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相原 道子 病院長の独自取材記事

横浜市立大学附属病院

(横浜市金沢区/市大医学部駅)

最終更新日:2019/08/28

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横浜市立大学医学部を卒業し、同大附属病院での診療経験も長い相原道子院長は、「横浜市民の命を守る最後の砦、という気持ちが非常に強い病院だと思います」と「横浜市立大学附属病院」について語る。長く市民に親しまれ、信頼されてきた期待に応えるため、高度な医療の提供、安全を重視した診療体制、質の高い医療人の育成が同院の基本方針となっている。そして、「ご紹介いただいた患者さんは、どんなに難しい病気でも治療の可能性を探り、できる限り手を尽くすことが当院の役割と考え、実践しています」と相原院長。今後は紹介元となる医療機関との連携を深め、連携病院との協定を通じて医療機能を適切に活用するなど、地域医療との連携もさらに強化する予定だ。また働きやすくやりがいの持てる職場環境の整備にも取り組み、職員のワークライフバランスを整えるとともに、診療面での好影響も期待する。「新しいものを採り入れて発展してきた港町・横浜のように、当院も多様な人材を受け入れ、さまざまな患者さんに対応できる力を磨きたいですね」と将来を見据える相原院長に、同院の診療の特色などを聞いた。
(取材日2016年12月19日)

市民の最後の砦との意識で責任ある診療を

この病院の成り立ちや地域での役割はどのようなものですか?

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当院の開院は1991年で、横浜市立大学の病院としては1954年開院の医学部病院にさかのぼりますが、そのルーツは明治時代にあり、昔から横浜市民の皆さんに信頼され、親しまれてきた病院です。現在は金沢区福浦にある県内唯一の特定機能病院である当院と南区浦舟町にある市民総合医療センターの2院体制で運用しており、各診療科の得意分野を生かすなどの協力体制で、地域の医療機関からご紹介いただいた患者さんを診ています。特に「横浜市民の命を守る最後の砦」という強い責任感を持ち、他の診療所や病院で十分に対応ができなかった難治性の病気、さまざまな合併症で手術が難しい患者さんをご紹介いただいた場合でも、治療の可能性を求めて診療に当たっています。今後は地域の医療機関との連携をさらに強め、当院と診療所の連携に加え、当院と他の病院との連携を図る連携病院協定も結び、病院相互の医療機能を十分に発揮することをめざしています。

横浜市と非常に深い関わりのある病院なのですね。

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ええ、神奈川県内の公的医育機関附属病院は当院と市民総合医療センターで、横浜市はもちろん神奈川県全体の医療に貢献することも大切な使命となります。医学生、看護その他医療関係の学生が実習を行う環境を整えると同時に、毎年非常に多くの医師が当院に入局して質の高い医学教育を受け、診療経験を積んでいるのです。そうして力をつけた医師を関連病院に派遣することが、県全体の医療の質と安全の維持に役立つものと考えます。このほか患者さんの退院後の生活も考えた支援を入院当初から行い、治療を終えた患者さんが住み慣れた地域に戻られ、安心して医療や介護を受けていただくための取り組みも進めています。また当院は1999年に大変深刻な医療事故を起こし、それを深い教訓として医療安全を徹底しました。このため患者さんの安全を第一に診療する姿勢は医師、看護師、その他の医療スタッフ全員に浸透していると感じます。

がんの診療にも力を入れていると聞きましたが。

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当院は地域がん診療連携拠点病院に指定されており、大腸がん、胃がん、肺がんなど日本に多いがんに対して専門的な医療を行う体制を整え、分子標的薬のように厳密な管理が求められる薬も必要に応じて使いながら、地域の医療機関と連携したがん診療を提供します。さらに拠点病院の機能の一つであるがん相談支援部門を設け、がん治療への不安、抗がん剤の作用や副作用など、患者さんやご家族からがんに関するさまざまな相談にもお応えしています。また、がんの治療に伴う痛みや吐き気といった体の症状、不安感や不眠など心への影響に対する緩和ケアは緩和医療部がサポートします。精神科の医師も緩和ケアチームに含まれ、入院でも外来でも精神面でのケアを行うのは当院の特色といえるでしょう。

そのほかの新たな取り組みについて教えてください。

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患者さんの体への負担を軽減するため、内視鏡による検査や手術は以前から行っていますが、手術支援ロボットの導入でより複雑で細やかな手術が可能になりました。内視鏡検査では小腸や大腸でカプセル内視鏡を使った検査も可能です。またWHO・ユニセフが推進する「母乳育児を成功させるための10ヵ条」の条件をすべて守り、母乳育児がスムーズに進むような環境を整えています。こうした診療面以外に研究事業にも積極的に取り組み、例えば日本医療研究開発機構(AMED)が主導する「未診断疾患イニシアチブ(IRUD)」の成人版で、当院は神奈川県の診療拠点病院となっており、診断がつかない病気の診断をつけたり新たな病気を見つけたりする研究に貢献できればと考えています。また先進的な医療をより多くの患者さんに受けていただくため、地域医療機関と連携した治験・臨床研究の拠点となるべく「臨床研究中核病院」の早期認定もめざしています。

最後に院長として病院運営の抱負をお聞かせください。

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患者さんの「最後の砦」となる高度で安全な医療を提供するには、医師、看護師、医療スタッフといった職種同士、職種を越えた協調がとても大切なため、これまで以上に縦横の連絡を密にし、病院の方針を全員に理解してもらえるよう院長からのメッセージを積極的に発信しています。また当院を働きやすく、やりがいある職場にしたいとの思いから、前述した新たな医療への取り組みのほか、新たな機器の導入なども必要に応じて行う予定で、そうした働きがいの充実が患者さんの診療の充実にもつながることでしょう。私もずっと横浜市大の病院で診療してきましたが、いろいろな大学の医師を受け入れる温かさや懐の深さは、新しいものを採り入れて発展してきた港町・横浜との共通点が感じられます。そうした横浜市に根ざした病院として、多様な患者さんを大切に診療し、同時に先進的な研究も進めていくことが当院の役割と考えています。

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