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佐藤 喜久恵 院長の独自取材記事

佐藤小児歯科医院

(豊島区/巣鴨駅)

最終更新日:2020/04/01

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巣鴨駅から徒歩約3分の場所にある「佐藤小児歯科医院」は、小児歯科専門の歯科医院だ。「子どもは本当に宝物です」と、包み込むような穏やかな笑顔で語る佐藤喜久恵院長は、この土地で30年以上も子どもたちの歯の健康を守り続けてきた。主に0歳〜15歳という成長期をフォローする小児歯科領域では、長年にわたってサポートしていくことも必要になってくる。そんな時期に気軽に通えるかかりつけ医を持つことは、とても大切になってくるだろう。子どもの成長全般にわたる知識を豊富に持つ院長は、家庭での生活習慣などについて、保護者への説明もしっかりと行う。自身も子どもからたくさんのことを教わっていると語る佐藤院長に、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2012年12月20日)

子どもの虫歯ゼロをめざし、小児専門の歯科医師の道へ

歯科医師をめざされたのはなぜですか?

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父が歯科医師で、戦後この場所で開業をしておりました。私は3姉妹の長女で、父の姿を間近で見て育ったこと、また男兄弟がいないので歯科医院を継ぐ者もいない環境だったという影響もあると思います。しかし歯科医師を志した一つのきっかけとして、私が高校生の時に父ががんだと診断されたことがあります。結局誤診だったのですが、妹もまだ小さかったですし、将来のことを考えた時、「これからは女性も自分の力を生かして生活できたほうが良いのではないか?」と感じたことにも背中を押されました。そして大学に進み、卒業後は大学の医局に4年あまり勤務しました。その後、父の歯科医院の1階に小児歯科専門の歯科医院として開業しました。

小児歯科に興味を持たれたきっかけは?

当時は子どもの虫歯が社会問題にもなっており、大学病院では受診が1年待ちというほどに多かったんです。そのような時代背景もありますが、大学時代の恩師が小児歯科の専門家で、授業としても非常に面白かったのが一番大きかったですね。虫歯を減らすには予防が大切で、そして予防には小さな頃から取り組むことが大事だと先生は早くから着目なさっていて、「健全な歯を育成するのが小児歯科の最大の目的」という教えを学びました。私もその考えにとても共感し、子どもの虫歯ゼロをめざし、小児歯科としてやっていきたいと思ったんです。

それで専門の歯科医院を開かれたのですね。

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子どもの治療は、大人の治療の縮小ではありません。小児歯科の患者は主に0歳〜15歳という発育期にあたり、当然歯の変化も非常に大きいものになってきます。大人だけでも歯科の分野は多数ありますから、それを全部カバーするのは一人ではなかなか難しいことです。父は一般の歯科医師でしたが、私は開業するならば子どもを専門に、乳歯列から永久歯列までの長い期間をサポートするのが一番良いのではないかと考えたんです。正しい方法と健康管理を重視し、子どもたちの歯の健康を守っていく役割を担いたいと思い、小児歯科専門の歯科医院を開業しました。

小さな心に傷を残さない治療が第一

かわいい絵本やおもちゃが多く用意されていますね。

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歯科嫌いの方の中には、子どもの頃に怖い思いをしたという人も多いのではないでしょうか? 白衣や歯科の治療機器、音も怖いですよね。小さい頃の経験は非常に大切ですので、歯科で怖い思いをするのは一番駄目なことだと考えています。それには第一印象も大切ですから、院内も飾りつけたりおもちゃを置いたりして、歯医者さんというよりは、幼稚園や保育園に近いような雰囲気にしています。またスタッフもすべて女性ですので、より受け入れてもらいやすい部分もあるのではと思います。初めて歯科医院に来るお子さんも多いですから、「怖くないところみたいだから入ってみようか」という気持ちにさせる第一歩は、とても気を使う部分ですね。

心理面でのサポートも重要なのですね。

小さいお子さんを診療するにあたって、心にも傷を残さないようにするのは気遣いが必要な部分だと考えています。私自身が子どもの頃、腹痛で病院にかかったんですが、もじもじしてあまりおなかを見せなかったことがあるんです。そうしたらその先生がポンとおなかを叩いたことがあって。私の態度が悪かったことは理解できたんですけど、本当に恐ろしく感じました。そういう気持ちを後に残すこと自体、子どもの心を考えていないことになると思いますし、そのような治療はしたくない。やはりお子さんの個々の気持ちも大切に治療を進めていくことは重要です。

子どもとのコミュニケーションの中で心がけていることは?

