医療法人財団中島記念会 大森山王病院

戸金隆三 理事長

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大森駅の西口に出ると、道の両側にアーケードの商店街が続いている。その商店街を左に向かって歩くこと約8分、地元の商店に並んで「大森山王病院」が現れる。同院は内科に特化した病院で、訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所を併設し、在宅医療に力を注いでいる。院長の戸金隆三先生は開業医の時代から在宅医療に取り組み、その姿勢を見込んだ先代理事長に後を託されたという。「自宅で最期を迎えたいと望む人が8割なのに、実際には病院で亡くなる人が8割という逆転現象をなんとかしたい」と話す院長のもと、さまざまなスタッフが日々奮闘している。その試みや病院の理念について、話をうかがった。
(取材日2015年9月9日)

「人生の最後を自宅で迎えたい」という希望を叶えるために

―こちらは内科に特化した病院ですね。

1933年の設立当時は東京でも2番目に古いくらいの小児科専門の病院でした。その後内科が併設され、産婦人科などがあった時期もあったのですが、2002年からは内科に特化した今の形になりました。内科、循環器、呼吸器、消化器、糖尿病の各科があり、入院あるいは外来で人工透析も行っています。2004年には訪問看護ステーション、2006年には居宅介護支援事業所が併設され、2010年に在宅療養支援病院の届け出をしています。外来の機能もありますから、急性期の若い方もお見えになりますけれど、患者さんのほとんどが地域のご高齢の方です。大学病院などが短期間に集中して治療を行う機能を負っているとしたら、我々は「地域のコミュティホスピタル」として長期にわたって患者さんを診ていくのが役割だと思っています。

―在宅医療に力をいれていらっしゃいます。

世の中に先駆ける形で、私が赴任した2003年前後から取り組み始めました。もともと私は鶴巻温泉病院の院長を務めていたのですが、在宅医療をやりたいと思い、地元大森に帰って開業し、地域の在宅医療に力を注いでいました。3年ほど経って、先代の理事長さんから病院の継承を依頼されて、それではこちらでさらに力をいれていこうとお引き受けしたのです。

―なぜ在宅医療をやりたいと思われたのですか。

1991年の産経新聞の記事がきっかけでした。そのアンケートによれば、8割の方が人生の最期は自宅で迎えたいと望んでいるんですね。ところが実際はどうかといえば、これは今も変わらないと思うのですが、病院で亡くなる方が全体の8割で、希望とは逆転していました。だとしたら、そのギャップを埋め、希望を叶えて差し上げるのも我々の仕事かなと思ったのです。これも数字が出ていますが、終戦直後1950年には8割以上の方が自宅で亡くなっていました。ところがだんだん病院が整備され、医療技術が進歩してくると、病院で亡くなる方が増え、1975年に数字が逆転します。その差はどんどん開いて、今は「病院で」が8割に達しているわけです。

―最近一般病棟が地域包括ケア病棟に切り替わったそうですが。

2015年の9月1日から、病床60床のうち一般病棟だった25床が地域包括ケア病棟に変わりました。地域包括ケア病棟というのはひとつは急性期を経過したけれど、引き続き入院治療が必要な患者さんを受け入れる機能、もうひとつは在宅の患者さんが肺炎を起こした、あるいは熱中症にかかったというときに受け入れ体制を持つのが役割です。ちなみに残りの35床は療養病床となっていますが、療養される患者さんの場合も、地域にお返しすることを重点に置いています。急性期の治療が終わったら、リハビリテーションをして、スムーズにご自宅に帰っていただけるように、サービスを提供しています。

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