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上田 俊介 院長の独自取材記事

上田眼科

(中野区/中野坂上駅)

最終更新日:2020/04/01

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東京メトロ丸ノ内線・中野坂上駅に直結するビルの3階にある「上田眼科」。内科、整形外科、産婦人科、歯科と並ぶメディカルモール内に位置し、ビルができた当初は、各クリニックに共通した総合受付と待合室があったため、共用の通路が広く確保されている。院長の上田俊介先生は手紙は万年筆、車はマニュアル、ひげも理髪店のかみそりを使うなど、かなりアナログ派の上田先生だが、実はこれにはれっきとした理由があるのだという。クリニックの治療の特徴と併せて、詳しく話を聞いた。
(取材日2016年12月13日)

患者は家族。術前から術後まで責任を持った治療を

どのような経緯で開業されたのでしょうか。

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開業して20年ほどたちますが、ビルができたとき、中野区から医療機関を誘致したいという話がありました。当時僕は順天堂大学医学部に勤務していましたが、以前アメリカに3年ほど働き、向こうのメディカルモールのシステムを知っていたのでこの話に賛同しました。メディカルモールという特色をより強くするために、何科のクリニックを誘致するか、どんなシステムにするかなど、関係者で何回も話し合いを重ねた記憶があります。場所的にも駅の真上ですから、患者さんの利便性と全クリニックの認知度アップにつながったのではないでしょうか。

診療の特徴について教えてください。

眼科全般の一般診療に加え、他の眼科からの紹介で、白内障や眼瞼下垂の手術を多く行っています。大学病院や他のクリニックと連携をとりながら、患者さんが紹介されたら手術をして、術後4〜5日で再び紹介もとのクリニックへ戻すということを行っています。僕が卒業した順天堂大学医学部では「医は仁術」という言葉とともに、「名医たるより良医たれ」という言葉があり、常に患者さんの側に立って治療を行うようにという教えがあります。「患者は家族」ということをモットーに、全部自分で責任を持って治療するという主義なので、術前の検査から手術、術後のケアまでを1人でこなしています。そのため、どうしても手術できる件数が限られてしまいますが、仕方ないですね。

治療をするにあたって何が一番重要になりますか?

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眼科の手術は、患者さんにできるだけ負担を与えずに、安全確実に行うことが重要です。そのためには、事前の検査や診断とともに、患者さんのライフスタイルをよく聞く必要があります。オーダーメイドという和製英語とは少し違う意味にはなりますが「ビスポーク」という言葉がイギリスでは使われます。話し合いながら物を作り上げていくという意味で、患者さんと話し合いながら、手術や術後のプランニングをしていくことが、治療には一番大切だと思っています。手術がうまくいったかどうかは、患者さんが満足したかどうかにかかっています。その満足のためには、事前に患者さんとよく話し合い、要望をよく聞いて信頼関係を築くことが重要だと考えます。このような診療スタイルですし、手術も並行して行っているので待ち時間が長くなりますが、「携帯呼び出しシステム」で順番がわかりますので、ご活用いただければと思います。

失敗が許されない白内障手術。常に合格点を取り続ける

白内障の治療は技術進歩がかなりあるのですか?

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開業する15年ほど前に大きな転換期があり、その後は基本的な部分は変わらず小さな修正程度です。治療に用いる眼内レンズも、僕が医師になった頃はまだリスクが高いレンズを使っていて、日本では行っていない手術でした。外国ではずいぶんと犠牲者も出たようです。日本へは、治療がある程度確立されてから入ってきました。今では非常に安全性が高い手術になってきていると考えています。高齢化社会を迎え、身の回りのことはなるべく1人でできないといけません。その点でも白内障手術は需要が多いですね。手術なのでリスクはゼロではありませんが、その中で失敗することなく、常に合格点をとり続けていくことが、白内障手術には必要です。

