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大橋 正昭 院長の独自取材記事

大橋歯科医院

(中野区/中野駅)

最終更新日:2021/10/12

大橋正昭院長 大橋歯科医院 main

中野駅から歩いて10分。閑静な住宅地の中にたたずむ「大橋歯科医院」は、大橋正昭院長の父が開業して60年以上の歴史を持つ歯科医院だ。建物は古いが、院内は清潔に保たれており居心地が良い。地域に根差した歯科医院として、虫歯治療、歯周病の予防と治療、補綴、入れ歯など満遍なく手がけ、障害者診療、在宅医療にも対応。多くの病院と連携し、口腔内のトラブルで来院した全身疾患の患者をスムーズに紹介できる体制も整えている。落ち着いた雰囲気の一方で、親しみのある口調でスタッフに話しかける大橋院長。その様子からチームワークの良さもうかがえた。今回は診療方針、予防や口腔内ケアの重要性、口腔内の状態と全身疾患の関連、新型コロナウイルスを機に強化した感染症対策などについて語ってもらった。

(取材日2020年12月18日)

衛生面では基本の感染予防策をベースに換気や消毒も

歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

大橋正昭院長 大橋歯科医院1

私の父も歯科医師で、当院ではもともと父が35年ほど診療していましたが、その後を私が引き継いで、合わせて60年以上、この地で診療しています。ただ、父を特に意識したわけではなく、自然に歯科医師の道に進みました。私の妻も歯科医師で、当院ではなくほかの所で診療しています。娘も歯科大学を卒業した後、大学に残って勤めています。医療は日進月歩といわれるように、治療方法や歯に対する考え方などは、10年もたつとかなり変わってきます。父と私とではまったく違いますし、今、娘に聞いてみるとやはりどんどん進んでいるので、常に勉強しないとと思っています。

こちらはどのような患者さんが多いのでしょうか。

この地域は高齢の方が多く、高齢の方からその方々のひ孫にあたるお子さんまで、幅広い世代の方が受診されていますね。父の代から通ってくださる方も少なくありません。地域に根差したかかりつけの歯科医院として、歯周病の予防と治療、虫歯治療や補綴、入れ歯、顎関節症など、何かに特化するわけではなく、広く診ています。当院では対応できない場合や全身疾患の患者さんは、連携している近隣の病院をすぐにご紹介できるような体制も築いています。

感染症対策については、どのように対処されていますか。

大橋正昭院長 大橋歯科医院2

院内感染の予防は歯科医院として当たり前のことで、もともと器具の滅菌から使う物すべての消毒まで徹底しています。新型コロナウイルス感染拡大を機に、こまめな換気、スリッパの滅菌、予約を調整して待合室や診療室で患者さんが密にならないようにする、スタッフはビニール製のかっぱを着用し1回の治療が終わるごとにアルコールで消毒する、診療ユニットを1台増設して座席を毎回消毒するなど、できる限りの対策を始めました。歯科治療を受けることに抵抗を持つ方もいらっしゃると思いますが、先延ばしにして痛くなったり噛めなくなったりという患者さんもおられました。我慢せず、治療できるものは治療していただくのがいいと思いますね。皆さんに安心して来院いただけるよう、私たちは今後もきっちりと対策していきます。

一生自分の歯で食べるために早期発見・治療が重要

歯の大切さについての大橋先生のお考えをお聞かせください。

大橋正昭院長 大橋歯科医院3

一生自分の歯で食べられることが基本だと思います。歯が悪くなって、それができなくなったときにいかにきちんと食べられるようにしていくか、ということが大事です。できるだけ自分の歯を残すようにすることが第一ですが、それが不可能な場合があります。例えば、歯周病が進んだ場合や、ほかの疾患などで歯を失ってしまったりした場合、治療をして何らかのかたちで噛めるようにすることはできるでしょう。しかし、本当は、生まれた時から持っている歯を使い続けていくのが理想なのです。もちろん治療をしないで放置しておくということではなく、そのためには早期発見、早期治療が重要になってくると思います。虫歯も早いうちに治療して進行しないようにすることが大切です。

歯周病の診療はどのように行っておられますか?

歯周病は予防が最も大事ですから、プラークがつかないよう、また、歯石が形成されないよう、歯科衛生士が定期的にしっかりチェックするようにしています。定期検診で来られる患者さんは早くて3ヵ月、遅い方でも半年から1年ぐらいの周期なので、そのタイミングで行います。患者さんの中には、この歯科衛生士に対応してもらいたい、と言って何年も継続的に来られる方もおられますね。もちろん歯磨きの指導も行っています。

大橋先生は口腔と全身の病気をつなげて考えていらっしゃるそうですね。

大橋正昭院長 大橋歯科医院4

お口の中のトラブルで来院した患者さんで、原因が歯科ではなかったということは少なくありません。当院でも口腔内のがんはわかりますし、特発性血小板減少性紫斑病の症状がある方が来院し、ここでは治療できないので、すぐに大きな病院に紹介したというケースもあります。全身の病気や状態というのは、口の中に現れることが多いんですよ。例えば、特発性血小板減少性紫斑病は口腔内の出血の状態でわかりますし、心筋梗塞の方は歯に疼痛が起こることがあります。特に原因が見つからないのに歯に疼痛が起きた場合は、心筋梗塞だけでなく、何らかの疾患を考える必要があります。

患者の気持ちに寄り添い、チーム医療で丁寧にケア

障害のある方の治療や、お年寄りに向けた在宅医療も行っておられるそうですね。

大橋正昭院長 大橋歯科医院5

障害のある患者さんについては、重度の場合はほかの病院や歯科医院をご紹介しますが、それ以外はこちらで診ています。健常者の方と若干違うのは、何をするのかを含めて、口の中の状態や治療内容の理解をしていただいた上で、トレーニングをしてから治療を始めること。当然のことながら、押さえつけたりする治療はしません。最初の治療で恐怖心を抱かせないよう十分気をつけています。在宅医療については、依頼があれば積極的に行っています。寝たきりの方も口腔の状態が悪いと、糖尿病の悪化につながるなど体全体がどんどん悪くなってしまうことが多いんですよ。近年、誤嚥性肺炎が大きな問題になっていますが、食べられること、口の中を清潔に保つことは誤嚥性肺炎に対する予防策の一つになります。

診療する上で特に心がけていることを教えてください。

私の診療の基本方針は、患者さんの気持ちに寄り添った治療をすることです。そうでなければ、治療する意味がないと思っています。また、患者さんが納得できるまで十分な説明をすることも心がけています。それをしなければ、適切な治療につながりません。患者さんが納得もしていないのに治療を進めたりすると、治るものも治らなくなりますし、トラブルになることもあります。もちろん、私のところは今までトラブルはありませんよ。

患者さんに納得してもらうために、どのような工夫をしていますか?

大橋正昭院長 大橋歯科医院6

患者さんはご自分の口の中が見えにくいので、鏡を使ったり、必要に応じて口腔内写真を撮って画像でお見せしたりしています。また、歯科医師には聞きづらいからと、定期検診などのときに歯科衛生士にいろいろお話しされる方もおられるので、私は歯科衛生士を通じて話を聞いて、その上で納得していただけるよう適宜対応しています。スタッフは長く勤めている方が多く、歯科医師、歯科衛生士、受付スタッフまで一丸となって患者さんのケアをしています。歯やお口のことで心配なこと、わからないことがあれば、なんでもお気軽にご相談ください。

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