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大西 俊正 院長の独自取材記事

上大岡仁正クリニック

(横浜市港南区/上大岡駅)

最終更新日:2021/10/28

大西俊正院長 上大岡仁正クリニック main

横浜市立大学で透析治療の黎明期から診療に携わってきた「上大岡仁正クリニック」。大西俊正院長が、地域で専門的な透析治療を提供できる施設が必要と1980年に開業したクリニックだ。医療法人を設立し、4つのクリニックと入院設備を備えた横浜じんせい病院を開設し、横浜市南部、横須賀市エリアの透析治療を総合的に担う。患者の負担軽減をモットーに、送迎サービスを導入するなどきめ細かい対応を心がけるのも特徴。また透析治療が必要にならないようにすることも大切と、生活習慣病診療や予防医療にも注力する。大らかな笑顔と気さくな人柄で、幅広い患者に慕われることが納得できるドクターだ。多くの医師やスタッフを率い、地域医療に貢献する大西院長に、クリニックの特徴や治療に対する思いを聞いた。

(取材日2019年2月13日)

透析治療をはじめ、専門的な診療や検査を身近に提供

医師を志したきっかけを教えてください。

大西俊正院長 上大岡仁正クリニック1

私は香川県で生まれ育ち、子どもの頃は腕白坊主で野球やテニスに打ち込んでいました。大学受験の時は考えがまとまらず医学部と法学部を受験し、結果的に医学部に進学することを選んだのです。そこから医師という仕事について考えたのですが、学ぶうちにとても大きなやりがいを感じるようになりました。そして医学の基本である内科に惹かれ、高血圧や腎臓循環器を中心とした医局へ進みました。一生懸命、研鑽を積みましたが、大学での研究は真理の探求なので、実際に肌のぬくもりや人間の思いやりを身にしみて感じることは少なかったですね。患者さんとのつき合い方などは、開業して地域医療に関わるようになって、より深くわかったように感じます。

その後、開業までの経緯は?

神奈川県立成人病センター(現・神奈川県立がんセンター)での勤務を経て、大学病院での透析室を他の医師と協力して立ち上げ、透析治療に携わるようになりました。しかし当時、横浜周辺には当該エリアの患者さんを抱えられるだけの透析設備は整っておらず、大学病院で対応しきれない患者さんの受け皿をつくるべきだと考えるようになったのです。大学病院と連携しやすく、なおかつクリニックの運営が成り立つ地域と考えて、上大岡という選択肢にたどりつきました。人工透析の患者さんは日常的に通院する必要がありますから、交通のアクセスがよく、駅の近くというのが条件なんです。1980年にこの近くで開業し、その後、再開発で移転となったので、2007年にこのビルに入居しました。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

大西俊正院長 上大岡仁正クリニック2

開業当初は透析施設がメインでしたので、一般外来は地域へのサービスのように考えていましたが、今では一般外来にも多くの患者さんが来てくださるようになり、利便性の高いクリニックとしてこの地に根づくことができているようでうれしいですね。透析以外も、大学病院と遜色のない専門的な診療を地元でご提供したいと考えて、大学病院の医師の外来診療日も設けています。専門的な医師と綿密な連携をとりながら治療を行っていますので、総合的な視点を持って診療できていると思います。また64列マルチスライスCTスキャンや超音波、内視鏡、睡眠時無呼吸症候群や骨密度の検査機器など、専門機関と同レベルの医療機器も整備していますので、企業の健康診断の利用も増えています。

患者に合わせて柔軟に対応。災害時の治療も視野に

こちらのクリニックの透析治療について教えてください。

大西俊正院長 上大岡仁正クリニック3

透析患者さんは治療と一生つき合うわけですから、外来診療が終わればそれで終わりというわけではなく、入院患者さんと同じような感覚で対応し、コミュニケーションもとっています。透析室にも経験豊富な医師が常駐して、患者さんが精神的に行き詰まらないよう、心のケアも行いながら管理しています。眠れない、足が痛い、イライラするなど、些細なことでも謙虚に耳を傾けることで、透析と関係のある合併症を早期発見することもあるんですよ。また透析治療はどんどん進歩していますので、遅れをとらないように研究にも積極的に取り組み、新しい診療技術も導入しています。外来腹膜透析や、在宅で腹膜透析を行う方の指導や管理など、患者さんの症状や環境に合わせて、さまざまな治療が行える体制を整え、できるだけ患者さんの負担を軽くできるようにしています。

