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柳沢 亮二 院長の独自取材記事

柳沢医院

(豊島区/東長崎駅)

最終更新日:2023/07/06

柳沢亮二院長 柳沢医院 main

西武池袋線東長崎駅から徒歩3分。閑静な住宅街の中にある「柳沢医院」は、1959年に院長の柳沢亮二先生の父が開業した。患者の多くは地域住民で、中には先代から長く通い続けている人もいるという。明るい待合室には柳沢院長の母が描いた絵が飾られ、患者たちの心を和ませている。医院を継いでから20年近くになるが、「継いだ直後は責任の重大さを実感しました」と当時を振り返る。父の代から地域に根差した治療を続け、現在は発熱者の外来診療の傍ら、オンライン診療なども導入し、忙しい日々を送っている。診療における考えから趣味に至るまでさまざまな話を聞いた。

(取材日2023年2月27日)

花粉症、禁煙の治療、睡眠時無呼吸症候群にも対応

お父さまから2代続く医院ですが、開業はいつ頃でしょうか。

柳沢亮二院長 柳沢医院1

もともと横浜に住んでいた両親、叔母が引っ越してきて1959年に開業しました。私は大学を卒業してから、週に1〜2回ほど診療を手伝うようになり、正式に継承したのは2006年です。父はすでに他界していますが、内科と小児科を標榜していましたので、今でもお母さんと一緒に来院されるお子さんも多いですし、埼玉県や千葉県から通ってくださる患者さんもいて、とてもありがたいですね。

先生が継いでから呼吸器内科も標榜するようになったのですか。

はい。呼吸器がもともと私の専門だったことと、喘息患者さんの中にはアレルギー疾患の合併症を伴う方も多いので、呼吸器内科に加え、アレルギーの治療も併せて行うようになりました。気管支喘息とアレルギー性鼻炎は合併を起こすことが多く、「One Air Way, One Disease」というように同じ気道上の一つの病気と捉えられています。必ずしも合併するわけではありませんが、アレルギー性鼻炎を持っている方の中には喘息も併発する方もいるので注意が必要です。昔は喘息の発作で亡くなる方が多かったのですが、今は医学や薬の進歩により、治療を行えば発作をコントロールすることがめざせますし、テレビの健康番組や製薬会社の啓発もあってか、患者さん自身の意識も高まっていると感じます。

保険適用されているスギ花粉症に対する舌下免疫療法もこちらでできるのでしょうか。

柳沢亮二院長 柳沢医院2

当院でも提供しています。ただ花粉が飛散している時期は副作用が強く出現する可能性があるため、6月からの開始になります。舌下免疫療法は毎日患者さん自身が続ける治療なので、継続して治す強い意志が必要です。それだけに効果も期待されますが、個人差があるので医師とよく相談の上、選択することをお勧めします。花粉症の場合、とにかく予防が重要で、特に初期療法という、花粉が飛散する前にかかりつけ医で自分に合った薬を処方してもらうと、シーズンになってもひどくならずに済むことが期待できます。最近はお子さんのアレルギーが増えていて、中には2歳から花粉症を発症する子もいますね。大気汚染やPM2.5といった物質に花粉がつくと毒性が強くなりやすいので市販薬で症状が改善しない場合は早めの受診をお勧めします。また、ダニアレルギーの方も舌下療法の適応となり、こちらは通年性なので治療開始は1年を通していつでも大丈夫です。

禁煙や睡眠時無呼吸症候群の治療もされているそうですね。

喫煙は呼吸器疾患のみならずさまざまな病気に影響があるため、禁煙治療を始めました。最近の傾向として女性の患者さんが増え、3割くらいを占めております。女性は美容のために禁煙される方も多く、自分で決めて実行しようとする意識は男性よりも高いと思いますね。男性の場合は「子どものために禁煙したい」など目的意識がはっきりした方は成功しやすい傾向にあります。自分だけでなく周囲の方々のためにも、禁煙を実行してほしいです。睡眠時無呼吸症候群は最近増えている疾患です。ご本人は気づかずご家族に指摘されて来院されるケースが多いですね。重症の方は症状の改善を図るために睡眠時にマスクを着用して、無呼吸時に空気を送り込んで気道の閉塞を防ぐCPAPという装置により治療を行います。