近年は遠近両用の多焦点眼内レンズも出ているようですが。

多焦点眼内レンズは、当院では採用していません。どうしても解像度が落ちてしまうのと、若いうちは遠くも近くも両方見えると言いますが、網膜の機能が年齢とともに下がると、遠くも近くも見えないという状態になりかねないからです。多焦点のコンタクトレンズも、使い続けられる人は30〜40%といわれています。コンタクトレンズと違い、眼内レンズは取り替えるわけにはいかないので、当院では、モノビジョンという方法を取り入れています。モノビジョンは、片方の目を遠方に、もう片方を近方というように、患者さんのライフスタイルに合わせて眼内レンズの度数を変える方法で、遠くも近くも眼鏡を必要とすることが少なくなります。

眼瞼下垂の手術もされているそうですね。

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眼瞼下垂も患者さんのQOLに大きく影響する疾患です。まぶたが下がるため、患者さんはとても目が疲れ、体調にも影響します。手術は、見た目を整えるだけでなく、まぶたの機能をきちんと回復させる必要があります。やさしい手術とはいえませんが、とても重要な手術です。以前、眼瞼下垂がもとで寝たきりになり、話もできないくらいの患者さんを手術したこともありましたが、その方々にはとても喜んでいただけました。僕は美容上のことは一切お応えしていませんが、医学上QOLが下がるようであれば、眼瞼下垂手術は積極的にやるべきだと考えています。

すべての手先の動きが、手術を行う上で必要な動き

目の病気が、体の病気とつながっていることもあるのでしょうか?

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もちろんです。眼科で見つかる糖尿病というのはとても多いですよ。あとは高血圧が見つかることもあります。重大な病気では、脳動脈瘤や脳腫瘍など緊急性がある病気が見つかったりすることもあります。糖尿病などは目に出たときには、発症から時間がたっていることを意味します。なので眼科に来て初めて自分が糖尿病だと知って命拾いしたという人はたくさんいます。中野区眼科医会は検診に力を入れていて、区民講演会などで眼科検診の重要性を伝えていました。その結果、予算の都合で廃止になっていた65歳の眼科検診を、中野区が「区民からの要望が強いから」と2015年より復活させたという経緯があります。

ところで、先生はなぜ医師を志そうと思ったのですか?

両親とも医師ではなく、親戚にも医師がいたわけではありません。もともと生物が好きで、最初は生物学者になろうかと思っていたくらいです。ところが高校の先生から、生物よりも医師になったほうが人のためになるのではと勧められ、医師の道に進もうと思いました。順天堂大学医学部に進学し眼科を志したのは、目で見て診断がつき、細かい計算や観察、手術で治る疾患が多いからです。眼科は、診断の技術、手術の技術が必要なまさに「技術の科」。職人の世界みたいなところがあり、そこが向いていたのかもしれません(笑)。卒業後は順天堂大学医学部附属順天堂医院に進み、その後アメリカはニューヨーク州のロチェスター大学で眼科のフェロー、アシスタントプロフェッサーとして勤務していました。

毎日お忙しい中で、どのように気分転換を図られているのですか?

体が資本ですから、健康管理の意味も込めてゴルフはよく行きますね。僕はお酒もタバコもやらないので、スポーツはストレス解消に役立つと思ってやっています。手術のためにできるだけ手を動かさないといけないので、手紙は万年筆、車もマニュアル、ひげ剃りは理髪店のかみそりで剃っているくらいです。力の加減がすべて手術に役立つと思っているからです。他にも生物が好きなので、動物や生物関係の学会にも入って、理事の活動を行っていますし、順天堂大学医学部眼科の同窓会長も務めていて、約350人近いメンバーと楽しく活動をしています。

今後の展望などを、お聞かせいただけますか?

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光干渉断層計(OCT)によって、眼科の診断技術が進歩しました。眼科の画像診断技術で検診の膨大なデータを分析して、目の疾患を早期に発見するという試みも行われています。将来的に診断は機械が行うようになるかもしれません。だからこそ機械ではできない患者と医師のつながりを重視するビスポークの部分が重要になるのではないかと考えています。また現行の保険制度の中で手術室をオープンに使うなど、開業医同士でいろいろと連携できないかと考えています。そうすれば、開業医でも研究の時間が持てるし、知識や技術の研鑽につながっていくのではないかと考えております。

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