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和久本 雅彦 院長の独自取材記事

和久本歯科医院

(文京区/本郷三丁目駅)

最終更新日:2022/06/20

和久本雅彦院長 和久本歯科医院 main

本郷三丁目駅から徒歩5分の「和久本歯科医院」。1927年に開業した歴史ある歯科医院で、落ち着いた雰囲気の待合室には開業当時の看板が飾られている。その歴史を引き継ぎ、現在院長を務めるのは和久本雅彦先生。「できる限り歯を削らない・抜かない」という開業時からのモットーをベースに、地域住民が一生自分の歯で噛めるよう一人ひとりに合った治療を取り入れるべく、日々試行錯誤を重ねている。最近は感染症対策とともに、患者のストレス緩和をめざして待合室にアロマを用いるなど、こまやかな心配りも忘れない和久本先生。そんな先生に力を入れていることや患者への思いについて聞いた。

(取材日2021年8月19日/情報更新日2022年6月13日)

一生自分の歯で噛むために、将来を見据えた治療を

歴史ある歯科医院だそうですね。

和久本雅彦院長 和久本歯科医院1

当院は曽祖父が開業して私で4代目になります。90年以上続いていますので、3代、4代とご家族で通う方も多いですね。私が一番長く担当する患者さんは、約半世紀のお付き合いです。中には海外に引っ越しても通ってくださる方がいて、うれしさとともに歯科医師としての責任の重さを感じます。また、長く診ているとお口の中の変化に気づきやすく早めに処置ができますから、患者さんのメリットも大きいと思います。同じく家族で診ることも大切です。一緒に暮らしていると食生活や生活習慣が似てくるので、口腔内にも共通点が多いのです。ですから、おばあちゃんのお口の状態を踏まえてお孫さんの将来を予測し、早めにケアを行います。

どんな患者さんが多いですか?

開業以来、地域のかかりつけ医として診療してきたので患者層は広いです。私が保育園の園医として歯科検診も担当しているためお子さんも来られますし、高齢者に関しては訪問診療も行っています。外来では糖尿病や心臓疾患などをお持ちの方もいるので、生体モニターを使って全身状態を見ながら治療をすることも可能です。また障害のある方の治療や、がん患者さんの手術前の口腔ケアなどにも対応しています。近隣の大学病院などから紹介を受けて行うことが多く、連携もしっかりと図っています。私の役割は地域の皆さんのお口の健康を守ること。そのためには「診てほしい」という要望がある限り、できるだけその思いに応えたいと思っています。

診療の特徴を教えてください。

和久本雅彦院長 和久本歯科医院2

当院の目標は、一生ご自分の歯で噛んでいただくこと。そのためには10年、20年先を見越した治療が必要と考えており、保険診療・自由診療問わず選択肢を用意しています。インプラント治療や矯正専門の歯科医師がいるのはその一環。中には院内で完結できないこともありますが、きちんと検査・診断をして適切な病院を紹介しています。また、一生自分の歯で噛むためにはメンテナンスも欠かせません。当院では定期的なクリーニングで口の中の細菌数を減らすことに加え、普段の生活で口の中の善玉菌を増やし口腔環境を整えられるよう、食事や生活習慣のアドバイスも行っています。特に女性はホルモンの変化により、歯茎が腫れ歯周病が進行しやすくなるので注意が必要です。当院は区の妊婦歯周疾患検診を通じて妊婦さんのケアをするほか、思春期や更年期といったライフステージも意識しながら、一人ひとりに合ったサポートを心がけています。

発音の研究やシステム開発にも取り組んだ勤務医時代

歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

和久本雅彦院長 和久本歯科医院3

歯科医院の2階に住んでいたこともあり、幼い頃から歯科医師という職業は身近な存在でした。家族から「人々の健康に貢献でき、患者さんから感謝してもらえるいい仕事だぞ」という話もよく聞いていました。ただ、子どもの時は歯医者が嫌いだったんですよ(笑)。治療への恐怖心に加え、独特なにおいも苦手で…。でも歯科医師だった祖父母、とりわけ祖母の仕事を手伝ううちに徐々に尊敬の思いが強くなり、最終的に同じ道を選びました。というのも、口腔外科の教授だった祖母は診療所でも大きな手術をすることがあったんですが、早くて鮮やかな仕事ぶりに感銘を受けまして。大学卒業後に口腔外科に進んだのは、祖母の影響が強いと思います。

どのような経験を積んでこられたのですか?

