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高市 武 院長の独自取材記事

高市歯科医院

(中野区/新中野駅)

最終更新日:2019/08/28

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新中野駅から徒歩約7分の場所にある「高市歯科医院」。この土地で父と一緒に開業してから35年あまりの長きにわたり、地域住民の頼れる歯科医院として愛されているクリニックだ。「ベーシックな治療を的確に提供するのが、開業医の役割だと思っています」と話す高市武院長。その言葉どおり、医院では高度な専門性を見据えながら誰もを診ることができる幅広さに重点を置いた治療をモットーとしており、来院患者も子どもからお年寄りまでと幅広い。また大学病院や専門医との連携も取り入れているので、万が一重篤な症状が見つかっても治療がスムーズに行えるようサポートしてくれ、非常に心強い。長年臨床の場で多くの患者を救ってきた院長に、クリニックの特徴や歯科治療についての思いを語っていただいた。
(取材日2013年1月10日)

社会が求めていた小児歯科医師としてキャリアをスタート

先生が医師をめざされたきっかけを教えてください。

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父が歯科医師だったのもあるとは思いますが、より大きかったのは母方の叔父の影響です。叔父は某医科大学の産婦人科の教授をしていました。神主の跡取り息子でもあり、兄弟も多くて家計も大変な中、医師になりたいと苦労を重ねながら教授にまでなった人でした。そういった姿を見ていましたので医療の道に進みたいという希望や、自分も跡取り息子であることなどを考えた末に歯科医師を志しました。卒業後から約8年間は、当時新宿の京王デパート内にあった、財団法人ライオン歯科衛生研究所付属のファミリー歯科センターに勤務し、そこで小児歯科の専門医として治療にあたっていました。

小児歯科を選ばれたのはどうしてですか?

学生の頃は特に子どもが好き・嫌いといった気持ちはありませんでしたが、昭和40年代〜50年代始めにかけての時代、子どもの虫歯治療は社会問題になるくらいに多くて大変な情況だったんです。そういった時代背景、社会が子どもの歯科を求めていたという時代でしたし、少しでもお役に立てられたならと思ったんです。当時父は中野区で小さな診療所を開いていましたが、昭和52年に新しく医院を開くことになり、そのタイミングで退職して父と一緒に開院したのがこのクリニックです。父は10年ほど前に引退し、昨年亡くなりましたが、父の引退後は一人で続けておりますので未だに開院の頃から診ている患者さんもいらっしゃいます。だっこしながら治療した小さな患者さんが、今では40過ぎの立派な紳士淑女です(笑)。学生時代の小児科の授業で、教授が「自分の診ていた患者さんが大きくなって子どもを連れてくる。それを診るのが小児科医師の喜びだ」とおっしゃっていて、当時は20歳そこそこだったのでピンときませんでしたが、自分がその立場になった今、改めてその意味を実感しているところです。

患者さんは近隣の方が多いのですか?

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初期の頃は前の医院から引き続き診ていた患者さんが多く、それから地域の方も増えてきました。父は一般歯科、私は小児歯科をメインにやっていましたが、最初はお子さんを連れてきた親御さんが次は自分も診て欲しいという要望が増えてきて……。長年続けていると今や後期高齢者の患者さんも多くなりました。私は開業医の役目として、幅広く全部診てさしあげることが大事だと思っています。専門性はもちろん大切な部分ですが、地域の医院に最も求められるものはそこではないと思っています。難しい症状の患者さんには大学病院を紹介したり、矯正でお困りの患者さんには矯正専門医を紹介してさしあげたり、そういった連携をスムーズに取ることも開業医のひとつの大きな役目だと感じています。守備範囲を幅広く持ち、患者さんの訴えを聞いて、治せる場合は治療する。重篤であれば紹介をして大きな病院に行っていただく。そんなスタンスを心がけています。

地域の子どもに密着した歯科医師として

先生はお父様とご一緒に地域医療に力を注がれてきたのですね。

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父から私に引き継いだ仕事でいえば、仲町小学校の校医があります。歯科医師会に入ってしばらくしてから、私が小児歯科出身だということで、父から私へとすんなり交代になりました。母校の仲町小学校は現在は統廃合で廃校になってしまいましたが、その最後の歯科検診に行った時、十数人の最後の6年生全員がぞろぞろと出てきて手作りの感謝状を手渡してくれたんです。狙って貰える賞状ではなく、とても嬉しく院内に児童の写真と一緒に飾っています。生徒達からのプレゼントは私の一番の勲章になっています。また昭和54年には、23区内でも先駆けて、中野区で1歳半検診が始まりました。その当時保健所には歯科相談室があり、そこでは検診を兼ねて子どもの歯科医療に関する相談にのるという場所でした。その相談室に嘱託歯科医師というかたちで毎週木曜日に勤務して、検診をしたりいろいろな歯科相談を受けていました。これは20年あまり続けていた活動です。

