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高橋清輝 院長の独自取材記事

高仁会・高橋診療所

(豊島区/向原駅)

最終更新日:2019/08/28

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都電荒川線向原駅から徒歩4分。サンシャイン60を望む昔ながらの町に溶け込むように「高仁会・高橋診療所」はある。扉を開けると薬の処方を待つ高齢の患者。奥の診察室から笑顔の高橋清輝院長が現れ、声をかけると、患者の顔が自然にほころぶ。「高仁会・高橋診療所」は、高橋院長の父である先代が1953年にこの地に開業して以来、かかりつけ医として地域の人達の信頼を集めている。特にリウマチに関しては、その知識と腕を頼って地域外からもたくさんの患者が訪れるという。また地域の再開発により子どもから高齢者まで地域住民が医療から取り残されることのないよう、日々真摯に自身の役割を問うている高橋院長に、今とこれからの医療の現場について話を聞いた。
(取材日2014年4月1日)

街は変わってもかかりつけ医としての役割は変わらない

子どもの頃からこの街の移り変わりを目にして来られました。

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生まれてからずっと豊島区の住民です。私が子どもの頃は、今の池袋サンシャインシティ辺りに、巣鴨プリズン(巣鴨拘置所)がありました。その壁に向かってボールを投げて遊んでいましたね。他にあった大きな施設は大蔵省の造幣局くらい。後は小さな家が軒を並べていました。もちろん道路は舗装されていませんでしたし、この診療所の前を都バスが走っていた時期もありました。それが再開発の対象になって、古い家やマンションが取り壊され、以前住んでいた方もずいぶん引っ越して行かれました。実際に当診療所に通われていた患者さんも300人ほど減りました。今来ている患者さんの多くは、私の子どもの頃をご存じですよ。この間も、認知症になってしまったおばあちゃんが「あら、ずいぶん太ったわね」って(笑)。そういえば、今日、テレビのニュースを見ていたら、池袋は東京都の中で3番目に住んでみたい街なのだそうです。新しいマンションやビルがどんどん建設されていますから魅力的になったのでしょう。それでも街がどんなに変わっても、かかりつけ医としての役割は変わらないと思っています。

大学を卒業されてからこの診療所の院長になられるまでのご経験を教えていただけますか?

大学卒業後、しばらく大学に残って勉強しましたが、その後、アメリカのハーバード大学ににリサーチフェローとして留学、コラーゲンの石灰化をテーマに研究をしていました。大学はボストンにあったので、実験を終えると研究所の近くにあるフェンウェイ・パークスタジアムに出かけて、レッドソックスの試合を観戦していました。まだ、松坂も上原もいませんでしたけれども(笑)。3年研究を続けて帰国しました。大学に籍はありましたが、臨床も必要だと、人工関節の症例数が多い千葉県の北習志野花輪病院、越谷市立病院、そして台東区の浅草病院に勤務し、父が倒れたのをきっかけにこちらに戻って来ました。

実際にどんな主訴の患者さんが多いのでしょうか?

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整形外科で痛みを訴える方や一般内科、高血圧や糖尿病などの生活習慣病などさまざまな患者さんがいらっしゃいますが、中でもリウマチの患者さんが多いことが特徴だと思います。リウマチは一般的に女性の方が多いといわれていますが、なぜが当診療所には男性の患者さんが多いのです。リウマチ学会、リウマチ財団、整形外科学会の専門医、登録医、認定医のすべてを取得していて研修を受け続けています。生物学的製剤を使った治療を実際に開業医として行っている医師は非常に少ないのが現状ですが、当診療所では行っているため、他の病院、医師からリウマチの患者さんを紹介されるケースが多いのです。また最近は糖尿病の患者さんも増えています。今、日本の人口の中で、糖尿病は実際の患者さんは900万人、予備軍まで入れると2200万人と言われていますから。来院される方が増えるのは当然だと思います。糖尿病は生活習慣との闘いです。いくらよい治療をしてもなかなか良くならない方もいますし、もう治りましたねと言えるような疾患でもありません。当診療所に来てくださっている糖尿病の患者さんがよくなるようにインスリンの導入を含めて、かかりつけ医としての役目を果たそうと私も一生懸命です。

リウマチの専門医としての自信と誇りをもって治療にあたる

生物学的製剤を使ったリウマチの治療について教えてください。

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極度にひどい痛みを持っていたリウマチの患者さんに生物学的製剤を使ったら、これまでの人生がまったく変わってしまうほど効果がありました。腕がぱんぱんに腫れあがって何もできなかったのに、治療後はいろいろなことができるようになりましたよ。長年リウマチを患っている方の場合は、生物学的製剤を使うことによってリウマチによる痛みは楽になるんだけれど、変形による痛みは残ってしまいます。リウマチの初期の段階で生物学的製剤を使えば変形を引き起こすことは少なくなりますね。ただ、高額医療費制度を利用するにしても経済的な負担は大きいので、若い年齢の方が生物学的製剤を使って治療できるかは難しいと思います。また、自分で注射を打たなければいけない場合もありますし、定期的に点滴に来院していただかなくてはなりません。また副作用も考えなければなりません。現在大学病院で治療されている方で、長い時間待たされるのが苦痛だという方は、ご相談いただければ当院で同じように治療していくことは十分可能ですので、ぜひご相談ください。

どんな場合にリウマチを疑うのでしょうか?

