東田 哲博 院長の独自取材記事
おおたかの森駅前クリニック
(流山市/流山おおたかの森駅)
最終更新日:2025/03/07

脳神経外科での診療経験を生かし、自身も家族と暮らすこの地域に医療貢献したいと2024年に開業した「おおたかの森駅前クリニック」の東田哲博(ひがしだ・てつひろ)院長。駅から程近い複合ビルの3階に入るクリニックは、院長の穏やかな雰囲気とリンクする落ち着いた空間だ。内科・外科・脳神経外科と幅広い診療内容で、大人から子どもまで家族ぐるみで頼れることも同院の特徴。院長は開業前に脳卒中の手術に数多く携わり、血管に関わる病気は予防が大切だと痛感したという。その経験から、放置すると脳卒中の原因となる動脈硬化が進行してしまう生活習慣病の管理にも熱心。「若い世代が多いこの街の人たちに予防医療の大切さを伝えたい」と話す院長に、開業の経緯や診療内容、医療にかけるその熱い想いをじっくりと聞いた。
(取材日2025年1月31日)
大好きなおおたかの森に医療貢献したい
グリーンを基調にした優しい雰囲気のクリニックですね。

真っ白だと緊張感を与えてしまいますし、かといってカラフルな院内も落ち着かないと思い、ライトグリーンをメインカラーに据えてリラックスできる空間をつくりました。当院は大人から子どもまで家族ぐるみでかかれるクリニックです。「地域のみんなのクリニック」と思っていただけるように、親しみやすい雰囲気にもこだわりました。また、院内はベビーカーや車いすでも入りやすい広めの造りで、キッズスペースも設けています。ベビーカーと一緒に入れるトイレもあり、お子さんを連れて来るハードルができる限り低くなるよう設計しました。体の悩みなど医療面の相談を気軽にできる、地域のなんでも相談所のようなクリニックをめざしています。
先生は開業までどのようなご経験を積まれましたか?
大学を卒業後、脳神経外科の分野で20年以上国内外の医療機関で経験を積んできました。臨床研修を終えた後に進んだ大学院時代には、先進の手術が行われているアメリカに留学する機会にも恵まれました。帰国後は母校である横浜市立大学の大学病院や関連病院などいくつかの病院に勤務し、主に脳卒中の手術に関わってきました。脳卒中は発症すると治療を施しても助からない方や後遺症が残ってしまう方も少なくありません。もちろん、多くの方を助けるために多くの手術を行うことは、達成感のある日々でしたが、次第に緊急手術で救うよりも病気にならないための予防医療のほうが重要性は高いのではないかと考えるように。特に若い人たちに対して、重い病気の予防と健康管理に重点を置いた医療を提供していきたいという想いを強く持ちました。ただそれは病院に勤める外科医ではなかなか難しく、開業してかなえることにしたのです。
開業の地におおたかの森を選ばれた理由は?

手術経験を積みたいと考えていたときに、縁あって流山中央病院に入職しました。その際に家族と一緒にこちらに引っ越してきたのですが、とても暮らしやすい環境で、若い世代が多く活気に満ちている街であることに驚きました。流山中央病院に8年ほど勤務し、地域のことを知っていくにつれてこの街に惹かれ、「開業するなら流山市で」と考えるようになりました。私が力を入れたい予防医療についても、若い世代が多い街なら早いうちから重要性を伝えられると思ったことも、ここに開業した理由の一つです。大好きなこの地域の発展とともに、クリニックや私自身も成長していきたいと考えています。
予防医療の一環として、生活習慣病の管理にも力を注ぐ
診療内容は内科、外科、脳神経外科を標榜していますが、どのような症状に対応していますか?

