赤ちゃんと母親の健康を見守る
愛情を育む「妊婦健診」
IRISレディースクリニック神泉
(目黒区/渋谷駅)
最終更新日:2023/07/31


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「おなかに赤ちゃんがいますね」。そう医師に告げられた時、あなたはどんな気持ちになるだろう。これまで経験したことがないような喜びと同時に、これから始まる妊娠生活、出産、子育てに思いを巡らせ、一気に不安や心配事が押し寄せてくるかもしれない。まずは10ヵ月の妊娠期間を乗りきり、無事に赤ちゃんを産むために欠かせないのが「妊婦健診」だ。「IRIS(アイリス)レディースクリニック神泉」の高橋由佳院長は、周産期を専門とするドクター。妊娠初期から後期の妊婦健診を担い、医療連携する分娩施設へつなぎ産後の相談にも乗る、妊娠から産後まで親身になって支えてくれる伴走者でもある。知っているようで実はよく知らないことが多い「妊婦健診」について、高橋院長に詳しく聞いた。
(取材日2023年6月22日)
目次
約14回の妊婦健診、その一つ一つに意味がある。おなかの中の命を感じながら、少しずつ親になっていく
- Qそもそも妊婦健診はなぜ受ける必要があるのでしょうか?
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A
▲プライバシーに配慮した清潔感のある診察室
多くの方が何事もなく妊娠生活を送られると捉えがちですが、妊娠出産は奇跡なんです。普段は健康な方でも、ひどいつわりや妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、切迫流早産などリスクの高い状態に、いつ誰がなってもおかしくありません。私自身も妊娠中に入院した経験があり、「妊娠をなめたらいけない」と強く思います。妊婦健診の大きな目的は、お母さんと赤ちゃんの健康を定期的にチェックしていくこと。体重や血圧の測定、超音波検査、尿・血液検査、感染症検査などを行いながら、羊水の状態はどうか、胎児の発育はどうかなど妊娠週数に応じて確認しながら出産まで慎重に見守っていきます。約14回の妊婦健診、その一回一回に意味があるんですよ。
- Q妊婦健診において、院長が特に大事にされていることは何ですか?
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A
▲心身の些細な変化を察して丁寧に診察する
医学的に問題なく経過しているか、母子ともに慎重に診ることと同時に、妊婦健診はお母さんがおなかの中の赤ちゃんに2週間ぶり、4週間ぶりに会える大切な時間でもあります。特に胎動を感じるまでの期間は、赤ちゃんが元気かと心配でたまらないでしょう。超音波検査中に私が無言でモニターを見ていると、お母さんは不安になってしまいますから、「今、心臓を見てますよ」などとお話ししながら、赤ちゃんの心拍の音を一緒に聞いてもらったり、胎児が動く様子を見てもらったりと、おなかの中の命を感じていただけるような時間にしたいと思っています。そんな小さなことの積み重ねが、お母さん、お父さんになる準備のお手伝いになれたらと思います。
- Q4Dエコーも導入されていますね。
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A
▲4Dエコーで妊娠中から親子の愛を育む
かわいい赤ちゃんの様子をリアルタイムでより鮮明に立体的に見ることができるので、私もとても楽しみなんです。検査によって「耳の大きいところが夫に似てる!」などうれしい気づきにつながったら私もうれしいですね。エコーをしながら、私は同時に医学的な異常がないかもチェックしています。当院では健診の度に4Dエコーを行い、写真をプレゼントしています。エコー動画は配信サービスを利用して、ご家族と共有することもできますよ。また、当院は分娩には対応していませんが、里帰り出産する病院や医療連携している病院の許可があれば、妊娠32~34週頃までの妊婦健診を行います。
- Q妊娠のことで、皆さんに知っておいてほしいことはありませんか?
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A
▲妊娠から出産までしっかりサポートしてもらえる
まず妊娠したかな? と思ったら、早めに産婦人科を受診してほしいということです。子宮外妊娠などの異常妊娠でないか、確認する必要があります。そして妊娠初期の流産についてですが、全妊娠の約15%が流産となり、その8割以上が妊娠12週未満に起こります。流産したり、それが続いたりするとお母さんは自分を責めてしまいがちですが、その原因で最も多いのは赤ちゃんの染色体の異常。これは受精卵の問題で、お母さんのお仕事や運動が原因ではありません。妊娠中の赤ちゃんの健康について心配なことがあれば、詳しいご説明をすることもできますので、ぜひご相談ください。
- Q妊娠・出産について、適切な知識を持つことが大事ですね。
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A
▲患者に寄り添い、心強い味方となる高橋院長
それはお父さんになる方にも言えます。妊娠中や特に産後、女性は気持ちが不安定になりやすくなります。長い妊娠生活を経て、出産という一大イベントが無事に終わったら休む間もなく子育てが始まります。皆さん、本当に一生懸命によく頑張っていると思います。出産が2回目、3回目の場合も注意が必要です。子育てしながらの妊娠で自分でも気づかず無理をしていたり、母体の年齢が上がってリスクも高まったりしています。「2人目だから大丈夫だろう」と思いがちですが、そんなことはありません。お母さんをいたわりながら、お父さんとしての役割を果たしてくださいね。たまにお母さんが一人になれる時間をつくってあげると喜ぶかもしれませんよ。