医療法人として病院やクリニックも開設されていますね。

身近な地域で、透析治療をはじめ、大学病院と同レベルの診療が受けられるようにと考えて医療法人社団「厚済会」を設立し、専門科目を設置した医療機関づくりを進め、現在は、横浜市と横須賀市に当院を含め、病院と4つのクリニックを設けています。透析年数が長くなり入院が必要になった患者さんは病院で治療を受け、回復したらまたクリニックに戻ってきていただくというように、どんな状態でも透析を提供できる有機的なネットワークをめざしています。また、東日本大震災の際に電気や水道などのライフラインがとだえ、透析患者さんが被害を受けたことから、各施設は耐震設備の整った自前のビルにして、電気系統や水系統もすべて透析を前提として整備しています。高齢化などで通院が困難な患者さんも増えているので、車による送迎サービスも行っています。当院で40人〜50人、法人全体で170人ぐらい送迎を行っているんですよ。

先生の診療方針についてお聞かせください。

大西俊正院長 上大岡仁正クリニック4

患者さんが医師に対して言いにくい、聞きにくいということがなく、何でも話せるようにということと、身近な地域で専門性の高い診療を提供することを重視しています。職員には、常に患者さんの立場になって、患者さんはどうしてほしいのかを考えて接してほしいと伝えています。また職員にとって働きやすい環境であってこそ、患者さんにも温かく接することができると考え、労働環境にも配慮しています。組織では人間の数だけ苦労があるとよくいわれます。法人全体で300人以上の職員が在籍し、細かな行き違いなどはどうしても起こります。そこで連絡会議などを頻繁に行って意思の疎通を図り、患者さんにしわ寄せがいかないようにと心がけています。

腎臓病や生活習慣病の予防にも力を入れ、地域に貢献

ところで、先生のプライベートについても少し教えてください。

大西俊正院長 上大岡仁正クリニック5

スポーツが好きでテニスやゴルフを楽しんできましたが、最近は、寄る年波で(笑)、体を動かすより囲碁や将棋を楽しんでいます。もともと凝り性なので、囲碁と将棋どちらも10段になったのですよ。香川の地元は喫茶店や映画館もない田舎でしたが、最近、父母が浜(ちちぶがはま)の景色がSNS上でブームと聞きびっくりしました。私は上京してからの年数のほうが長くなり横浜にすっかりなじんでいますが、やはりうどんにはちょっとうるさいですよ(笑)。

今後の展望についてお聞かせください。

私が透析治療に携わるようになって40年たちます。そのうちに必要なくなるのではないかと思っていました。しかし透析治療の技術は進展していますが、まだ透析という治療が不要になるところまでは医学は進んでいませんので、まだまだ私も患者さんのために頑張らなくては、と思っています。以前に比べて私の診療時間は少なくなりましたが、顔を見たいと言ってくださる患者さんもおられるので外来診療も続けています。また、透析治療が必要とならないようにする予防も重要ですので、健康診断や一般外来での生活習慣病診療にも力を入れていきたい、生活指導や食生活指導も重視したいと思っています。当院には、透析患者さんに対応する栄養士も多数在籍していますので、今後は一般の方も対象に、生活習慣病を防ぐため栄養や料理の研修会なども行いたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

大西俊正院長 上大岡仁正クリニック6

医療法人内のクリニックや病院、そして、大学病院とも連携して、透析治療をはじめとする専門的な医療を提供し、地域の患者さんのニーズに応えるのが私たちの使命だと考えています。また、日進月歩で進歩している最前線の治療にも対応するため医療の質の向上に積極的に取り組んでいます。透析治療や腎臓病でお困りのことがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。また当院は、骨密度検査や睡眠時無呼吸検査など専門的な検査設備も整っていますので、気になる方にはぜひ活用していただきたいと思っています。透析治療も一般外来も、何よりも患者さんに安心して診療を受けていただけることをめざし、職員一同日々努力をしています。一人でも多くの患者さんに「このクリニックに来て良かった」と思われる治療をご提供したいと考えています。

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