カクカクする、口が開かない顎関節症
噛み合わせからアプローチ
武内歯科医院
(横浜市磯子区/磯子駅)
最終更新日:2024/02/08
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顎の痛みや違和感に加え、カクカクする、口が開かない、開けづらいといった症状が現れる顎関節症。何らかのきっかけで突然症状が現れるケースもあれば、同様の症状を繰り返すケースもある。長年にわたり顎関節症の診療に取り組む「武内歯科医院」の武内清隆院長は「一般的な歯科では対応が難しいこともある顎関節症は、噛み合わせと関わりが深いケースも多いもの。知識と経験のある歯科医院で相談することをお勧めします」と話す。自身も顎関節症を経験し、そのつらさを味わったという武内院長に、顎関節症と噛み合わせのつながり、その診療について話を聞いた。
(取材日2023年12月5日)
目次
顎が痛い、カクカクする、口が開かない顎関節症は、噛み合わせの不具合が影響している可能性も
- Q顎関節症とはどのような病気なのでしょうか?
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A
顎の関節や周辺の筋肉に痛みや動きの不具合が出るのが顎関節症です。口の開けづらさや顎の痛み、口の開閉時に不快な音がする、顎が外れるなどの症状が見られるほか、肩凝りや腕のしびれ、頭痛、耳や鼻の不快感を訴える方や、「朝起きたら口を開けることができなくなっていた」と、慌てて来院される方も多くいらっしゃいます。顎関節症は20〜30代といった比較的若い女性に多い病気とされていて、急性症状を放置しておくと慢性症状へと移行する場合もあります。一旦症状の改善が見込めたとしても、歯を強く食いしばったことをきっかけにまた症状が現れるなど、病気の原因を捉えて対処しないことには再発を繰り返してしまうのです。
- Q 顎関節症は噛み合わせとも関わりがあると伺いました。
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A
顎関節症の原因にはさまざまな要因がありますが、噛み合わせの悪さもその一つとなり得ます。噛み合わせが悪いことにより顎の特定の部分に集中的に圧力がかかり、関節のズレや筋肉のこわばり、骨の変形などを引き起こしてしまうと考えられます。口を閉じている時に上下の歯は噛み合わさっていないのが通常ですが、閉口時に上下の歯を噛む癖がある方には特に顎関節症の発症率が高い傾向があるようです。こうした場合は、矯正治療により、噛み合わせの改善をめざすことからアプローチする方法もあります。
- Q受診するタイミングはいつでしょうか?
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A
顎が痛い、カクカクするなどの症状があっても軽微なものであったり、日常生活に支障がないレベルのものであったりする場合は、急いで治療をする必要はないケースもあります。しかし、発症を繰り返す場合や重度の症状が出ている場合などでは、受診をしてきちんと原因を見極め、治療を受けるべきだと思います。受診の際は歯科医院に来ていただくのが正解です。あくまでも目安ですが、お寿司を食べづらいと感じたり、口の中に指が縦3本入らなかったりする場合は開口障害の可能性がありますので、ぜひ一度歯科医院を訪れて噛み合わせを含めた顎関節のチェックを受けることをお勧めします。
- Q具体的な検査や治療法を教えてください。
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A
まずエックス線検査や触診で顎関節の動きを確認し、歯科用CTを用いて顎の形態や位置を確認します。さらに、口腔内写真や歯型を使って噛み合わせをチェックしていきます。治療では、詰め物やかぶせ物の高さなどの調整や、顎の動きにアプローチしていきます。痛みを改善させるための治療や顎関節または筋肉への負担を抑えるために就寝中にマウスピース型の装置をつける治療が一般的ですが、当院では併せて噛み合わせからアプローチする治療も行っています。噛み合わせの不具合を改善するために矯正治療が必要になることもあります。
- Q顎関節症を悪化させないためにはどうしたらいいでしょうか?
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A
顎関節症は、突然ひどい痛みに襲われる急性のものもあれば、何らかのきっかけでぶり返す慢性のものもあります。軽微な症状であれば顎関節症であると気づかないケースもありますが、顎関節とその周辺にとどまらず、めまいやしびれ、頭痛など、原因不明の不定愁訴につながることもあります。日常的に、デスクワークやスマートフォンを見る際の姿勢、噛みしめや食いしばりに気をつけることがあげられます。マッサージなどのセルフケアでは悪化させてしまう恐れもありますので、まずは一度診察を受けて原因を究明し、専門知識を持った歯科医師の指導のもとで取り組むことをお勧めします。
自由診療費用の目安
自由診療とは顎関節症の診断料3万3000円~、マウスピース型装置/7万7000円~、矯正治療の初診料3300円~、1期治療/42万9000円~、2期治療/81万4000円~、セラミック治療/9万9000円~、詰め物やかぶせ物の調整料/7万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。