まずは一般的な内科疾患として、風邪や胃腸炎といった急性期の症状や慢性疾患の管理など広く対応しています。脳神経外科では頭痛、物忘れの相談、顔面けいれんに対するボツリヌス毒素製剤を用いた治療も行っています。けいれんがてんかんなど基礎疾患による場合は、専門のクリニックを紹介しています。脳卒中の治療に数多く携わってきたことから、血管の病気の診断も得意としていますし、当院を開業する目的でもある予防医療の一環として、生活習慣病の管理も注力している分野です。また、外科の経験を生かし、けがの処置ができることも一般的な内科クリニックとは違うところでしょうか。やけどの処置や切り傷の縫合、頭部打撲を含む外傷の診察も行います。頭をぶつけると心配だと思いますが、専門のクリニックを受診するのはハードルが高く感じる方もいるのではないでしょうか。そういったときにも気軽に相談していただけるクリニックでありたいです。
生活習慣病の管理にも力を入れているのですね。
高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は放置していると、脳卒中の主な原因となる動脈硬化が進行します。長年脳卒中の治療に携わってきて、命に関わる病気の発症を予防するには、血管の病気を管理して予防することが大事だと痛感しました。血管の病気は命が助かったとしても大きな障害が残る可能性も高いことも、予防を重視する理由です。若い世代が多い地域ということもあり、ご自身の健康に関心がない方も多いのですが、将来的に大きな病気にならないためにも予防の大切さを伝えていきたいと思っています。そして、病気でない方も含めて、健康管理に取り組んでいきたいです。
検査機器など院内設備について教えてください。

一般的な内科診療における検査ができるように心電計や超音波診断装置、血圧脈波検査装置、エックス線検査機器、血液検査機器などを取りそろえています。超音波診断装置のエコーは、おなかを映して肝臓や膵臓を診るのに用いていますが、当院では頸動脈を診るときにも活用しています。脳神経外科の立場からすると、高血圧の方や高コレステロールの方、脳貧血、くらくらするという訴えの方には、頸動脈を確認したくなるのです。それにより血管が狭くなっていないか、コレステロールがたまっていないかなどを調べ、脳卒中のリスクを知ることができます。
オンライン診療も取り入れて受診しやすいクリニックに
診療の際、大切にしていることはありますか?

患者さん一人ひとりに向き合って、信頼関係を築きながら診療を行っていくことを大切にしています。感染症が流行する時期は患者さんの数も多くなり、なかなか難しいのですが、できる限りしっかりとお話を聞いて丁寧に対応していきたいと思います。併せて、受診しやすいクリニックであることも大事にしているところです。この地域は働き盛りの世代や子育て中の方も多く、クリニックに来るのが大変という方も少なくないため、オンライン診療も行っています。詳しい検査まではできませんが、お話を聞いた上で薬を処方し、医療機関にかかったほうが良いかどうかのアドバイスもできます。初診の方もオンライン診療は可能ですので、忙しくて受診できない、熱が出てクリニックまで行くのがつらいといったときなどにご利用ください。
先生は休診日をどのように過ごしていますか?
当院は土日が休診日なのですが、これは家族と過ごすためなんです。子どもが家にいる時に一緒に過ごせるように、学校のイベントにも参加しやすいようにと開業時に決めました。一番上の子が中学生で下の子は未就学児ですが、一緒に過ごせるのは今の子どもの時期だけなのではないでしょうか。私が年を取って、仕事も落ち着いたし一緒に遊ぼうと思った時にはもう遊んでくれませんから(笑)。今しかない子どもとの時間を大切にしたいと考えています。あとは、庭いじりが好きなので、天気がいい日は庭の芝生や草花の手入れをしています。自分の健康管理のために、筋力トレーニングやジョギングなどもしていますよ。
最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

大好きなおおたかの森に暮らす皆さんに幅広い診療を提供し、地域医療に貢献したいと思い、当院を開業しました。一般的な診療と同時に、生活習慣の管理を通じて予防医療にも注力していきたいと考えています。健康管理の根管でもある健康診断も、今後はより力を入れていきたい分野です。ほかにも地域のニーズに応えて、医師を増やして診療内容を拡充していくことも今後の目標になるかもしれません。当院は家族ぐるみでなんでも相談していただけるクリニックです。オンライン診療なども行い、忙しい方でも受診しやすいクリニックをめざしていますので、末永いお付き合いをお願いいたします。