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植村 浩行 院長の独自取材記事

植村小児科・内科

(大田区/大森駅)

最終更新日:2020/04/01

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JR大森駅より徒歩5分。にぎやかな駅前の商店街を抜けると、まもなく「植村小児科・内科」が見えてくる。同院は入新井第一小学校前の交差点沿いにあり、わかりやすい。院内は小児科らしくおもちゃや絵本がたくさん。診察室にも人形がいくつも飾られていた。「子どもたちがくれるんですよ」と言って目を細めるのは、院長の植村浩行先生。子どもの目線に立ち、子どもが話すことに身を乗り出す。院長のそんな姿勢が人気の秘密だろう。インタビュー中も常にまっすぐ目線を合わせる姿に、なるほどとうなずけた。迎えてくれるスタッフの雰囲気も温かく気持ちがいい。最近、子どもに増えている病気の情報や、長年の小児科の医師としての経験を生かした話を聞いた。
(取材日2011年10月28日)

小児科の医師として、重症かどうか最初の見極めが重要

開院までの経緯を教えていただけますか?

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2006年、当時勤めていた牧田総合病院(大田区大森)で小児科や皮膚科、心療内科が閉鎖されることになり、該当する診療科に在籍していた先生と一緒に独立することになったのが開業のきっかけです。小児科と皮膚科、それにマッサージ・鍼などの部門を併設して医療法人を設立したんですが、結局、1年半くらいのちに、それぞれが分かれ、私も当院を開くことになりました。現在は、当院での診療のほかに、東邦大学の夜間診療のお手伝いに行ったり、医師会の活動などに参加して自分自身のスキルアップに努めています。

先生のご出身はどちらですか?

私はもともと鹿児島の生まれなんです。高校卒業後、大学浪人をした際に上京したんですが、その時に住んでいたのがこの地域でした。岩手大学の大学院を出た後、最初に勤めたのも大森にある牧田総合病院でしたので、そういう意味では土地勘もあり、第二の故郷のような感覚ですね。実は、最初から医師をめざしていたわけではなかったんです。漠然とジャーナリストのような仕事に就きたいなどと思っていました。それが、上京した際に、医師をしていた叔父に勧められ、この道を志すようになりました。叔父は、牧田総合病院の院長でもあり、医学部を出た後の職場を与えてくれましたし、小児科という選択肢も示してくれるなど、私の人生の中で大きな道筋をつけてくれた人物ですね。

患者さんはどのような方が多いですか?

一般的に小児科の対象年齢は15歳までですが、当院では内科も診ていますので、さまざまな年齢の患者さんがいらっしゃいます。小さいお子さんだけでなく、いわゆる生活習慣病に関わる成人の患者さんなども大勢います。ほとんどは地元の方たちですが、クチコミでいらっしゃる方もいますし、牧田総合病院時代に診ていた子どもの患者さんが成人し、こちらに来てくれることもあります。

先生の得意な分野はなんでしょうか?

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全般的に偏りはないつもりですが、強いて挙げるとすれば、インフルエンザなどをはじめとする感染症と、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患についてですね。ただ、いずれの場合でも、小児科の医師にとって重要なのは、重症であるかどうかの最初の見極めです。同じような発熱に見えても、それほど心配のいらないケースと、ただちに本格的な措置が必要なケースとがあるわけです。また、子どもは急変する恐れもあります。それを見逃してはいけません。先日も、来院した子を川崎病と診断し、東邦大学の病院に紹介しましたが、合併症が現れる前に早期に発見できたことを感謝されました。こうした対応には知識も必要ですが、経験が問われると思っています。

子どもには何より十分な睡眠と栄養が大切

小児科における最近の傾向は何かありますか?

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子どもに関しては、入院を伴うような重い喘息や腎炎などが減ってきていると感じています。呼吸器疾患の中でも、肺炎のさらに進行した病気である肺化膿症などは少なくなってきているのではないでしょうか。これは、現代は食生活も良くなり、環境も衛生的になり、また、病院にもすぐかかることができるようになったためだと思われます。

病気に対して子どもが強くなったということでしょうか?

