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花岡 嘉奈子 理事長の独自取材記事

はなおかレディースクリニック

(大田区/大森駅)

最終更新日:2024/03/07

花岡嘉奈子理事長 はなおかレディースクリニック main

アトレ大森内にある「はなおかレディースクリニック」は、駅直結でアクセス抜群の立地だ。2023年10月の移転に伴い、診察室の数を増やしている。明るい雰囲気の待合室から広々とした通路を通って診察室へ向かうと、理事長の花岡嘉奈子先生が明るい笑顔とハキハキとした口調で迎えてくれる。婦人科系の病気から不妊治療や妊婦健診まで、一貫して診療を受けることができる同クリニックは、女性の生涯にわたる悩みに寄り添うホームドクター的存在。不妊治療のエキスパートとして研鑽を重ねてきた花岡先生だが、「不妊治療が終われば受診も終わり」ではなく、中高年になっても通えるクリニックをめざしている。熱い思いを胸に不安を抱える患者に寄り添う花岡先生に、不妊治療への思いや今後の展望を聞いた。

(取材日2023年10月12日)

不妊治療を軸に女性の幅広い悩みに対応

クリニックの特徴を教えてください。

花岡嘉奈子理事長 はなおかレディースクリニック1

開業して以来、不妊治療専門ではない新しい形のレディースクリニックを模索してきました。当クリニックは、不妊治療を中心に婦人科全般の悩みに対応できることが特徴です。私は、一度診療した患者さんとは、生涯にわたってお付き合いしていきたいと考えています。不妊治療のステップでは、何年もかけてタイミング法、人工授精、体外受精と進んでいく患者さんもいらっしゃいます。なかなか結果が出ず、道半ばで諦めざるを得ないことも。しかし、女性特有の悩みというのはいくつになってもあるもの。ホームドクターとして長く頼ってほしいので、「どんな婦人科疾患にも対応できること」をクリニックのベースにしているのです。

2023年10月の移転にあたって、こだわった点はありますか。

アトレ大森への移転にあたって、患者さんがより気持ち良く通えてリラックスできるクリニックをめざしました。若い世代の女性にも気軽に相談に来ていただきたいと、駅直結で明るく入りやすい空間をめざしました。待合室も広くなったので患者さんが増えても安心です。SNSを活用した予約システムでは、受診の順番が近づいたら通知が来る仕組みにしています。受診までの時間も有効活用していただけるとうれしいですね。診察室やベッド数も増やしたことで、治療の幅も広がりましたね。

最近、目立つ主訴はありますか。

花岡嘉奈子理事長 はなおかレディースクリニック2

一番多いのは不妊治療の患者さんで全体の7割くらいを占めていますが、基本的には子宮頸がんのワクチンから、生理不順や子宮筋腫などの婦人科系疾患、妊婦健診、更年期障害まで何でも診ています。不妊治療専門にしてしまうと、他の悩みは相談しにくくなってしまいますよね。勇気を振り絞って受診された患者さんの思いに応える形で、何でも対応する診療スタイルに落ち着きました。

婦人科のホームドクターを持つ大切さ

婦人科はどんなときに受診すれば良いでしょうか。

花岡嘉奈子理事長 はなおかレディースクリニック3

20歳を過ぎたすべての女性に、婦人科のホームドクターを持ってほしいというのが私の願いです。普段から気軽に受診できる環境さえ整えておけば、結婚、出産といったイベントや更年期障害など、何かあったときにも安心ですから。女性の不定愁訴はたいてい婦人科で対応できると考えています。例えば、おりものがいつもより多いとか、生理前の頭痛やイライラなど、何か一つくらいは皆さん悩みがあるもの。市販の薬で耐えるくらいなら一度受診してみてください。不妊治療は、早期に始めるほど望む未来は明るいと思います。結婚が決まった段階で検査だけでも受けることをお勧めしたいですね。卵巣がんの検診も年に1回は受けましょう。卵巣の状態はエコー検査でしかわかりません。信頼できる婦人科のホームドクターを持ち、いつでも適切な医療を受けられる状態をつくっておいてください。

