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小川 智子 院長の独自取材記事

長者町ファミリークリニック

(横浜市中区/伊勢佐木長者町駅)

最終更新日:2019/12/18

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中国出身で留学生として来日した「長者町ファミリークリニック」小川智子院長。一度医療職から離れたが、体調を崩し入院生活を経験したことをきっかけに、医師に戻ろうと8年をかけて日本の医師免許を取得したのだそう。同院では、内科や漢方の外来診療、在宅医療に携わる。自らの経験から、患者の話を傾聴し、患者の立場での不安の解消を重視していると語る。生活習慣の問題点を聞き出し、患者の10年後を考えてアドバイスする内科医師としての真摯な姿勢も印象的だ。「日本の人は遠慮がちだから、本当の気持ちを頑張って読み取ります」。楽しいおしゃべりと優しい笑顔をトレードマークに、子どもから高齢者まで幅広い患者に信頼される小川院長に、日本で医師となるまでの経緯や、日々の診療について話を聞いた。
(取材日2019年1月11日)

患者の気持ちを大切に、漢方診療や在宅診療に取り組む

まず、医師を志したきっかけや来日した経緯を教えてください。

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私は中国の上海市生まれです。父が医療職であったことや、高校生の時、足の骨折を治療してくれた医師に憧れたことから、医師になりたいと思うようになりました。医学部卒業後、6年間研修医として内科のさまざまな分野で勤務しました。その後、呼吸器内科に進むか、アメリカ又は日本に留学するか迷いましたが、結局日本を選びました。恩師の教授も日本留学経験がありましたし、当時は、日本の映画がとても人気で、日本留学がブームになっていたのですよ(笑)。1992年に日本に来て、日本語学校で勉強しているときに、夫と知り合い結婚しました。

日本で医師になった経緯についても教えてください。

中国での研修医時代はとても忙しく、来日後も日本語学校とアルバイトで忙しい日々を送っていたのですが、結婚して専業主婦になったので、急に暇になってしまいました。夫は朝早く出かけ帰りも遅かったですし、友達もいなくて、私は自分が社会から必要とされない人間になったと思い、うつ状態になってしまったのです。そんなときに、日本の食べ物にも詳しくなかったため、加熱しなければならない豚肉を生で食べてしまい、腹痛を起こしました。内科や婦人科、外科などをまわりましたが、原因がわからず、5軒目でやっとイレウスと腹膜炎と診断されて入院したのです。点滴を受けながら、私は本来、白衣を着て診る側の人間だったのにと違和感を感じ、「もう一度絶対に医師になりたい、優しく患者さんの声を聞けるプライマリーな医師になりたい」と思いました。それから、横浜市立大学医学部の付属病院などで研修し、8年かけて日本の医師免許の資格を得ました。

その後、在宅診療なども経験して、こちらの院長になられたのですね。

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横須賀共済病院での研修後、日中友好病院で内科や漢方の診療に携わり、さらに在宅医療を専門に行うクリニックで副院長を務め、2018年にこちらの院長に就任しました。ここは2015年に開設されたクリニックです。私が担当しているのは、内科の外来と在宅医療が中心で、漢方の診療も行っています。皮膚科は専門の医師が外来診療を行うなど、幅広い診療に対応できるのが特徴です。患者さんの9割は日本人で、1割は中国、フィリピンなど外国の方です。外来に来られるのは、子どもから大人の方まで幅広い年代の方で、97歳で歩いて来られる方もいらっしゃるんですよ。在宅医療は、中区から西区、南区、磯子区、金沢区などのエリアに対応しています。

生活習慣病の管理から、在宅での看取りまで幅広く対応

外来診療について教えてください。

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風邪や腹痛などから、生活習慣病など慢性疾患の管理も多いですね。生活習慣病は、よくお話を聞いて生活の中の問題点を見つけるように心がけています。例えば、家族の介護で忙しくてパン食が多く、バターなどの取り過ぎで高血圧になる人もいます。そこを聞き出して、食生活の改善をアドバイスするわけです。100人に話をすれば、そのうち70人は高血圧が改善できるかもしれない。目には見えないけれど、その方の10年後は必ず違ってきます。それが私たちの喜びですね。外科の手術などと異なり、すぐに患者さんに感謝されることはないことですが、それがプライマリケアの喜びと感じています。

