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先進機器の活用や個別の指導で
患者の人生が輝く糖尿病治療を実践

芦屋まつおクリニック

(芦屋市/芦屋川駅)

最終更新日:2024/06/14

芦屋まつおクリニック 先進機器の活用や個別の指導で 患者の人生が輝く糖尿病治療を実践 芦屋まつおクリニック 先進機器の活用や個別の指導で 患者の人生が輝く糖尿病治療を実践
  • 保険診療

体内でインスリンが不足して血糖値が高くなる糖尿病。高血糖による諸症状に加え、自覚症状がないまま高血糖が続くと、さまざまな合併症を引き起こす。いったん発症すると治癒が難しいのも糖尿病の特徴で、現在では血糖値の的確なコントロールや、合併症を予防するための治療が行われる。特に1型糖尿病ではインスリン投与が欠かせないが、近年では先進技術を活用した機器も登場。糖尿病を専門とする「芦屋まつおクリニック」の松尾俊宏院長は「患者さんがご自身で、生活に合わせてインスリン量を調節できる治療や指導に力を入れています」と語る。また2型糖尿病の治療でも、患者背景と各薬剤の特色とのマッチングが欠かせないのだという。そこで、それぞれの患者に適した、続けられる糖尿病治療を実践する松尾院長に、詳しく解説してもらった。

(取材日2024年5月28日)

持続血糖測定や具体的な指導で、イレギュラーな血糖値にも患者自身で対応できるインスリン治療をめざす

Q糖尿病には1型と2型がありますがどのように違うのでしょうか?
A
芦屋まつおクリニック 糖尿病は自覚症状のないまま進行するため注意が必要と話す院長

▲糖尿病は自覚症状のないまま進行するため注意が必要と話す院長

糖尿病の9割以上を占めるのが2型糖尿病です。運動不足や食べすぎによる肥満等が原因で、膵臓から出るインスリンが減ったり効きが悪くなったりして、血糖値が高くなります。自覚症状がないまま高い血糖値が続くこともあり、健診などで異常を指摘されても放置している患者さんも珍しくありません。これに対して1型糖尿病では、感染症や免疫の異常、感染症等で膵臓が攻撃され、インスリンが出なくなります。急な高血糖で脱水や喉の渇き、頻尿が起こる他、インスリン不足でエネルギーが吸収できず急激に痩せて見つかることも。子どもの糖尿病では1型が多いのですが、最近では薬物治療による副作用で高齢でも1型糖尿病を発症することがあります。

Q治療の流れについて教えてください。
A
芦屋まつおクリニック 患者一人ひとりに合った治療法を提案

▲患者一人ひとりに合った治療法を提案

糖尿病は一度発症すると治癒が難しく、糖尿病腎症や糖尿病網膜症、心筋梗塞や脳梗塞、神経障害などのさまざまな合併症を引き起こす厄介な病気。ただ、早い段階で血糖値の管理を始めれば合併症の進行抑制にもつながるため、積極的に治療を始めることが非常に重要です。2型糖尿病ではまず食生活の見直しや運動療法に取り組みますが、改善が見られない場合には早めに薬物治療に入ります。以前はインスリンの分泌を促すための薬が主流で、副作用として肥満が問題でしたが、最近普及した薬は体重の減少や、腎臓の保護、心筋梗塞のリスク低下にもつながるのではないかと、個々に異なる強みも。だからこそ各患者さんの背景に合わせた選択が必要です。

Q1型糖尿病では、インスリンの投与が欠かせないと聞きました。
A
芦屋まつおクリニック 皮膚に貼り常時血糖値を測定し、スマホアプリなどで数値を確認

▲皮膚に貼り常時血糖値を測定し、スマホアプリなどで数値を確認

インスリンが分泌されない1型糖尿病では、治療の基本はインスリン注射です。ただ血糖値は食事や運動で変化するので、必要なインスリンの量も日々変動します。ですから生活の変化に合わせて投与量を決める必要がありますが、それをご自身で行うことはかなり難しい。このため患者さんは事前に決めた量やタイミングでインスリンを注射し、高血糖や低血糖を気にしながら行動を制限する、いわばインスリンに合わせた生活を送りがちです。これに対して当院では「いつもはパンを食べるが、おにぎりだったらどのインスリン製剤を何単位打てばよいのか」など、ご自身で投与量を調整できるような、その人に合わせたきめ細かな指導に力を入れています。

Qこちらでは先進機器によるインスリン治療にも対応しているとか。
A
芦屋まつおクリニック インスリン治療だけでなく、食生活指導やフットケアも大切にする

▲インスリン治療だけでなく、食生活指導やフットケアも大切にする

1つは持続血糖測定器で、以前は指先などで採血して血糖値を測定しましたが、今は腕に貼ったセンサーが連続的に皮下のブドウ糖濃度を測定。数値はスマートフォンなどに転送されますので、イレギュラーな血糖値の変化も簡単に確認でき、インスリン量を調整しやすくなりました。さらに最近は、持続血糖測定器とインスリンポンプが連動した機器も登場。必要なインスリン量が自動で計算され、注入も行われます。ただ、インスリンポンプ療法は費用が高額で、ポンプの装着やトラブル対応など、指導する医療機関や患者さんにも高い知識や技術が必要です。ですので母校である兵庫医科大学で導入を行い、当院ではその後のサポートをしたいと考えています。

Qフットケアや食事指導などにも力を入れているそうですね。
A
芦屋まつおクリニック 患者のライフスタイルにも考慮した治療を心がけている

▲患者のライフスタイルにも考慮した治療を心がけている

糖尿病で足の爪の肥厚や皮膚症状、神経障害による感覚障害が起こることも。さらにご高齢になるとご自分では爪を切りにくく、傷がつくとそこから感染して大きなトラブルになることもあります。ですのでフットケアでは足の感覚のチェックやうおのめなどの確認、爪切り、ご自宅でのケアの説明なども行います。また食事に関しては管理栄養士などが詳しくお話を聞き、具体的なアドバイスをします。糖尿病では、私たちが患者さんの生活やお人柄を深く知り、一人ひとりの個性や価値観に合わせた薬物処方や生活指導を行って、治療を続けてもらうことが大切です。スタッフもそういう思いを持ち、患者さんと丁寧に向き合ってくれています。

ドクターからのメッセージ

松尾 俊宏院長

患者さんの性格や暮らしに密着し、また将来をも見据えながら行う糖尿病の治療は、患者さんの人生そのものを見る治療だと考えています。だから患者さんと話し合い信頼関係を築き、「この人に受け入れ続けてもらえて、人生がより良くなる治療は何なのか」を模索。食事指導から先進の治療まで、患者さんごとに異なる治療をご提案します。1型糖尿病でインスリン量の調整指導に力を入れるのも、治療に制限されない生活や人生を送ってほしいからです。またご高齢の患者さんでは、人生の最期に目を向けることも必要です。そのために、ご家族とは日頃からコミュニケーションを取り、患者さんにとってより良い治療を一緒に考えていきたいと思います。

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