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妊娠継続までをシームレスに診ることを重視
不妊症・不育症の治療

東京慈恵会医科大学附属病院

(港区/御成門駅)

最終更新日:2021/10/12

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  • 自由診療

妊娠を望みながら、さまざまな理由で希望がかなわず、悩むカップルは少なくない。「避妊をしていないのに、1年以上たっても妊娠しない」というケースは不妊症、「妊娠はするが、流産や死産を繰り返す」というケースは不育症と定義され、それぞれ治療が行われる。「東京慈恵会医科大学附属病院」における不妊症および不育症を専門とする外来は、不妊治療から妊娠継続という一つの流れの中でそれぞれの症状をとらえ、シームレスな対応を重視しているのが特徴だ。妊娠に向けた卵巣機能の潜在能力を示す卵巣予備能が低下している症例にも豊富な治療経験を有し、若年がん患者の将来に向けた妊孕性温存にも積極的に取り組んでいる。同院での不妊症、不育症の治療について、岸裕司診療医長に聞いた。

(取材日2020年11月27日)

卵巣機能が低下した症例の治療や、妊娠に向けた内視鏡手術、若年層の妊孕性温存にも積極的に取り組む

Q不妊症の原因としては、どのようなことが考えられますか。
A
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▲夫婦での外来受診を勧めているという

女性の場合、子宮内膜症や子宮筋腫といった疾患のほか、排卵異常、卵管の閉塞や癒着、狭窄といったことが原因として考えられます。また、年齢を重ねるにつれ状態の良い卵子の数は減っていくため、加齢も原因の一つに数えられるでしょう。不妊症というと、どうしても女性に原因があるように思われがちですが、実は男性側に原因があることも少なくありません。精子無力症や無精子症といった精子の異常、精巣上体炎など精子の通り道に起きた異常、射精の異常など、男性側に原因があるケースも考えられます。避妊せずに性交渉を続けても妊娠につながらない場合など、お悩みの場合には、ぜひカップルで受診なさってください。

Q不妊症については、どのような治療が受けられるのでしょう。
A
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▲先進の胚培養機器も導入されている

まず、基礎体温や採血、超音波検査、子宮卵管造影検査、精液検査等により、妊娠の妨げとなる異常がないかを評価します。ここで異常を認めた場合には、その状態に応じた治療を行います。明らかな異常を認めない場合には、排卵に合わせて夫婦生活をもっていただくタイミング療法から治療を開始するのが一般的です。排卵に問題を認める場合には、排卵誘発剤を使用することもあります。妊娠の成立を見ない場合には、治療のステップアップが勧められ、採取精液を処理後に子宮内に注入する人工授精(AIH)や、さらに高度な治療として、生殖補助医療(ART)と呼ばれる、体外受精(IVF)および顕微授精(ICSI)の施行を検討します。

Q不育症の原因や治療法についても教えてください。
A
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▲一般の産婦人科外来とは独立した待合室を備えている

不育症は、妊娠はするものの、自然流産や死産を繰り返す状態です。そのリスク因子には、多くのものが挙げられますが、代表的なものとして、抗リン脂質抗体症候群に代表される血液凝固異常症、子宮奇形、両親の染色体異常、胎児の染色体異常の4つがあります。まずは系統的な検査によりこれらの有無を確認し、方針を決定します。治療としては、例えば、抗リン脂質抗体症候群では、低用量アスピリン・ヘパリン療法を中心とした抗凝固療法により妊娠の継続を図ります。この他、子宮奇形の1つである中隔子宮に対しては中隔と呼ばれる子宮内の壁を切開する手術を、染色体異常には遺伝カウンセリングを、と原因に応じた治療・対応を行っていきます。

Q妊娠に向けた内視鏡手術についてお聞かせいただけますか。
A
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▲外来処置室では、採卵・胚移植・外来内視鏡などが行われる

子宮内膜症や子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどが不妊の原因になっている場合、女性の体の負担をできるだけ抑えるため、可能な限り、腹腔鏡や子宮鏡等の内視鏡を用いた低侵襲な手術を行います。当院では、手術も含め、継続的に妊娠に向けての医療を提供できる体制を整えており、これら不妊症・不育症の原因を取り除くための内視鏡手術も生殖医療担当医師自身が施行しています。

Qがん患者さんへの生殖医療にも取り組まれているそうですね。
A
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▲凍結された卵・精子・胚は施錠された容器内で厳重に管理される

近年のがん治療の進歩は、がん治癒後の生活の質向上にまで目を向けることを可能としました。妊娠・出産もがんの診断とともに直ちに諦めるのではなく、その可能性を追求できるようになっています。抗がん剤治療前等に精子や卵子、受精卵を凍結保存する生殖補助医療はその1つの方法です。がん患者さんで、将来の妊孕性温存について知りたい方は、ぜひご相談ください。また、小児がん治療後の学校生活や社会活動、将来の妊娠の可能性等についても、思春期から30歳代までのAYA(Adolescent and Young Adult)世代に向けた生殖カウンセリングの外来を設けご相談に乗っています。

ドクターからのメッセージ

岸 裕司先生

不妊症および不育症の原因は一つではなく、男性にも女性にも原因が認められる可能性があるものです。妊娠が成立しない、妊娠を継続できないといったことでお悩みの場合には、カップルでご相談の上、できるだけ早く専門の外来を受診されることをお勧めします。当院では、大学病院としての強みを生かして関係する診療科とシームレスに連携し、手術を要する難症例にも対応しています。また、妊娠成立後の妊婦健診から分娩にいたるまで、継続した診療をご提供することが可能です。患者さんのお話をよく伺って一緒に考えることを心がけております。紹介状をお持ちでない方の診察も受けつけておりますので、お悩みの際にはお気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人工授精/約3万円~(1周期につき)、排卵誘発剤/〜9万円程度(治療内容により異なる)、体外受精・顕微授精/約35~45万円(採卵1周期につき)、約15~20万円(凍結融解胚移植周期)、精子凍結/5万円、卵子・受精卵凍結/4~9万円(個数による)

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