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亀澤 比呂志 院長の独自取材記事

かめざわ眼科

(横浜市南区/上大岡駅)

最終更新日:2022/12/14

亀澤比呂志院長 かめざわ眼科 main

上大岡駅からバスに乗り、別所宮下停留所まで5分。それから2分ほど歩くと「かめざわ眼科」の入るビルが見えてくる。2011年、亀澤比呂志院長が「長年お世話になった恩を地域医療に貢献することで返したい」と熱を入れ開業。専門用語を使わない丁寧な説明とスピーディーな診断・治療の提供をめざしている。院内は白を基調としており、患者がゆったりと過ごせるよう広い空間を取った待合室には、クリーム色のソファーを設置。待ち時間にまで気を配る院長の優しく温厚な人柄と、笑顔が絶えないスタッフとの会話を楽しみに訪れる患者も少なくないという。どんな質問にも真正面から向き合い、真剣に答えてくれる亀澤院長。注力している治療やモットー、今後の展望などについて詳しく聞いた。

(取材日2022年11月25日)

形成外科の経験を生かしたドライアイや眼瞼下垂の治療

医院の特徴を教えてください。

亀澤比呂志院長 かめざわ眼科1

私は大学を卒業後、救命救急センターで1年、大学病院の形成外科に1年いた後に眼科に移りました。形成外科では、外科系のすべての科に共通するケガややけどの痕をきれいにするための治療法や、皮膚の腫瘍の処置・管理などを徹底的に学びました。形成外科での経験とそこで培った技術は、当院の特徴であり、強みであるといえるでしょう。一般的に眼科医院というのは、目自体の病気に力を入れている先生は多いですが、目の周りのまぶたや涙関係の診療を積極的に行っている先生はあまり多くありません。ですが、ドライアイや涙目、眼瞼下垂症、目の周りのトラブルで来院する患者さんは結構いらっしゃるので、当院はそれらの治療に力を入れています。ほかが提供していない分野、そこを強みに診療を行うことが自分たちの役割だと考えて取り組んでいます。

どんな分野の診療が得意ですか?

ドライアイや、まぶたが開きにくくなる眼瞼下垂症は、ずっと興味を持って取り組んでいる分野です。このうち眼瞼下垂症はあまり眼科では扱わない病気ですので、目が開きにくいなどの自覚がある方はぜひ受診してみてください。また、ドライアイはパソコンの普及や、夏も冬も日常的にエアコンを使用する環境の中、最近ますます増えている症状です。さらには、コンタクトレンズを長く装着することでも目の表面の水分が失われ、ドライアイの原因になっています。仕事で液晶画面などを見続ける際には適度に休憩をとることが必要です。また、目を下に向けたほうが乾きや疲れが和らぎますので、スマートフォンなどを扱う場合は、寝ながら目より上に端末を持ってくるような使い方はあまりお勧めできません。

ドライアイの治療で大事にしていることは?

亀澤比呂志院長 かめざわ眼科2

ドライアイは一般的に、「大きな異常が見られないので、目薬で対処しましょう」と、あっさり診療が終わってしまうことも多いようです。たしかにドライアイは、緑内障や眼底疾患などと比べて、症状はあるものの病気として捉えられる部分が少なく、患者さんと医療側の感覚的なギャップが大きくなるという傾向があります。それによって患者さんは病気扱いされない感覚になり、通院しづらくなって、市販の目薬を買うだけになってしまうことが多いのです。そこで当院では、ドライアイの患者さんに対しても詳しくお話を聞き、口頭だけでなく目に見えるかたちで患者さんの満足度と来院するモチベーションを上げようと、症状を紙に書いて確認したり、涙の量を測ってデータを取ったりしています。早期に悪化を防ぐほか、新たな異常を発見するためにも、患者さんに継続して通いたいと思ってもらえる方法を考えることが重要なのです。

専門用語を避けた丁寧な説明で、患者の理解を深める

患者さんとのコミュニケーションで心がけていることは何ですか?

