「やまもと消化器内科クリニック」だ。院内のアットホームな雰囲気が印象的な同院は、内科一般と消化器内科を中心に、やけどの手当てや傷の縫合、小さなできものの切除といった外科的な処置にも対応。地域密着のかかりつけ医として、地域の人々が頼れるクリニックをめざしている。そんな同院の院長で、「気軽に受診できるような環境や雰囲気を大切にしています」と優しい口調で話す山本尚院長に、同院のことや地域医療への思いなどを聞いた。

(取材日2023年11月7日)

気軽に何でも相談できるアットホームなクリニック

こちらは、どのようなクリニックでしょうか?

山本尚院長 やまもと消化器内科クリニック1

当院はいわゆる町のかかりつけ医ですから、風邪やインフルエンザといった内科一般から高血圧や脂質異常症などの生活習慣病、花粉症などのアレルギー疾患などまで、幅広く診療しています。消化器内科を掲げているので、腹痛や下痢など、胃腸の症状を訴える患者さんも、特に冬場は多くなりますね。胃と大腸の内視鏡検査や、私は外科が出身なので、切り傷の縫合やおできの切除などの小手術、湿潤療法による創傷治療といった外科的な処置ができるのも特徴だと思います。湿疹やじんましんなどの皮膚症状や腰痛、肩凝りなどのリハビリテーションも要望があれば対応いたします。新型コロナウイルスやインフルエンザ、帯状疱疹などのワクチン接種にも対応しています。

力を入れている診療は何ですか?

私の専門が消化器なので、胃と大腸の内視鏡検査に力を入れています。午前中は胃、お昼は大腸と分けて、平日のほぼ毎日で検査を行っています。胃と大腸の検査の両方で基本的に鎮静剤を使用します。大腸の検査でポリープが見つかれば、切除も可能です。胃の内視鏡検査では、胃がんの早期発見はもちろんですが、ピロリ菌の検査も重要です。なぜかというと、胃がんになる人の多くは、ピロリ菌が影響していることが考えられるからです。そのため、ピロリ菌が陽性であれば、除菌をすることが大切になります。大腸の内視鏡検査は、大腸がんの早期発見に有用なだけでなく、最近では潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患も増えていますので、その発見にも有用です。誰でも楽に検査を受けられるように配慮することで、命に関わったり、手術になったりする機会が減らせれば良いなと考えています。

内視鏡検査を負担少なく受けられるのは大切ですよね。

山本尚院長 やまもと消化器内科クリニック2

はい。苦しい思いをすると次回を敬遠しがちになるので、苦痛を抑えた検査を心がけています。胃がんはピロリ菌を除菌すれば罹患率が下がるとされていますが、かかる可能性はあるため除菌した人は毎年検査を受けてほしいですね。万が一胃がんが見つかっても、定期検査をしていれば内視鏡で切除できる場合がほとんどですから。ただし除菌後の胃がんは見つけにくいもので、画像強調観察や拡大内視鏡観察など丁寧な観察をしないと見逃しかねません。しかしそうすると患者さんの苦痛が増すことがあるので、鎮静剤を併用し苦痛の軽減に努めます。一方大腸がんの検査は、ポリープを多く発見する腺腫発見率が大切で、それが20%以下だと浸潤がんの見逃しがあるとされています。やはり丁寧な観察が必要ですが、丁寧にするとどうしても時間がかかり苦痛が増しやすいことと、そもそも大腸の検査は痛いと内視鏡の挿入が困難になるので、鎮静剤の使用をお勧めしています。

先進の機器も導入し精度の高い内視鏡検査に努める

最近、新しい機器を導入したと伺いました。

山本尚院長 やまもと消化器内科クリニック3

昨年、内視鏡検査システムとカメラを先進のものに更新しました。非常に画質が良く、拡大機能やTXIと呼ばれる明るさ補正やテクスチャー強調、色調強調の3つの要素を最適化する画像技術やRDI、NBIなど特殊な光で病変などを強調するための機能が搭載されており、血管や表面構造まで詳細に観察が可能で、より適切な診断がめざせるようになりました。病気を見つけるだけなら、そこまでの性能は必要ないという考えもあるかもしれませんが、できるだけ見逃さないよう、少しでも良い画像で検査をしたいと思い、内視鏡システムにはこだわっています。また、PCR検査機器も導入しました。新型コロナウイルスの検査などにも使えますが、ピロリ菌の耐性菌の検査も可能です。除菌治療の際に、ある抗菌薬に耐性を持つピロリ菌だとあらかじめわかれば、最初から違う種類の抗菌薬に変えることもできるでしょう。

