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小川 聡子 理事長の独自取材記事

調布東山病院

(調布市/調布駅)

最終更新日:2019/08/28

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1982年の開業以来、地域住民の健康を守り続けてきた「医療法人社団東山会調布東山病院」。質の高い急性期医療を、全人的視点を大切に提供するという考えのもと、1990年代から在宅医療も実践。2011年に新病院に移転し、関連クリニックにおける外来血液透析やドック健診部門の設置など、地域ニーズにも応えてきた。現在、小川聡子理事長を筆頭に取り組んでいるのが「生活支援型急性期病院」としての地域貢献。85歳以上の人口が増加する10年後を見据え、地域との関係づくりに尽力する。同院では、地域連携室を中心に地域の医療機関との連携・機能分化を推進するとともに、行政や介護従事者と情報を共有し、救急医療から介護と一体になった急性期医療の提供にこだわる。誰もがその人らしさを保ちながら生活できる環境づくりをめざす。また、職員が「全員主役」で取り組むことが患者への良い医療につながると「ひと成長型人事制度」を整備し、人材育成や管理者教育にも熱心だ。教育機関としても内科専攻の研修医を受け入れるなど、地域の医療向上にも尽力する同院について、小川理事長に話を聞いた。
(取材日2017年2月16日/情報更新日2019年8月5日)

生活支援型急性期病院として地域に貢献

はじめに病院の成り立ちと概要についてお話しください。

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地域医療を実践するとともに、大学病院に引けをとらない医療の質を担保する病院をめざして1982年にスタートしました。開院当初から一貫して心がけているのは、患者さんに必要とされたときにすぐに手を差し伸べ、「人情味」のある医療を提供することです。そのために、患者さんの人生を含め、その人を丸ごと診る医療・看護を実践する姿勢を大切にしています。開設から6年目で在宅医療を開始し、その後も、外来血液透析やドック健診部門など、患者さんや地域にとって必要と思われることを積極的に取り入れてきました。現在は、「生活支援型急性期病院」をめざし、多職種と協働で入退院支援に取り組み、東京都二次救急指定病院として、年々増える高齢者の救急搬送にも応えています。また予防医療に貢献すべく、ドック健診部門にも力を入れ、内視鏡部門では、2018年4月〜2019年3月の間で約1万1000件の検査を行っています。

今病院で力を入れていることは何ですか?

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「生活支援型急性期病院」として、救急医療や質の高い総合診療だけでなく、介護と一体となった地域包括ヘルスケアサービスも提供することです。退院後の患者さんを「地域で生活する人」として支え、在宅医療に取り組める環境を整えています。具体的には、退院が不安な方に対しては、多職種で入退院支援を進めるとともに、介護に携わる人に対しても、安心して受け入れができるようサポートしています。そうして、「急性期から在宅へ」のイノベーションを起こしたいですね。そのためには、早期の急性期リハビリテーションも欠かせません。また、ニーズの高い消化器治療とドック健診については、高いレベルの予防医療・患者教育を行った上で、疾患の早期発見、質の高い治療への移行をめざしています。一方で、人材教育にも力を入れ、2018年度からは内科専攻の医師の地域医療研修を受け入れ、医師が成長できる病院もめざしていきます。

地域のクリニックとの連携はどのように取っていますか?

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患者さんには「2人の主治医を持ってください」と話し、一次医療機関はクリニック、入院や検査が必要な二次は当院が担当しています。その際、紹介・逆紹介がスムーズになるよう、当院の地域連携室長を中心に、私と院長もクリニックにごあいさつに伺い、顔の見える関係づくりを心がけています。互いの医師が「聞いているよ」と、声をかけるだけで患者さんは安心されますから、大切なことです。また、紹介された入院患者さんに対し、質の高い医療と看護を提供し、再びクリニックにお返しすることで、当院の信頼も高まると考えています。地域には行動すると応えてくれる人が大勢いますが、それは、当院の医師や看護師、スタッフの行う医療の質を信頼していただけているからだと思います。また、ここ数年は市役所と医師会と病院が連携して災害訓練を行っており、昨年は調布市内の3つの病院と合同で実施することで、病院間搬送など、よりリアルな訓練ができました。

医師として大切にしていることはどんなことですか?

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患者さんの訴えの裏にあるものを嗅ぎとる努力を怠らないことでしょうか。そのため、受診された真の目的を自分がくみ取れているかどうか、直接患者さんに確認するようにしています。高齢の患者さんについては、変化に早めに気づき、看護師やクラークたちの力を借りて地域やご家族と連絡を取り、早めに対応できる準備をするよう努めています。支援してくださる方への配慮も忘れないことが大切です。一方で、救急車の安易な使用や、コンビニ感覚で通院しすぐに薬を出してほしいという患者さんに対しては、少し厳しくお話をすることもあります。患者・家族教育の視点については、まだまだ勉強しないといけないと感じますね。開院当初から、当院ではずっと「病気」ではなく「人」を診ています。ただし、変わらずに最も大事なベースとなるのは医療の質です。忙しい急性期病院ですが、質の高い医療を提供するための研鑽は怠らないことが大前提です。

最後に今後の展望をお聞かせください。

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10年、20年先の地域を見据えて、それに対応できるような地域づくりのお手伝いを医療・看護を通して行うことを法人全体の目標に掲げています。それにはまず、「急性期から在宅へ」を本当の意味で実現できる実力をつけること。その際、職員全員が目の前の患者さんを「患者」ではなく「地域で生活する人」だと意識し、患者さんの人生・価値観をくみ取りながら医療に携わることが求められます。それができるよう、関係者がACP(アドバンス・ケア・プランニング)の情報も共有できるようになる必要があります。私たちは、「生活支援型急性期病院」「予防医療」「在宅部門」「血液透析」の4つの領域で「生きる=人生」に関わり、地域の方々とともに地域包括ヘルスケアサービスを構築していきます。これからも地域で生ききる、それを支える人々が笑顔でいられる地域づくりに貢献していきたいですね。

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