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武藤 功太郎 院長の独自取材記事

武藤耳鼻いんこう科医院

(中野区/東中野駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR総武線東中野駅東口から徒歩3分。大久保通りへ向かう商店街の途中を右に曲がった、静かな住宅街の一角に「武藤耳鼻いんこう科医院」はある。祖父の代から3代続く老舗の医院で、3代目の武藤功太郎院長は、患者のこと、地域のことを第一に考えながら日々の診療に取り組んでいる。大学病院時代は難病の手術に数多く携わってきた武藤院長。クリニックを引き継いだ現在は、「患者さんとしっかり話をすることを何よりも大切にしている」という。普段、口数は少ないほうだという院長が、診察室では“質問魔”に変わるという。それは患者さんに早く良くなってもらいたいという思いが強いからに他ならない。親しみやすい人柄が人気の武藤院長に、診療方針や医療への熱い思い、休日の過ごし方まで、たっぷりと語っていただいた。

(取材日2012年10月16日)

祖父の代から3代続く老舗の耳鼻咽喉科医院

まずはクリニックの歴史について教えてください。

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当院は昭和初期に祖父がこの東中野で開業しました。父が2代目院長を継承し、半世紀以上の長きにわたり地域の皆さんの健康に貢献してきました。2008年からは僕が3代目院長として診療しています。2012年5月にリニューアルオープンしましたが、長年親しまれてきた看板だけは今も残してあります。こういう環境ですから、小さい頃から医師をめざしていたと思われがちですが、僕自身は最初から家業を継ごうと思っていたわけではないんです。自分の好きな道を行こうと考えていましたので、高校時代はずっと文系でした。当時憧れていたのは美容師。友人とロックバンドを組み、ベースを担当していて、音楽の道に進む夢も持っていました。しかし、いざ大学受験を目の前にして進路について真剣に考え始めたときに、医師になることが自分にとって一番自然なことのように思えたのです。そこから理系に転向して医学部受験の予備校に通い、2年後に無事合格することができました。

念願の医大に入ってからの生活はいかがでしたか?

回り道をして入った医大でしたが、入ってみると案外性に合っていたと思います。外科の実習で血を見るのも怖くなかったし、逆に「何とかしなきゃ」と反射的に体が動いたくらい。何科を専門にするかは迷いましたが、最終的に祖父や父と同じ耳鼻咽喉科を選択しました。耳鼻科は内科のイメージが強いようですが、実は「頭頸部外科」といって外科に属します。耳鼻咽喉科の手術は外科の中でも特に難易度が高いと言われているんですよ。それは、耳・鼻・のどは脳に近く、顔の造作や会話、食事の機能に大きな影響を与える部位だからです。手術時間が15時間以上に及ぶこともザラにあり、術後の傷のフォローも手術と同じぐらい難しく、患者さんの外見に影響が出ないよう、傷痕の回復を特に慎重に診ていかなければなりません。耳鼻咽喉科の医師は術前・術後を通して、体力と精神力のすべてを注ぎ込み、難題に挑戦し続けているのです。

大学系列の医局では、主にどのような経験を積まれたのですか?

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喉頭がんや咽頭がん、重度の蓄膿症など数多くの難しい手術を担当しました。大学病院での耳鼻咽喉科診療は、とにかく強い緊張を強いられる仕事でした。それでも続けられたのは尊敬できる恩師の存在があったからだと思います。そしてもう一つ僕を支えてくれたのが、患者さんの言葉でした。手術を終えた患者さんから、「手術を受けて良かった」「のどの辺りの痛みが取れてスッキリしたよ」などと声をかけていただくと、一瞬にして苦労が報われました。また、大学病院で手術を中心とした診療を続けながら、いわゆる町の耳鼻科にも非常勤で勤務していました。いずれは家業を継ぐか、自分で開業しようと思っていましたから、地域医療についてもきちんと知っておきたかったのです。どんなに忙しくても大学病院との二足のわらじで、医師としての経験を積んできました。

患者の声を引き出すために、無口な医師が質問魔に変身

先生の診療方針をお聞かせください。

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親切、丁寧な治療を常に心がけています。また、患者さんの訴えを汲んだ診療をしたいと考えています。例えば、「他の病院に通っていたけど、なかなか治らないから、試しに来てみた」と言う患者さんがいらっしゃいます。そういう患者さんからは、なるべく訴えを詳しく聞き出したいんですよね。患者さんもお金を払って病院にかかっているわけですから、僕はできる限りのことをして差し上げたいわけです。ですから、「前の先生にはどういうお薬をもらっていたの?」という質問をよくします。患者さんには、面倒だなと思われるかもしれませんが、これはとても大事なことなんです。前の先生にA・B・Cという3つのお薬を処方されていたとします。そのことを僕が知らずに、同じ薬を出していたら意味がありませんからね。薬の名前をメモしてきてくだされば、違うお薬を出すことができます。これはクリニックで効果のある治療を引き出す一つのコツですよ。

患者さんと接する際に大事にされていることは何でしょう?