在宅医療についてもお聞かせください。

在宅医療では、一般的なご家庭や施設などさまざまなところに行きます。社会の裏側のような面を感じることもあります。中華街など中国人の家庭に伺うと、中国語が通じるのでやはりホッとしますね。在宅医療で最も難しいのは、看取りについての考え方をまとめることです。ご家族の考え方もさまざまですし、時間に制約があるので難しいところですが、機会を見つけてご本人やご家族と話をして、ご本人の元気なときの価値観なども聞き出し、皆さんにとってより良い方向を見出したいと考えています。最後はご家族に決めていただきますが、1回では決められないですし、重い話ですよね。

診療する上で大切にされていることは?

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自分が病気をした時の経験から、傾聴が大切と気づき、患者さんの話をよく聞くようになりました。そして、患者さんの目線になって、最も不安なことは何かと考えることを重視しています。日本の人は遠慮しがちなので、本当の気持ちを頑張って読み取るようにしているのです。何度か話を聞く中で、やっとその人の本当の考え方がわかる場合もありますね。人間にとって大切なのはコミュニケーションだと思います。特に高齢の方の場合、介護する人は入浴や食事の介助に追われ、コミュニケーションの介助をする余裕がないのです。楽しく話していると、患者さんもよい笑顔になられますから、できるだけお話をする時間をとるように心がけています。

子どもから高齢者まで、誰でも相談できる窓口をめざす

ところで先生の趣味や健康法は?

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趣味はテニスです。ウォーキングもとても好きで、在宅医療に出かける時はなるべく駅まで歩いたり、ランチに遠くのお店まで行ったりして1日1万歩を歩くようにしています。歩くとリラックスできますし、健康にも良いですよね。患者さんにも、前を歩いている人を5人抜かすぐらいのスピードで歩きましょうとアドバイスしています。

日本で医師となり、どのような感想をお持ちですか?

日本に来なかったらどういう人生になったか、想像できないですね。波はありましたが、充実して楽しかったですし、日本に来てよかったと思っています。言葉の壁はありますが、顔をしっかり見て、繰り返し話をするとだいたい通じます。どうしてもニュアンスが伝わらない時は、「大丈夫ですよ」とハグするなど、ボディランゲージも使ってコミュニケーションしていますよ(笑)。院長としては、すべてスタッフのおかげと感謝しています。スタッフそれぞれの才能や長所を生かしながら乗り切っているという感じですね。在宅医療についても、以前から勤務しているスタッフは、私より患者さんのこともよく知っているので、いろいろ教えてくれて助かっています。

今後の展望についてお聞かせください。

もっと地域の方たちとコミュニケーションをとり、気楽に健康について相談してもらえるような機会をつくりたいですね。もう少し時間に余裕ができたら、地域の方と一緒に運動したり、ケアマネジャーさんなどとも気軽に話せたりする場がほしいなと思っています。また、昨年から在宅医療の一環として理学療法士による訪問リハビリテーションを始めました。ADL、つまり日常生活動作のレベルが上がると転ぶリスクが減り、寝たきりも防げるようになるので活用していただきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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当院は、駅に近くて便利で、内科だけではなく、皮膚科や消化器科などの外来診療も行っていますので、気楽な相談窓口と思っていただければと思います。子どもさんから在宅医療まで、何でも気軽にご相談いただきたいですね。漢方診療も行っていますので、何か不快感がある、原因がわからない、さまざまな診療科で解決できなかったというような方のお役にも立ちたいと思っています。私は病気をきっかけに医師に戻り、再び忙しい毎日を過ごしてきました。女性の30代から50代は、変化が多くて大変な時期だと思いますが、最も充実して楽しい時期かもしれません。のんびりしたいと思われる方も多いでしょうが、なるべくプラス志向で、人生を楽しもうという姿勢で子育てや仕事をこなしてほしいと思います。そして、体のことで気になることがあれば、当院にご相談ください。

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