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田端 輝 院長の独自取材記事

田端歯科医院

(豊島区/北池袋駅)

最終更新日:2023/10/13

田端輝院長 田端歯科医院 main

東武東上線北池袋駅近くにある「田端歯科医院」。田端輝院長は、母である前院長の急逝により、2023年6月に同院を継承した。前院長の「患者第一の、痛みの少ない治療」というモットーを受け継ぎ、新しい知見や診療技術を加味しながら、歯科診療に真摯に取り組む歯科医師だ。祖母、母と続く、女性歯科医師が特徴の同院で、地域に自分が受け入れられるかどうか不安だったそうだが、スタッフの協力もあり、多くの患者が引き続き通院を続けているという。地元で生まれ育った田端院長。これからも研鑽を続けて「地域で、歯で困る人を一人でも減らしたい」と意欲的だ。そんな田端院長に、開業までの経緯や診療方針、今後の展望などを詳しく聞いた。

(取材日2023年10月2日)

祖母、母と続く、地域に根差した歯科クリニックを継承

まず、開業までの経緯を教えてください。

田端輝院長 田端歯科医院1

歯科医師を志したのは、やはり歯科医師である母の影響が大きかったですね。歯学部卒業後は、母校の大学附属病院での研修を経て、一般歯科医院に入職して研鑽を積んできました。こちらでは、毎週土曜日、母と一緒に診療に携わっていたのですが、今年の6月に母が急逝したので、急遽、継承した形です。もともと当院は、祖母が開院し、母が継ぎ、女性歯科医師が特徴の歯科でしたから、僕が今までの患者さんに受け入れてもらえるかどうか、正直、心配だったのですが、ほとんどの患者さんは引き続き通院してくださっており、ありがたく思っているところです。

どのような患者さんが多く来られるのですか。

街の歯科ですから、子どもから高齢の方まで、年齢は幅広いですね。長年、診療していますので、3世代で家族ぐるみで来てくださっている患者さんも多いですし、僕もこの地で生まれ育ちましたので、子どもの頃から知っている方も多いんですよ。最寄りは北池袋駅ですが、池袋駅、大塚駅も近く、便利な土地柄で、患者さんの多くは近くに住まれている方、職場のある方などです。東武東上線沿線なので、埼玉方面から来られる方もいらっしゃいます。

では、先生の診療方針について教えてください。

田端輝院長 田端歯科医院2

できる限り歯を残すというのが基本ですね。そして、教科書的な判断だけにとらわれず、一人ひとりの患者さんにとって何が重要かを見極め、治療の主軸としています。また、根拠を持って治療についてよく説明し、患者さんによく理解していただくことを心がけています。昔のような医療者が先導する医療ではなく、常に患者さんファーストで、患者さんがどういう選択をするかを尊重しています。例えば、教科書的には抜くべき歯でも、そのリスクを患者さんが理解した上で、それほど症状がなければ、抜かずに様子をみることがその方にとっては良いという場合も多いと考えています。

そうした診療方針を掲げるようになったきっかけなどがありますか。

医学生時代、歯科では生命に関わることはほとんどないが、歯科における抜歯は、全身でいえば個体の死という意味だと教わりました。そして、今の歯科医療においては、歯をどれだけ残せるかに重きを置いているという話が印象的だったのです。うつ病の患者さんに安易に抜歯をしてしまうと、その喪失感でうつ病が悪化してしまうこともあるから、軽々しく抜歯をしてはいけないという話もありました。そうした学びが僕の診療方針の根底にありますね。

患者の不安を取り除き、治療への理解を深めるために

診療の際にどのようなことを心がけていますか。

田端輝院長 田端歯科医院3

臨床の場では、痛みの原因がよくわからないこともあります。それをただ「様子をみましょう」と患者さんに伝えるのではなく、痛いのは事実なのだから、「原因はわからないけれど、こういう可能性が高いから様子をみましょう」ときちんと根拠を説明することを心がけています。街の歯科ですから、保険診療を基本に、患者さんが望む治療を提供することも大切にしています。子どもさんを診るときは、決して押さえつけたりせず、無理に診療しないことを心がけています。子どもの時のトラウマで、大人になって歯科恐怖症で苦しむ方もおられるので、歯科に恐怖心を持つような診療はしないようにしています。

ところで院長に就任されてどのような思いがありますか。

急遽、院長になって困ったのは、矯正治療など母が手がけていて、僕にはできない治療があったこと。あわてて代わりの先生を探しました。院長としての責任はやはり重いと感じます。特に、当院の歯科医師は僕だけで、体調を崩したら患者さんに、即、迷惑をかけてしまうので、体調管理にもプレッシャーはあります。さらに経営面も考えていかなくてはいけないですし。幸い、スタッフが母の代からのベテランで何でもよくわかってくれていますし、患者さんへの接し方は僕よりもうまいので、日々、学ばせてもらっているという感じです。患者さんも事情を理解してくださって変わりなく通ってくださっているので、本当にありがたいなと思っています。

お忙しいと思いますが、気分転換は何でしょうか。

田端輝院長 田端歯科医院4

本当に今は忙しいのですが、もともとスキューバダイビングや自転車で走りに行くのが好きなんです。他のことは考えられなくなるような、集中できることが好きですね。

地元で歯に悩む人を一人でも減らすことをめざして

歯科医師の立場から気になることなどがありますか。

田端輝院長 田端歯科医院5

コロナ禍のマスク生活のうちに治療したいと矯正治療を受けている方も多いですが、マスク生活で口呼吸になり唾液が減って口臭がひどくなったり、虫歯が進行したりしている方も目立ちます。きちんと手入れをされていて問題のない方と、虫歯や歯周病が進行してしまっている方と歯に対する意識が二極化している気がしますね。そして、虫歯の多い患者さんには、歯科によい思い出がないという方が多いようです。今は、無理やり治療するような歯科はあまりないと思いますので、頑張って勇気を持って歯科を受診していただきたいですね。虫歯が多くて恥ずかしいなどと思わずに、早めに、そして定期的に歯科に通院していただきたいですね。

力を入れていきたい治療や展望について聞かせてください。

矯正歯科医師の知り合いも多いので、連携して矯正治療にもきちんと対応していきたいと思っています。というのも、最近の子どもには矯正の必要な不正咬合が多いので、どこかに紹介するのではなく、自院で責任を持って診ていけるようにしたいのです。インプラント治療も会得して、選択肢の一つとして提示できるようになりたいですし、他の治療も積極的に勉強をして、患者さんに提示できる選択肢を増やしたいと思っています。予防で虫歯や歯周病にならないのが理想ですが、現実的にはなかなか難しいことですから、安易に抜いたり削ったりしない、ミニマルインターベンションの治療を極めていきたいと思っています。マイクロスコープも活用して、根管治療など歯を残す治療にも力を入れていくつもりです。審美歯科に関しても、メリットデメリットをきちんと説明をして、患者さんが理解して希望されれば対応していきたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

田端輝院長 田端歯科医院6

僕は、前院長である、母の背中を見ながら歯科の道に進み、診療の手技や患者さんとの接し方を母にも学んできました。母を信頼されて通院してくださっていた患者さんも多いと思いますが、僕も母と同様に患者さん第一の思いで診療に携わっており、また、母とは性格も似ていると思います。今までと同様に親しみやすい歯科として受診していただければと思います。生まれ育った地元ですから、地域で歯のことで悩む方が一人でも減るように努めていきたいというのが、僕の願いです。まだ若輩ではありますので、さらに研鑽を積んで、ここで根を張って頑張って診療していきたいと考えています。これからも応援していただければありがたいと思います。

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