患者さんとしっかり話をすることです。僕は普段は無口なほうだと思うのですが、診察室に入ると一変します(笑)。診察が終わっても、気になることがあれば、吸入などの処置をされている時間を利用して、さらにお声をかけることもよくあります。気がつけば、朝から昼休みを挟んで、夜までずっとしゃべりっぱなしということも日常茶飯事ですよ(笑)。診察して「これだけはちゃんと聞いておきたい」と思うことがあれば、たとえ時間がかかっても、納得いくまで話をします。それは、患者さんからより多くの情報を引き出したいと思うからなのです。医師に遠慮して聞きたいことも聞けない患者さんは多いと聞きます。でも、前回より症状が改善されているのか、良くなっているなら何が効いたのか、あまり変化がなければ何を変えたらいいのかなどは、話をしてみなければわかりません。だから診察のときは、患者さんにたくさん話をしてもらえるように、まず自分から質問をするんです。

自分の症状を上手に話せない方もいらっしゃるのでは?

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確かに患者さんの立場で考えると、医師に向かって自分のことをすべて話せるわけではありませんよね。初対面ならなおさらです。患者さんが一番言いたがらないのは持病のことです。当院では必ず問診票にご記入いただきますが、それでも書いていただけないこともあるし、医師のほうもも1回の診療で、患者さんのすべてがわかるわけではありません。だからこそ、最善の治療法が見つかるまで何回か通っていただけるよう、根気強く話をします。治療法が決まれば、丁寧でわかりやすい説明にも力を入れています。なぜこの薬を飲まなければならないのか、食事など生活上の習慣について制限が必要なときは、なぜ我慢してもらわなければならないのか、患者さんにしっかり伝わるようにお話をします。治療の必要性を理解してもらえば、しっかり処方を守っていただけるので、治療の効果もずっと上がるのです。

家族とともに、地域の頼れるかかりつけ医であり続けたい

院長就任に伴い、20年ぶりに戻った東中野はいかがでしたか?

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大学入学と同時に家を出てから約20年間、東中野を離れていましたから、僕が育った頃とはだいぶ変ってきたなと感じています。昔は小さな商店が立ち並ぶ、下町の風情あるところでした。子どもの頃は一軒家を中心とした住宅街という印象でしたが、最近はマンションが増えて、町の様子もずいぶん変化しましたね。転勤族の方も多いようで、お子さんがクリニックに慣れた頃には引っ越しされていくので少し寂しい面もあります。でも当院が祖父の代から父へ、そして僕へと代替わりしたように、町も変化していくのは当然ですよね。僕はこれからも変わらずこの町で、一人ひとりの患者さんと向き合いながら、誠実に診療を続けていきたいと思います。

奥さまもクリニックのお仕事をされているそうですね。

はい、妻と二人三脚でクリニックを経営しています。妻は元看護師ですが、開業後は受付から細かい事務まで、クリニックの運営を支えてもらっています。これまでお話しした通り、当院は患者さんとたくさん会話をして、話の中からいろいろな情報を聞き出し、患者さんのニーズや症状に合った診療をしようと心がけています。一人ひとりに十分な時間をかけて診察しているつもりですが、やはり足りないこともあります。そういうときは看護師の視点から妻が補足で説明してくれるのです。例えば、症状が出たときにはどうするのか、なぜ食事制限が必要なのかなど、日常の身近なアドバイスをしてくれるので助かっています。僕には気が付かない女性ならではの視点も生かして説明してくれるので、患者さんにはわかりやすいようです。プライベートでは夫婦ともに犬が好きで、ポメラニアンを2匹飼っています。毎日、ワンコたちと触れ合うことで、心からリラックスできますね。

読者にメッセージをお願いします。

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気になることがあっても、医師を前にするとなかなか言いたいことが言えないものですよね。しかし、遠慮なく話していただくほうが、病気の早期解決につながります。そうは言っても、クリニックというオープンなスペースでは、周りの目を気にしてプライベートなお話はしたくないと感じることもあるでしょう。僕はなるべくそういう雰囲気を察知して、スタッフに扉やカーテンを閉めてもらうなど、できる限りプライバシーを守る配慮もしています。安心してどんなことでもご相談いただき、「これだ」と納得できる治療法を一緒に探していきたいと考えています。また、耳鼻科は守備範囲がとても広い科です。めまいや頭痛、耳鳴りも耳や鼻が原因であることが結構あります。長年治療しても治らない場合は一度、耳鼻科を受診してみると良いと思います。

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