問診を重視。目を見て話を聞くことを心がける

新型コロナウイルス感染症流行によって診療に変化はありましたか。

柳沢亮二院長 柳沢医院3

午前と午後、それぞれの最後の1時間に、時間帯を設けて発熱者専用の外来を行うようになったことをきっかけに、すべての診療を予約制で行うようになりました。現在は電話でもウェブでも予約ができます。オンライン診療も始めました。最初は再診からのみでしたが、コロナ禍で初診でも可能になったので利用しやすくなったのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症により発熱し、外へ出られない方にオンラインで診察しお薬を処方すると、連絡した薬局から薬が届きます。新型コロナウイルス感染症流行下で外出を避けたいという患者さんにもご利用いただけます。オンライン診療はクリニックでの診療が終わった19時頃から行っています。予約診療になりさらにウェブ問診を導入したことにより、待合室での待ち時間が短縮できました。

訪問診療もなさっているのですか。

件数は多くありませんが、できる範囲で訪問診療と往診を行っています。当院のドクターは私だけなので、午前診療が終わった後の昼休みや午後の診療が終わった時間に出かけます。この辺りは昔から住んでいらっしゃるご高齢の方が多く、その方のご家族が近所に住んでいても、元気なうちは世話をかけたくないからと、お一人でお住まいの方も多いので、普段からまめに連絡を取り合うことを心がけています。介護保険を申請していない方には申請をお勧めし、ケアマネジャーさんとも連携して地域ぐるみで患者さんに寄り添っていければと考えています。

先生が患者さんと接するときに心がけていることはどんなことですか。

柳沢亮二院長 柳沢医院4

父の代からそうでしたが、まずは患者さんの話や訴えにじっくりと耳を傾けることです。患者さんの顔色を見て訴えを実際に聞くことも大切な診察の一部ですから、まずは患者さんとしっかり向き合って目を見て話すようにしています。8割方は話を聞くことでおおよその疾患の目途が立つので、あとは検査をして絞り込んでいきます。中にはうまく症状を訴えられない方もいらっしゃいますから、こちらから問いかけてしっかり聞き出すように工夫しています。患者さん自身は風邪だと思っていても、別の病気が潜んでいることもありますので、しっかりと見極め、必要があれば総合病院を紹介するといった振り分けを行うのが開業医の役目だと思っています。

小さい頃から父の背中を見て育ち、自然と医師の道へ

先生が医師をめざそうと思ったきっかけを教えてください。

柳沢亮二院長 柳沢医院5

父の家系は医師が多く、私も小さい頃からここに住み、父の診療を見たり自分が病気になると父に診てもらったりと、ずっと父の背中を見て育ってきました。父は私に対して後を継いでくれと言ったことはなく、むしろ好きな道に進むのがいいと言ってくれていましたね。私は大学を卒業し、大学病院で2年間研鑽を積んだ後、埼玉県北本市にある北里大学メディカルセンターに出向し、その後、板橋区の病院で内科の診療を行っていました。呼吸器内科を選んだのは、気道を取り巻く広範囲の疾患に興味があったのと、医学部の病院実習でいろいろな科をローテーションし、呼吸器内科の雰囲気がとても良かったからでした。

休日はどのように過ごされているのですか。

学生の頃からバンドをやっていて、北里大学メディカルセンターに出向したときも仲間とバンドを組み、放射線技師さんたちのバンドと一緒にコンサートを開いていました。ジャンルは70〜80年代のハードロックやヘヴィメタルで、私はベースを担当していたのですが、ここ数年は忙しくて楽器に触れていません。バンドのメンバーとは今でも交流があり、みんな忙しくてなかなか時間が取れませんが、機会があればまたやりたいですね。あとはコンサートに行くのも好きです。数年前、私がベースを始めるきっかけにもなった、大好きなアーティストのライブに行きましたが、高齢にもかかわらずエネルギッシュでサービス精神にあふれる姿を見て自分も負けてはいられないと勇気をもらいました。

今後の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。

柳沢亮二院長 柳沢医院6

お体のことで気になることがあれば、どんな小さなことでも気軽にご相談ください。こんなこと聞いていいのかなと思うこともあるでしょうが、そんな時のために私たちかかりつけ医がいるわけですし、ちょっとしたことから大事な疾患が見つかることもあります。ご自身で判断せずに、私たちをアドバイザーだと思って気軽に相談していただけたらうれしいですね。

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