リウマチにはいろんなタイプがあります。関節が痛んだり、腫れたり、手がこわばったり、指が痛かったり……。リウマチじゃないかしらって疑って来た人は、リウマチじゃないと言ってもらって安心したいんですよね。例えば手や足の変形が明らかに進んでいても、それが外傷の後なら違いますよと言えますよね。でもずっとリウマチの血液検査は陰性だったのに、ひざがパンパンに腫れてしまって、もう一度調べてみたらリウマチの反応が急に陽性になっているということもあります。リウマチは症候群と言われる病気のひとつであり、症状や症候をいくつか併せ持っているのです。だからこの症状があるから絶対にリウマチだっていう考え方はできないことが多いのですよ。後は長年の経験ですね。患者さんはもしかしたらリウマチかもしれないと不安に思っていらっしゃるわけです。今日は採血するから、結果は後日来てくださいという診察はしません。できるだけ時間をかけて、いろいろな話をお聞きするし、リウマチに対して怖がらなくてもいいということをお話します。

どんなことを心がけながら患者さんと接していらっしゃるのでしょう?

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私自身、実は中学生の時バスケットボールをしていてひざを骨折してしまい、今ではあまり走れないのです。春日通の横断歩道を走って渡ると、翌日から膝が痛くてどうしようもなくなってしまうのです。でもおかげで患者さんの痛みがわかるようになりました。放っておいても治る痛みもありますから、「痛いからといってあわてなくてもいいんだよ」と申し上げます。きっと患者さんが痛いって言ってきたら、痛み止めを出す整形外科医は多いのでしょうけど、私は出さないこともあります。昨日は痛かったけど、今日は痛くないなら「ちょっと様子を見てください」とお帰りいただきます(笑)。「血圧の薬を飲んだ方がいいですか」と聞かれたときも同じです。「あなたは血圧が高いから飲んだ方がいい」とは言いません。「お父さん、お母さんは血圧が高かったですか?」「脳卒中で倒れたおじいちゃんはいますか?」「しょっぱいものは好きですか?」「最近体重が増えていますか?」などいろいろ聞いて、それで判断するのです。

気になるなら「だいじょうぶである」ということをちゃんと調べる

お忙しい毎日だと思いますが、お休みの日はどのように過ごされていらっしゃるのでしょう?

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膝が悪くなってからは得意とは言えなくなりましたけれど、ゴルフをやっています。近くの仲のいい医師仲間と月に3、4回は行きますね。夜はそのままおいしいお酒をというパターンです。それ以外の診療後や休日には、総会用の議案や規則の改定案を作るなど医師会の仕事をすることが多いのです。他にも東京都臨床整形外科医会の理事や日本臨床整形外科学会の編集委員もしているので、勉強することもそれに関わる仕事でけっこうありますね。

どうして医師をめざされたのですか?

私の両親は「医師にならなくてもいい」と言いながら、私が別の職業を口にすると、「その仕事はいけない」と言われていたように覚えています。何とか私を医師にしたかったのでしょうね。医師会で他の先生が、息子さんや娘さんが医学部に入ったと話すときの顔はとても幸せそうに見えます。八百屋さんが家業をお子さんが継いでくれれば嬉しいと思うのと変わらないと思います。また今は、リウマチの診療に力を入れていますが、決して大学でリウマチの勉強をしていたということではありません。いつのまにかリウマチの患者さんをたくさん診るようになった。興味を持って勉強会にも参加して資格を取ってという感じなのです。

お父様の代から続くこの診療所、これからどうされていきたいですか?

この辺りは地域の再開発が進んで、街の様子がとても様変わりしています。そんな中、私がいなくなってしまったら、患者さん達はどうなってしまうのだろう? 取り残されてしまうのではないか?と思うのですよ。新たに別の病院に行くとしたら遠くまで行かなくてはなりません。ご高齢で、足が痛くてという患者さんには、とても大変なことですよね。今私は、豊島区の医師会で総務の副会長を務めているのですが、地域医療や介護保険、地域包括支援センター、訪問看護ステーションに関する仕事もしています。当然のことながら、地域をどのように包括的にケアしていかなければならないか、考える立場にいます。そんな中で、私に何ができるか、地域医療にどのように貢献していくかを考えなければならない時期が来ていると思っています。当院も在宅支援診療所としての役割も担わなければならない時期かもしれません。

ドクターズファイルの読者にメッセージをお願いします。

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30、40代の女性の方は、仕事にも子育てにも一番忙しい頃ですよね。自転車に子どもを二人乗せて、スーツ姿で保育園に送っていく姿を見かけると、自分の身体のことなんかかまっていられないだろうなと思うのですよ。でも後からそのつけは必ず来てしまいます。だから時間を見つけてぜひ健康診断を受けてほしいと思います。もし身体に不調があると感じたら、自分で判断しないでまずは近くの病院で診てもらってください。大丈夫だと思いたい気持ちはよくわかりますけれど、それには大丈夫であるということをちゃんと調べることが大切。でも、医師が大丈夫と言うだけで理由を説明してくれないと思うなら、別の病院へ行けばいいんですよ。私なら、「大丈夫だと思う根拠はこういうことだよ」って、しっかり説明しますね。心配なことがあったら、いつでも来てください。

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