たかが不眠と侮れない
糖尿病や動脈硬化につながる睡眠障害
あおやま睡眠・内分泌クリニック
(港区/青山一丁目駅)
最終更新日:2023/07/27
- 保険診療
- 自由診療
寝つきや中途覚醒、日中の眠気など、睡眠に関する悩みはさまざまだ。「あおやま睡眠・内分泌クリニック」の和合健彦院長は、このような睡眠の悩みを放置することに対して警鐘を鳴らす。睡眠が浅いと高血圧など生活習慣病の一因となる。それらは動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞といった血管の病気につながりかねない。気がつかないうちに睡眠時に呼吸が止まっている可能性もあるため、睡眠障害では問診と自宅での検査結果をもとに診断を行う。保険診療にて、睡眠時の呼吸状態を測る簡易検査と、加えて脳波を測る精密検査の2段階。期間や手間が気になる働き世代の要望に応え、自由診療での睡眠脳波測定も選択可能だ。「たかが不眠と放置してはいけません」と話す和合院長に、睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群について話を聞いた。
(取材日2023年2月24日)
目次
睡眠の悩みは放置せずにすぐ受診。生活習慣病や動脈硬化の原因は「睡眠」にある可能性も
- Q睡眠障害とはどのような症状を指すのでしょうか?
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A
不眠症とは何らかの睡眠障害により、日中に弊害が出ることを言い、寝つきが悪い「入眠障害」、寝ても途中で起きてしまう「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などがあります。不眠症の原因はさまざまで、ストレス、体の病気、心の病気、薬物、生活習慣、環境などがあります。睡眠時無呼吸症候群、概日リズム睡眠障害、むずむず脚症候群が不眠につながることもあります。このように睡眠に関連する症状をまとめて睡眠障害といいます。ご自身で睡眠時のいびきや息苦しさや感じる方、ご家族にいびきを指摘されて来院される方も多いですね。
- Q検査の流れについて教えてください。
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A
まず症状について伺い、眠気や不眠程度を数値化します。睡眠障害の場合は原因を調べますが、まずは頻度の多い睡眠時無呼吸症候群の確認が必要です。ご自宅に郵送された簡易用のキットで検査を行っていただき、結果を解析します。また睡眠時無呼吸症候群の方の多くに糖尿病や脂質異常症などが見られるため、併せて採血も行います。これらの結果から睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、さらにご自宅での精密検査である睡眠ポリグラフ検査(PSG)に進みます。その結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されれば睡眠中の気道を広げるCPAP療法導入の相談となります。それ以外にも原因が考えられるならば、その疾患の検査・治療を行います。
- Q自宅での検査とはどのようなものですか?
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A
簡易検査ではセンサー類を最小化した小型の検査機器を用います。指や腕などに装着して、睡眠時の無呼吸やいびき、血中酸素などの状態を測る簡易検査を測るものです。精密検査で使う検査機器はもう少し複雑になりますが、手順書が同封され、サポートセンターもありますのでご安心ください。精密検査では簡易検査に加え脳波などを測り睡眠の質を見ます。以前は精密な睡眠ポリグラフ検査(PSG)には入院が必要でしたが最近ではご自宅で行えるようになりました。これらが一般的に行われる睡眠時無呼吸症の検査の流れで、採血も含めてすべて保険診療となっております。
- Q睡眠時無呼吸症候群の原因について教えてください。
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A
睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に何度も呼吸が止まってしまう症状を指し、中枢性のものと末梢性のものに分けられます。中枢型の原因は、呼吸に関する脳内の機能がうまく働かないことによるものです。末梢型の原因は、空気の通り道である気道が塞がり、物理的に空気が通りにくくなることによるものです。ほとんどの方は末梢型ですが、中には両方を併発した混合型の患者さんもいらっしゃいます。気道の閉塞の原因は、肥満、扁桃腺の大きさ、顔の形、加齢による筋力の低下、飲酒によるむくみなどです。CPAP療法などで空気の通り道をつくることが必要です。
- Q睡眠障害を放置することによる悪影響はありますか?
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A
日本人の死亡原因で上位を占めるのは、がんと老衰を除けば動脈硬化から引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞といった血管の病気が多いのです。動脈硬化を引き起こすのは、高血圧や糖尿病、肥満やストレス、高コレステロール血症や高尿酸血症など。これらをたどると「睡眠」に行きつくのです。睡眠障害により交感神経の高ぶりから血圧が上がり、血糖コントロールなども悪化してしまいます。日中のパフォーマンスも落ちるのでストレスも感じますよね。さらに人間の体調を整える「成長ホルモン」は深く眠っている間に分泌されるのですが、睡眠障害により十分に分泌されません。肌の修復・再生にも影響しますから、美容的な面でも重要です。
自由診療費用の目安
自由診療とは睡眠脳波測定/3万5000円~