診療の際に、気をつけていることはありますか。

話しやすい雰囲気づくりや、患者さんの立場に立った診療を前提として、帰るときに「受診して良かった」と思っていただけることをめざしています。患者さんによって求めるものは違います。例えば、丁寧な説明がほしいという方がいる一方で、長々と説明を聞きたくないという方もいるでしょう。また、女性同士だからわかる部分もあると思いますので、例えば、介護など婦人科以外の悩みや世間話でもいいので、ここで話をする。もし必要があれば他の病院の紹介も含めて検討して、とにかく患者さんの悩みを解消して帰っていただきたいと思っています。治療ではできるだけテキパキと対応して、内診台の上にいる時間の短縮を図っています。私をここまで育ててくれたのはこれまでの臨床経験です。この経験を糧に「ここに来れば何とかなる」という安心感を患者さんに提供していきたいですね。

他に患者さんと接する上で、大切にしていることはありますか?

花岡嘉奈子理事長 はなおかレディースクリニック4

当クリニックには、さまざまな主訴で通われる患者さんがいるので、それぞれの患者さんたちへの配慮は大切だと思っています。例えば、不妊治療の患者さんと妊婦さんが待合室で並んで座ることのないクリニックにしないといけません。不妊治療は精神的にもつらいものですから、せめて周りに煩わされることなく、治療に集中できる環境を用意してあげたい。そして、めでたく妊娠した人たちを老後までずっと診ていきたいと思っています。

状況に応じて適切な専門家へつなぐことも医師の役割

医師をめざしたきっかけや、専門を選ばれた経緯をお伺いします。

花岡嘉奈子理事長 はなおかレディースクリニック5

代々医師の家系だったので、幼い頃から医師にならなければいけないものだと勝手に思い込んでいました(笑)。産婦人科を選んだのは、同じく産婦人科医であった父の影響が大きいです。父が亡くなった後、父の産婦人科クリニックを継ぐことも一度は考えました。しかし、お産をメインにした診療を一生続けるよりも、もっと高い専門性が求められる分野で自分の力を試したいと思うようになりました。幸い、母は「自分の好きなことをやりなさい」と背中を押してくれたので、以前から興味があった不妊治療の道に進むことに決めたのです。

スタッフの教育や病診連携についてはいかがでしょうか。

当クリニックでは、先進の治療も取り入れています。すべての患者さんを私が担当するわけではないので、他の医師にも同水準の治療技術が必要です。初めは医師の教育が大変ですが、信頼のおける人材を育てて、患者さんに還元していきたいと考えています。病診連携の面では、普段から他院とのネットワークづくりや情報収集に努めています。患者さんを紹介する場合も、腹腔鏡手術なのか、子宮頸がんなのか、あるいは無痛分娩の希望なのかによって、それぞれの領域の専門家につなげるようにしています。患者さんに有用な情報を提供することも、私たち医師の仕事です。

今後の展望はありますか。

花岡嘉奈子理事長 はなおかレディースクリニック6

胚凍結は、不妊治療として保険適用になりましたし、東京都では助成金が出ることもあります。当院ではまだ設備を整えられていないので、分院である「はなおかIVFクリニック品川」を紹介させていただくかたちを取っていますが、今後は当クリニックでも行えるようにしたいと考えています。大げさに聞こえるかもしれませんが、「胚凍結で見える世界が変わる」というのが私の考えです。卵子の状態は年齢とイコールではなですし、患者さんの体への負担を考慮する上でも、積極的に取り組んでいきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

普通の内科クリニックなどに比べて、婦人科は受診自体のハードルも高く、特に内診に対して苦手意識がある方も多いと思います。卵巣や子宮は普段は目に見えないですが、月に一度月経がきたり、赤ちゃんを育むための女性にとって大切な臓器です。20歳を過ぎたら一度婦人科を受診して、知識と経験のある信頼できるホームドクターを持ちましょう。性交渉がない場合は、内診なしの診察も可能です。当クリニックは今後も「女性の加齢を遅らせ、トータルに診療できるクリニック」をテーマに診療を続けます。困ったことがあればお気軽にご相談ください。

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