一概にそうは言えないと思います。最近は、何でもきれいにするようになっていますが、あまり抗菌を意識しすぎると、免疫力にも影響が出るでしょうね。むしろ、子どもが遊びで汚れたりしていても、それほど気にしないことが大切です。通常、子どもは、小学校の高学年から中学校にかけて体力と免疫力が高まり、一般的な感染症にかかりにくくなってきます。この間、実際に病気にかかることによってできてくる免疫も原因のひとつになるでしょう。これは、ワクチンなどによって生じる受動免疫に対して、能動免疫と呼ばれるものです。

では、現在、子どもが気をつけた方がいい病気はありますか?

意外と事例が多いのは、マイコプラズマ肺炎です。小学生に多い病気の1つですね。これの予防は、基本的な手洗いにうがい、規則正しい食事、そして休息です。生活を乱さないのはなかなか難しいですが、夜更かしが原因になることもあります。睡眠は、小学生であれば8〜10時間、就学前の子どもであれば10時間以上は必要です。人間には、生まれてくる細胞とは逆に、体の状態を良好に保つために積極的に管理された細胞の死というものもあり、それをアポトーシスといいますが、この生と死のバランスが重要なのです。このバランスのためにも、睡眠と栄養を十分にとることが大切なんです。

患者さんへの接し方で心がけていることはありますか?

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じかに接する時には同じ目線でいるように心がけています。そうすれば子どもは怖がりませんよね。人懐っこい子もそうでない子もいるので、具体的な接し方はそれぞれ様子を見てからになりますが、原則としてよく話しかけるようにしています。最初は病気のことではない話題を持ちかけ、さらに、子どものほうから何か話してくれる時には、こちらも興味を持って聞く姿勢を大切にしています。医院全体としても、「親切・愛情・丁寧」をモットーに診療に臨んでいます。母校の大学では、「医者は算術ではなく仁術」であると教わりました。これを受けて、私も、‟医者と患者“ではなく、自分の家族を診るような感覚を常に意識しています。

患者から「生きる」ことへの執着を学ぶ

先生が影響を受けた方はいらっしゃいますか?

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多くの方に影響を受けたと思いますが、私にとって最も大きな影響力を持っているのは、患者さんです。「生」に対する執着というか、病気を治したいという強い思いに接するたびに、さまざまなことを教わりますね。まだまだたくさんの勉強を重ねなければならないと思うのも、多くの患者さんに出会い、多くの病状に触れてきたからです。

ご自身が医師になった当初と比べて、考え方などに変化はありますか?

経験を重ね、歳をとるにしたがって、柔軟な考え方ができるようになってきたと思います。1つの病気に対し、いくつものケースを想定しつつ診療にあたることができるようになってきました。問診というのは、自分の考えと患者さんの訴えを符合、マッチさせることです。患者さんが何を訴えたいのか、きちんとくみ取れる聞き上手でなくてはなりません。病気は理屈よりも治すことが肝要です。最優先は治癒。こちらで難しいと判断したら、時期を失わないうちにすぐ大きな病院へ紹介し、診てもらうようにすることも大事な役割だと考えています。そういう意味での柔軟さも必要ですね。

先生ご自身の健康法はなんですか?

運動ですね。趣味のゴルフを定期的にやっています。ゴルフは歩きますからね。1回コースをまわれば、10キロくらいは歩くんじゃないでしょうか。時間のある時には毎週のように行きますし、少なくとも月に2回くらいは機会がありますので、これが健康の土台になっていると思います。あとは、食べ過ぎないようにしているくらいですね。カロリーコントロールもしていて、ピーク時には68キロあった体重を、カロリーを2割カットすることによって58キロにまで落としました。

今後の展望について教えてください。

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体の続く限りは地域の子どもたちやお年寄りのために役立っていきたいと思っています。そのためにも、自分の技術や知識、経験を上積みするとともに、来院しやすい雰囲気づくりを心がけたいですね。患者さんに対しては、あくまでナチュラルな対応をし続け、これからも愛情を持って丁寧に診療していきたいと思っています。

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