そこではどんな指導を主になさっていたのでしょう。

歯科衛生士とふたりで子どもの歯に関する悩みを聞いたり、歯磨きや砂糖摂取を中心とする生活指導などが主です。一般に3歳以上の子どもは、上手に指導すれば歯科医師の言うことが大体理解できるので協力的になり、治療もスムーズに行えます。従って3歳未満の子どもの大型の虫歯を抑えることができれば、歯科医療全体の能率を上げることができると私たちは考えていました。しかしその頃、保健所の歯科衛生士は予防歯科普及指導に熱が入り過ぎて、ややもすると保護者に多くの要望を出してしまうこともあったようです。保護者の方は「保健所の歯科検診で怒られた!」という印象を持ち、子どもへのブラッシングそのものを止めてしまうなんていうこともありました。この弊害を改善するには親御さんに理解してもらうしかありませんから、そこは苦労した点ですね。今はそういった知識を親御さんも身についてきていますので、子どもの虫歯も減ってきており非常に良い傾向になっていると思います。

印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか。

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入所した手の頃担当した小学校1年生のある女の子です。初診時は虫歯だらけで、顔色も悪く、見るからに弱々しい印象でした。ご両親も「この子は生まれてからお医者さんを欠かしたことがない」と悩まれていました。私は歯科医師ですから体の治療はできませんが、歯科領域では良くなってもらおうと必死に治療したんです。治療をすると痛みが取れてきますよね。それに伴って食欲も出、何でも良く食べるようになり、体力がついて、みるみる元気になっていったんです。逆にご両親は耳鼻科の先生から「この子を小さな頃から診ているけれど何をやっても良くならなかった。歯医者さんはいったい何をやったんだ?」と言われたそうです。それでハッと気づいたんです、これが歯性病巣感染かと。要するに口内の病気があるために、遠隔の臓器などに二次感染する虫歯が体の病気の原因になる疾患のことです。口の健康は体の健康に繋がるということを臨床の場で噛み締めた症例で、印象に残っています。

“町の歯医者さん”が果たせる最大の役割を

ユニットはとてもシンプルですっきりとしていますね。

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当院にはごくベーシックな機材しかありませんが、私はこのシステムがすばらしいと思っています。これらはオレゴン州立大学のビーチ先生の指導から普及したものです。この理念に賛同したライオンの院長・栗山純雄先生は週末ビーチ先生等と小児歯科分野のルーティン確立に奔走,診療室で展開することが約1年続き、山のようにある歯科の道具から厳選して整理し、手順も分析されていて、誰がやってもスムーズに治療可能な体制が確立しました。例えば多くの歯科医院では患者さんを寝かせて診療しますし、学生の指導も全てこのスタイルで行われていますよね。これもビーチ先生のシステムが発祥なんです。開業医の治療に関するところでいえば、ベーシックな治療をカバーできる治療機器を揃え,更に日進月歩に発展する歯科医療の中にあって,先端医療器機の購入には十分配慮して揃えるように心がけています。

治療に関して最も心がけていることを教えてください。

ライオンの診療室勤務時代、当時の院長が掲げていた3原則があります。私もとても共感するところがあり、治療の際には心がけるようにしています。まず1つは安全であること。できるだけ痛くなく、患者にストレスを与えないように治療することです。2つ目が来院回数。治すのにどれだけ期間がかかるかを伝え、そしてできるだけ少なくするように努力することです。3つ目に歯科医学的に合理的妥当性があること。これは虫歯を治すのに、どういう治療をするかということと、どのくらいの費用がかかるかをきっちりお伝えするということです。ですから私は、何本虫歯があって、何回くらい通わないとダメで、お金はこのくらいかかりますということを最初に患者さんに伝えるようにしています。患者さんが最も知りたいのはここだと思いますし、これは小児であろうと成人であろうと変わらない部分です。

最後に、今後の医院の展望をお聞かせください。

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卒業以来小児歯科学に基軸を置き,子供達の成長と共に歯科治療に携わってきました。この延長線上に高齢化する患者さん達の歯科医療に携わっていきたいと思います。With Agingの歯科的対応です。日本小児歯科学会認定・専門医でもあり、学会参加や専門雑誌の購読は勿論のこと,同級生の治療経験や先輩のホームページに掲載された症例などを学び、今後何年続けられるかはわかりませんが、体が動く限りは、地域の患者さんを診ていきたいと思っています。患者さんを診ることが自分自身の力にもなりますし、皆さんのお口の健康を守る使命をできるだけ長く果たし続けていきたいと思っています。

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