子どもを傷つけないことは念頭におきますが、やるべきことはやらなければ治りません。そこは覚えてもらわないといけませんので、お子さんと一緒に頑張っていくというようなスタンスを持つよう心がけています。それから、一度虫歯になってしまっても、治したらその後は虫歯をつくらないようにしよう、というのをお子さんにも親御さんにも納得し、理解を深めてもらいます。お子さんの吸収する力は本当にすごいですから、最初は怖がっていた子でも、噛んでも痛くないということを理解できれば虫歯治療に積極的になったり、また自分でできたという自信は、あらゆる面でプラスに働きます。「これができたから何でもできるよね」ってお話しすると、「うん」って。治過過程の一つ一つが成長すべてにつながっているんです。

虫歯をなくすために家庭で実践すべきことはありますか?

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第一には生活習慣をきちんとすること。子どもの成長全般にわたって言えることですが、起床から就寝までの生活のリズムは人格形成やその他いろいろなものに関係すると考えられます。虫歯をつくらないためには、歯磨きも含めてそれらの生活リズムをかなりきちっとしなければいけません。これは甘い食べ物を取る取らないに関わらず関係してくることですから、お子さんの健康を守る上で、家庭でできる最も大切なことだと思います。

子どもとのふれあいが、人生の活力につながっている

印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか?

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先日、勤労感謝の日の翌日のことです。小学校にあがる前の姉妹の患者さんが、急に「昨日は勤労感謝だったよね」って入っていらして、「先生どうぞ」とかわいらしいお手紙や折り紙をプレゼントしてくれたんです。あまりにうれしくてパネルに貼って飾っているのですが、それを見るたびに思うことがあります。私どもは仕事として治療をしていますが、お子さんの目からは、もうちょっと歯科の仕事を重視してくれているのかな、という気持ちがひしひしと伝わってくるんです。もちろんご家庭での教育が行き届いていらっしゃるのもありますが、純粋な心からもたらされる、子どもの力や行動って本当にすごいなと感じます。ですから、なおさら単に歯の治療をするというよりも、大事な歯の成長期に、私どもがいかに気をつけて治療に取り組まなければいけないかを身にしみて感じさせられます。

いつの時代になっても、温かい心の交流は失われないんですね。

非常にうれしいことです。現代のような機械の時代になっても、子どもの純粋さには心揺さぶられます。子どもたちは、大人が気づかないような小さなことにも気がつきますから、私たちがはっと思わされる場面も多々あります。逆にわれわれがそこからたくさんのことを学ばせてもらっていますので、大人は心してお子さんと接していかなければと思いますね。本当に子どもは宝です。私も体が動く限りは、微力ですが子どもたちの健康に関われるように、少しでも役に立てるようにこの仕事を続けていきたい。そして私も、子どもたちからまだまだいろんなことを学びたいと思っています。子どもとふれあうこと自体が、私自身の人生の活力にもなっていますから。

今後の抱負をお聞かせください。

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保健所での1歳児半検診、3歳児検診にも携わっていますが、最近3歳までのお子さんを診ていて、虫歯があるのは30人中1割程度です。少子化もあって1人にかける時間も密度も濃くなっているでしょうし、食生活や予防を重視するといった時代の流れもかなり浸透してきています。もちろん歯磨きも、暮らしの一部として皆さん身についてきています。それらの結果として虫歯のない子が多いのだと思います。開業当時の「子どもの虫歯ゼロをめざそう」という目標はずいぶん達成されてきていて、とても素晴らしいことです。歯科医師をやっていて良かったと本当に思います。これは歯科医師や親の努力、社会的な背景がうまくいっている例だと思いますので、この先もずっと続いていくように、なおいっそう頑張っていきたいと思っています。

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