寺田哲治院長の独自取材記事

むつうら駅前歯科

(横浜市金沢区／六浦駅)

最終更新日：2024/02/16

京浜急行電鉄六浦駅東口を出てすぐの場所にある「むつうら駅前歯科」。2006年の開院以来、幅広い分野の診療に対応し、多様な治療ニーズに応え続けてきた。そんな同院は、2018年に現在の場所に移転。アクセスも院内環境もより向上し、一層患者に寄り添う体制が整った。自らを「人に合わせるタイプ」と語る寺田哲治院長が掲げる診療方針は、患者それぞれの希望を最優先すること。移転のきっかけや診療への思いを聞いてみると、「何よりも患者を大切にしたい」という優しい人柄を感じることができた。

（取材日2018年9月26日／情報更新日2月9日）

移転を機に利便性が向上し誰もが通いやすい歯科医院に
診療範囲の広さで十人十色の治療ニーズに応える
一人ひとりの希望を最優先に考え「お手伝い」に徹する

移転を機に利便性が向上し誰もが通いやすい歯科医院に

移転の経緯を教えてください。

移転前、当院は建物の2階にありました。そのため通院するには階段の上り下りが必須で、高齢の方など通うのが大変とおっしゃる方も多かったんですね。そこで、どなたでも無理なく通院できる環境にしたいと考えていたところ、良いタイミングでこの場所が空きまして。2018年8月に移転開業しました。移転後は1階になり、院内もほとんどフラットかつ土足で入れるようにしたので、以前より通いやすくなったと思います。2ヵ所ほど低い段差がありますが取り外し式のスロープが備えつけてありますので、車いすをご利用の患者さんがいらっしゃった際など必要に応じてスタッフが対応します。また診療効率のアップにつながればと思い、ユニットを3台から6台に増やしました。

駅のすぐ目の前でアクセスも良いですよね。

そうですね。六浦駅東口を出てすぐのところにあるので、場所もわかりやすいと思います。加えて診療時間については、水曜以外の平日は夜8時半まで診療し、日曜と祝日も開けています。会社員の方をはじめ、平日の昼間は受診できないという方も多いでしょうから、少しでもお役に立てればうれしいですね。また、これは治療に関することですが、当院では例えば噛み合わせの治療の際などに、整体的なアドバイスを提供させていただくこともあります。

整体的なアドバイスというのは、具体的にどのようなものでしょうか？

私は大学卒業後、新宿区にある飯田橋内科歯科クリニックにお世話になったのですが、こちらでは噛み合わせと背骨のゆがみの関係に着目するなど、歯科治療に、全身バランスの矯正を組み合わせていまして。そこで学んだ経験を、今も治療に反映させているんです。ユニットの上でできることに限られてしまいますが、顎関節症の患者さんに腰に不調が出ていないかを尋ねてみたり、希望があれば簡単な体操を紹介したりしています。

診療範囲の広さで十人十色の治療ニーズに応える

対応している治療について教えてください。

虫歯や歯周病の治療をはじめ、入れ歯・インプラント治療、マウスピース型装置を用いた矯正など、分野に関わらずまんべんなく対応しています。当院には、午前中は高齢の方、午後はお子さん、夕方以降は働く世代の方と、一日を通してさまざまな患者さんがいらっしゃいますので、診療の幅を広く持つことでいろいろな要望を満たせればと考えています。最近はマウスピース型装置を使った矯正のニーズが高まってきているように感じますね。お子さんから大人まで、歯並びに悩む方が多く来院されています。また、以前からご相談が多かった口臭の相談やアドバイスも行っています。

訪問診療も行っているそうですね。

はい。持ち運びのできる「ポータブルユニット」を導入していて、診療が始まる朝の時間や水曜の午後、また月に1度木曜日に、横浜市内のほか横須賀市近辺まで出かけています。もちろん、直接問い合わせがあれば伺いますよ。訪問診療はもともと、移転前のクリニックで階段の昇降がつらくて通院が困難という方のために始めました。それに歩いて行ける距離にも限界がありますしね。その頃、以前当院に勤めていた歯科衛生士が、独立して介護施設を運営することになりまして。「じゃあ、一緒にやろうよ」と私が声をかけ、今は訪問部隊の一員として施設の車で幅広く活動できるようになりました。ちなみに月1回土曜日には、目の不自由な子どもたちが通う学校へ赴き、歯磨き指導を行っています。

本当に幅広く診療されているんですね。

何か一つの分野に特化したり特定の治療を推したりするよりも、口腔外科を含めたオールラウンダーでありたいんです。例えばインプラント治療にしても、こちらから無理に勧めることはありません。悩んでいるようであれば、むしろほかの治療に切り替えます。やはり、歯科医師の立場で良いと思う方法よりも、患者さんが望む治療を最優先に考えたほうが、ご本人の納得が得られるのではと思うんです。それに、痛みが取れればそれで十分という方もいらっしゃいますよね。ですから、そうした多様な意見に応えるには、ある程度の範囲の診療をカバーする必要があるんです。また、これだけインターネットが発達していますから、それぞれの症例に適した治療方法などの情報も比較的容易に入手できます。明らかに間違っていれば指摘しますが、「こうしてほしい」という要望があればそれを尊重し、裏方に徹するのもプロだと考えています。

一人ひとりの希望を最優先に考え「お手伝い」に徹する

患者さんの希望する治療法と医学的に良いとされる治療法が異なる場合は、葛藤もあるのではないですか？

何が患者さんのためになるのかを突き詰めていくと、結局は、いかに満足して帰っていただくかということに行き着くのではないでしょうか。要望をじっくり聞き、その方のニーズをそのまま受け止めて施術を行うことが重要で、歯科医師が満足することを目的にすべきではないと、私は思っています。もちろん、治療中にメンテナンスの仕方などアドバイスはします。しかし、それを選択するのは患者さんです。そのため当院では、「どんな要望にも添うことができる、お手伝いに徹したクリニック」をモットーに掲げています。こだわりがあるとすれば、なるべく歯を抜かないことですかね。自分の歯で食事したほうが、絶対おいしいと思いますから。

たくさん歯科医院がありますが、かかりつけに選ぶ上で大切なことは何でしょう？

何を選択軸にするかは、人によって違うでしょう。痛くない治療かもしれないし、歯科医師との相性かもしれない。ですから、一般的な考えに基づく物差しに当てはめるのではなく、結局はその人が「合う」と感じるクリニックを探すしかないのではないでしょうか。そう考えると、治療技術や設備などのハード面だけではなく、治療を受けてみての満足度や安心感といったソフト面も無視できません。あらゆる意味で「我慢しなくていい歯科医院」を選んだほうが、ストレスをため込まずに済むと思いますよ。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

今後もこれまでと同じように、「痛みを取ってほしい」「噛めるようにしてほしい」など、患者さんによって異なるさまざまなご要望をしっかりかなえられるよう、治療に真摯に向き合っていこうと思います。また、決して無理にご希望以外の治療を勧めたりはしませんが、元の状態に戻すというよりも、さらに良い状態にするというスタンスで診療に望みたいですね。そして、良好な口腔環境を少しでも長く保てるようサポートしていきたいです。そのために、今もそうですが、お一人お一人の口腔状態がどんな経過をたどるかをしっかりと見極め、1週間に1回、1ヵ月に1回、3ヵ月・半年に1回と、その方に適した定期検診の時期をご提案したいと思います。幸い、日々たくさんの方に来院していただいていますので、これからも目の前の患者さんを大切に、自分のできる精一杯の診療を提供していきます。