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大病を引き起こす恐れもある
睡眠時無呼吸症候群の早期発見と治療

瀬谷いろどりハート内科クリニック

(横浜市瀬谷区/瀬谷駅)

最終更新日:2023/03/14

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  • 保険診療

「朝起きても疲れが取れていない」「日中眠くてしょうがない」誰もがこういった経験はあるだろうが、それが長期にわたって続くようならば睡眠時無呼吸症候群という病気を疑うべきかもしれない。横浜市瀬谷区にある「瀬谷いろどりハート内科クリニック」では睡眠時の無呼吸状態が多くの循環器系疾患や生活習慣病と因果関係にあることに着目し、その診断・治療に力を入れる。循環器を専門とする医師として研鑽を積んできた院長の五十嵐厳(いがらし・げん)先生は「睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気が起こす事故の話題ばかりフォーカスされがちだが、実はその裏には大きな疾患との合併症が潜んでいることも」と警鐘を鳴らす。睡眠時無呼吸症候群の早期発見・早期治療によって人々が健やかな人生を送れることを願う院長に、その検査や治療法について聞いた。

(取材日2023年2月15日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気なのでしょうか?
A

睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気です。医学的な定義では、睡眠中10秒以上呼吸が停止する状態が1時間に5回以上繰り返される病態のことを指します。本来であれば、睡眠は日中活動した脳と身体を十分に休ませるためのもの。しかし呼吸の停止によって減少した体内の酸素不足を補うために、無意識に心拍数が上がったり、目を覚まして呼吸をしたりと脳や身体に大きな負担をかけてしまいます。その結果、強い眠気や倦怠感・集中力低下などで日中の活動に悪影響が生じてくるのです。この病気は自分ではなかなか気づきにくいため、検査や治療を受けていない多くの潜在患者がいるとされています。

Q放っておくとどのようなリスクがあるのでしょうか?
A

通常であれば睡眠中は副交感神経が働かなければならないのですが、無呼吸状態だと交感神経が働いてしまい、自律神経全体のバランスが崩れてしまいます。自律神経は血流を促進する働きをしているので、そのバランスの崩れにより心臓や血管に大きな負担がかかってしまい、心筋梗塞や狭心症、不整脈といったさまざまな循環器疾患の起因になる恐れもあります。さらに自律神経が乱れることで代謝も悪くなり、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高くなる恐れもあります。この病気が深刻なのは、気づかぬうちに人体にこういったさまざまな弊害をもたらす可能性があるということです。

Q検査や治療が必要なのはどのような人なのでしょう?
A

疲労感が取れない、いくら寝ても熟睡感がない、日中のだるさや倦怠感などの状態が長期間にわたり続く方や、家族にいびきを指摘されたという方は一度検査を受けてみてもいいかもしれません。それからバスやタクシーなどの職業ドライバーの会社は、睡眠時無呼吸症候群の検査を取り入れている所も多いです。業務上、判断力の低下での重大な事故を防ぐために、健康診断で引っかかったら自覚症状がなくてもお越しいただきたいですね。また徐脈性不整脈という脈が遅い方。多くは70代以降の加齢によるものですが、若くしてこの症状が出ている方はもしかしたら睡眠時無呼吸症候群が隠れているかもしれません。

検診・治療START!ステップで紹介します

1問診・カウンセリング

現在の睡眠状況についてヒアリング。睡眠時間や家族からいびきを指摘されていないかなどを中心に、日中の過ごし方や疲労感の有無なども合わせて確認。睡眠時間の目安は、成人は1日7〜8時間確保できていれば十分。忙しい人でも6時間寝れているかどうかが目安だそうだ。

2自宅で行える簡易検査

睡眠時無呼吸が疑われる場合は、自宅での簡易検査に移る。就寝時に鼻に気流センサーと指に酸素濃度計を装着し、無呼吸状態があるか、酸素濃度は足りているかなどを計測。さらにいびきの有無もモニターで確認することができる。自宅の普段通りの睡眠環境で行うことで、より適切な評価が期待できるそうだ。

3必要に応じて精密検査

簡易検査の結果で、いわゆる中等症と判断された患者は、終夜睡眠ポリグラフィー検査と呼ばれる精密検査に進む。患者の睡眠状態をより詳しく調べるために、脳波や胸部腹部の呼吸の動きを測るセンサーをプラスして装着。就寝前に着けるだけで、痛みなどは伴わない。睡眠状態をトータル的にかつ適切な判断につなげるために行われるこの検査は、1泊2日の入院検査で行う施設が多いが、同院は自宅検査が可能だという。

4診断結果を説明

検査結果を患者に伝え、診断を告げる。無呼吸の原因もさまざまで、呼吸に必要な気道が塞がれているケースとしては睡眠時に舌が落ち込んでいたり、肥満による首回りの脂肪のつき過ぎ、また若い人によくある扁桃肥大、東洋人に多い下顎の小ささなどが挙げられる。さらに脳から呼吸をするという指令が出なくなってしまっている中枢性のものが原因のケースも。呼吸のタイプや原因、重症度によって今後の治療法を決定する。

5治療の開始

睡眠時にマスクで内側から圧力をかけ、空気を送り込むシーパップ療法と呼ばれる治療を行う。圧力により気道を確保して、安定した呼吸ができるようサポートする。また首周りの脂肪がある人は減量、飲酒の習慣がある人には少し控えたり飲む時間を変えたりしてむくみを減らすなど、生活習慣を改善して睡眠の質を高めることが重要だそう。扁桃肥大など手術が必要なケースは、連携している医療機関に速やかに紹介・対応する。

ドクターからのメッセージ

五十嵐 厳院長

睡眠時無呼吸症候群は一見すると循環器疾患とは関係のない病気に思えますが、睡眠時の低酸素状態は心臓や血管、脳の働きと密接に関わっています。重症のまま放置していると、日中の眠気によるリスクはおろか、心不全や多くの生活習慣病を引き起こす要因にもなり得るでしょう。睡眠時無呼吸症候群は働き盛りの40、50代の方に特に多い病気ですが、まだまだ人生これからという時に病気になってほしくはありません。もし家族に指摘されたり、健康診断で気になる結果が出た時には自己判断せずに、一度お越しいただければと思います。しっかりと原因を探り、適切な治療や生活習慣の改善を行っていきましょう。

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