大学卒業後は大学院に通いながら、東京電機大学で音響学を学びました。もともとは口腔外科で口唇口蓋裂の研究をしたかったんですが、手術後、言葉を明瞭に発音できる子が少なかったことから、音を分析して客観的に評価する手法を確立しようと思ったんです。その後イギリスに渡り、矯正手術の分野で発音についての研究に携わりました。さらに、スウェーデンでは主にインプラント治療を学び、フィンランドでは救命救急の現場で経験を積みました。帰国後は情報通信企業から声をかけていただき、歯科を離れて情報通信企業グループの研究所や総務省に籍を置きました。そこでは発音時の舌の力を測るセンサーや、舌の力だけで電動車いすを動かすシステムの開発に携わり、海外勤務も多数経験しました。歯科医師でなければエンジニアになりたかったくらいなので、やりがいはありましたね。

診療で心がけていることを教えてください。

和久本雅彦院長 和久本歯科医院4

一人ひとりに時間をかけて診察することです。初診では、お口の状態や治療法、費用などについて1時間程度じっくり説明しますし、急患以外はすぐに治療を開始することはありません。また通常の診察でも、約半分の時間は説明にあてます。絵を描いて説明したりエックス線の画像を見せたり。私の場合、手よりも口が動いている時間のほうが長いんじゃないかと思うほど(笑)。その中で、できるだけ長く自分の歯を持たせるにはどうしたらいいかを理解していただけるようお話ししています。主訴の治療が終わってからも定期的にメンテナンスに通っていただき、歯科衛生士と協力しながら必要に応じて歯磨き指導も行っています。

なんでも話せるかかりつけ医を見つけてほしい

海外の歯科医療支援活動にも尽力されているとか。

和久本雅彦院長 和久本歯科医院5

ASEAN加盟国の歯科医療は、国によって治療レベルや衛生意識などにばらつきがあるのが現状です。そのため7年ほど前から、歯科医療に携わる一員として、ASEAN諸国の歯科医療レベルの向上を目的とした活動を行っています。私自身、ベトナムでの講演やベトナム人歯科医師を日本に招いて研修を行ったりしてきました。参加者の意識を変え行動変容を起こすのは簡単ではありませんが、少しずつ活動の成果が表れてきたのを実感しています。新型コロナウイルスの感染拡大で、昨年活動はできませんでしたが、感染状況を見ながら活動を再開していく予定です。近々、カンボジアやマレーシア、フィリピンにも事業拡大予定で、ライフワークとしてこれからも続けたいですね。

今後の展望を教えてください。

これまでと変わらず、患者さんが一生自分の歯で噛めるようじっくりと話した上で丁寧に検査をし、その方にとってベストと思える選択をしたいと思います。そのためのツールとして、2021年11月に歯科用CTを導入しました。精密な治療のためには3次元で歯周組織の状態を見ることが不可欠です。これまでCT検査が必要な場合は外部に依頼していたのですが、患者さんの負担も大きかったので、導入によってスムーズな診療にもつながっています。また当院には歯科医師が私以外に4人おりますので、彼らを含めた後進の育成にも力を入れていきたいですね。出し惜しみせず、自分の持っている知識・技術をすべて伝えようと思っています。ちなみに私は祖母の影響で歯科医師の道を選びましたが、2人の息子は歯科医師とは異なる道を歩んでいます。夢に向かう彼らを応援したいですね。

読者へメッセージをお願いします。

和久本雅彦院長 和久本歯科医院6

お口はすべての入り口ですから、口腔環境が良ければ体のコンディションも整うと私は考えています。だからこそ、健康でいるには長く通えるかかりつけの歯科医院を見つけることが大切です。長く通えるかを見極めるポイントは、言いたいことが言えるかどうか。当院でなくても構いませんから、ぜひそんな先生を探してほしいと思います。私の理想は国民全員がかかりつけの歯科医院を持つことなんです。そのためにも、当院では皆が安心して通える環境づくりに努めています。待合室と診療室の床には抗菌コートを施し、お手洗いと待合室には紫外線による殺菌装置を24時間稼働させるほか、治療やうがいは殺菌済みの水を用いています。また、感染予防とともに患者さんのストレス緩和につながればと、抗菌効果の期待できるエッセンシャルオイルを用いたアロマディフューザーも設置しています。ぜひ定期的に通院し、お口と全身の健康を守りましょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/55万円~、歯列矯正/100万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/50万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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