地域の医療機関からの検査依頼も多いそうですね。

近隣の循環器や呼吸器のクリニックの医師から、内視鏡検査を依頼されることは少なくないですね。中野区が行っている胃がんのリスク検診であるABC検診で引っかかり、大きな病院に行くのは大変だからと紹介いただく場合もあります。顔見知りの先生ばかりで、何かあれば連絡もすぐ取り合える関係ですから、そういう意味ではお互いに安心なのでしょう。うれしいことに、まるで「地域一円のための内視鏡検査室」のようになっています。

診療やクリニックを運営する上で心がけていることはありますか?

山本尚院長 やまもと消化器内科クリニック4

何でも相談できるクリニックとして、できる限り診させていただくというのが診療方針です。ですから、診察ではできるだけ患者さんの話を聞くよう心がけています。私には言えないことを看護師や薬剤師には話しているという人もいますので、スタッフにも確認するようにしています。そして、クリニックを運営する上でも、気軽に何でも相談できる、いわゆる町のかかりつけ医のような存在でありたいというのが一番です。気軽に受診できるよう、院内は明るくアットホームな雰囲気を心がけていますし、スタッフ全員が患者さんに「ご家族の方は最近どうですか?」などと声かけするようにしています。看護師の1人は私の妻で、特に打ち合わせするわけではないのですが自然と息が合っているようです。

積極的に勉強会へ参加して日々、知識をアップデート

先生は、なぜ医師を志したのでしょうか?

山本尚院長 やまもと消化器内科クリニック5

人の役に立ちたいという思いから医師をめざしました。それで東京慈恵会医科大学に進み、外科を専攻しました。外科を選んだのは、ずっと野球をやっていて体力に自信があったのと、自分の手術で患者さんの命を救うということに、どこか憧れていた部分もあったように思います。卒業後は、主に消化器が専門の第2外科に入局し、大学の本院や付属病院、最後には神奈川県立汐見台病院(現・康心会汐見台病院)に勤務しました。それまでの病院では、患者さんの術前から術後まで、トータルで診ることは少なかったですが、汐見台病院では手術だけでなく、術前から術後のフォローまで、患者さんと長く接して経過を診るということを初めて経験しました。私がやりたいのはこれだと思い、2008年に開院したのです。

診療後やお休みはどのように過ごされていますか?

診療後や休診日は、時間が許す限り勉強会やセミナーに参加しています。今まではなかなか出席できませんでしたが、コロナ禍以降、オンデマンドで聴講できるので、以前よりも参加できるようになりました。一方で、最近は現場にいける会も増え、対面でいろいろな人と会えることが大切だと感じています。熱心に参加する理由は、自分で経験できない症例を学んだり、最新の医療情報を仕入れたりすることと、医師のネットワークを広げるためです。外科出身なので内科系の先生とあまり接する機会がなかったので、消化器関連はもちろん、糖尿病や高血圧の勉強会にも積極的に参加しています。プライベートでは、お正月休みの家族スキーです。スキー歴はもう50年以上になるでしょうか。腕にはそれなりに自信があったのですが、最近は大きくなった息子に技術やスピードも体力もかなわなくなってしまいましたね(笑)。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

山本尚院長 やまもと消化器内科クリニック6

遊びに来るような気持ちになる、開かれたクリニックをつくることを目標に、緊張せず話していただけるような雰囲気づくりはしてきたつもりです。特に、消化器は専門ですので、内視鏡検査で万が一がんが見つかった場合でも、治療の流れや抗がん剤についてなど、ある程度は詳しく説明することも可能ですし、いろいろとアドバイスできると思います。消化器以外のことでも、相談していただければ、必要に応じて専門病院に紹介します。何でも相談できる町のかかりつけ医をめざして、今後ますます地域の方々のサポートをしていきたいと考えています。気になることがありましたら、気軽に何でもご相談ください。

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