亀澤比呂志院長 かめざわ眼科3

患者さんがどうしたいのか、どうなりたいのかを把握した上で、私の意見も伝えながら、治療の方針を話し合うことですね。治療をスムーズに進めるためには、患者さんにも参加していただくことが大事だと思っています。話をする時も、専門用語を使わないなど、とにかく理解していただくための努力は心がけています。医師が一方的に方針を決め治療を進めるのではなく、患者さんに「ここに来た意味や目的」をしっかり認識していただき、その目的や意向に沿って、患者さんの役に立つ診療を提供していきたいと思っています。

患者さんとの印象に残るエピソードはありますか?

以前に勤めていた眼科医院でのことです。母親に連れられて「少し前から目が見えない」という中学生の男の子が来院したことがありました。調べてみると網膜剥離を起こしており、診断結果を伝えたところ、動転して泣きじゃくってしまったんです。それから2、3ヵ月たち、再び受診してくれた彼は、大学病院できちんと手術を受け、経過も順調だと自信を持って堂々と話してくれました。その後も定期的に通院を続けていましたが、ある時突然、予定外の日に来院し、「やりたい仕事が見つかり、中学を卒業後は就職することになった」と報告しに来てくれたのです。目が輝き、やる気に満ちていたのが強く記憶に残っています。彼は大きなショックを自分の中で乗り越え、入院や手術を通してつらいことに立ち向かっていく自信を持つことができたのだと思います。病気と向き合いそこから何を得ることができるか、彼の話にはそのヒントが隠されているような気がします。

スタッフと患者さんとの関わりも良好だそうですね。

亀澤比呂志院長 かめざわ眼科4

私よりも患者さんの距離が近く、コミュニケーションがよく取れているのはスタッフですね。私はそんなに愛想がいいわけではないので(笑)、私に言えないことがあっても、スタッフになら言いやすいということはあるかもしれません。この辺りは住宅地ですので、年配の方やお子さんを連れたママさんが多く、話したい、話を聞いてほしいという方もいらっしゃるため、私が対応できないときにはスタッフがしっかり耳を傾け、患者さんに満足していただくことは大事だと思っています。私は院長として、スタッフそれぞれが考えながらいいと思うことを素直にやってもらえるような環境づくりに、これからも取り組んでいく考えです。

ニーズに対応し、同院にしかできないことを提供したい

お忙しい中、休日はどのように過ごされていますか?

亀澤比呂志院長 かめざわ眼科5

強いて言えば、草野球ですね。幼い時から野球が好きでしたし、学生の頃にやっていました。働き出してからはなかなか機会がなかったのですが、開業して医師会の野球部に人が足らないからと声をかけられて参加しました。ゴルフをされている先生は多いと思いますが、ゴルフはチームプレイではないですよね。みんなと一緒に何かをするというのは、この年になるとなかなかないですから、そういう意味では楽しいですし、リフレッシュにつながっています。

地域の眼科として、今後の展望をお聞かせください。

ほかの眼科医院でやっていないようなこと、世の中的に供給が足りていない分野があればそれを見つけてやっていきたいと考えています。ドライアイや眼瞼下垂症などもそうですが、この辺りは子どもがたくさんいるにもかかわらず、小児眼科の難しい症例を診てくれるクリニックが少ないんです。ニーズがあるわりには、十分に提供されていない分野だと思っていて……。ですから当院では、月に数回、小児眼科の専門の先生にお願いして来てもらっているんです。私が「多分そうじゃないかな」と想定して試みたことで、患者さんが多く来られると、やはり想像どおりだと自信につながります。今後も、当院だから取り組めることを増やしていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

亀澤比呂志院長 かめざわ眼科6

私は、みんなと同じことをしていてもあまり価値を感じません。眼瞼下垂症の治療に注力しているのもそんな理由からです。また、ドライアイやアレルギーもそんなに珍しい病気ではないのですが、眼科において、患者さんへの提供が十分にできているかといったら決してそうではありません。世の中に足りないもの、自分にしかできない治療をすることが価値につながると考えています。100%満足のいく提供ができるかどうかわかりませんが、来ていただいた方のお役に立ちたいと思っています。目のことで何かお困りのことがある方は、気軽に当院へお越しくださいね。

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