新型コロナウイルス感染症の後遺症や漢方処方
心配事は相談を
ぜんそくと肺のクリニック
(荒川区/日暮里駅)
最終更新日:2023/01/13


- 保険診療
ちょっとした健康不安から、急に体調が悪くなってどうしようもないときまで、身近なかかりつけ医はとても頼りになる存在だ。できれば誰もが、何かあったらこのクリニックに行こう、という存在を意識しておくと必要な時に慌てなくて良いし、効率的に医療につながることができるだろう。2022年11月にオープンした「ぜんそくと肺のクリニック」の井上英樹院長は、総合病院での長年の呼吸器内科勤務を中心に、日本内科学会認定の総合内科専門医としても豊富な経験を積んできた。そんな井上院長に、クリニックでは具体的にどんな時にどんな相談ができるかについて話を聞いた。
(取材日2022年12月27日)
目次
病気も禁煙も漢方も。頼れる主治医へ
- Q井上院長は総合内科専門医でもいらっしゃいますね。
-
A
▲全身疾患の可能性が隠れていることもあるという
はい、そうです。当院では風邪などの一般内科から高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、めまい、腹痛など幅広い疾患の診療にあたっています。私は、肺は脳や心臓と同じくらい重要な臓器だと考えています。実は肺の疾患だと思っていたら原因は別のところにあったという病気も多く、診断には注意が必要です。例えば息苦しくて、ぜいぜいひゅうひゅうという症状は心不全でも出ます。ですから肺や呼吸器の疾患は、全身を診なくてはならない。呼吸器疾患だけでなく、全身疾患についてもきちんと診断・治療できるよう心がけています。さらに専門的な治療を行う必要があるときはご紹介します。医療の入り口としてご相談いただくのも大歓迎です。
- Q診療において大切にしておられることは?
-
A
▲落ち着いた雰囲気のカウンセリングルーム
患者さんとコミュニケーションを深めることは常に意識しています。かかりつけの内科医は患者さんと長いお付き合いになります。症状も日々刻々と変化します。お互いに誰かと話すことで、自分が置かれている症状などを整理できると思います。そこで自分が良くなっていることも自覚できると思うのです。そういった気づきや、カウンセリング的な治療も大切になってくると思います。
- Q新型コロナウイルス感染症の後遺症の相談にも対応しているとか。
-
A
▲患者一人ひとりに合った治療法を提案する
はい。新型コロナウイルス感染症罹患後、いわゆる後遺症と呼ばれる不定愁訴的な症状が長引く場合、漢方薬を用いることもあります。複数の漢方を症状によって組み合わせることで効果が期待できます。どうしても治療期間が長めになりますから、咳や呼吸困難症状には、咳止めを長期間服用すると弊害もありますので、吸入薬を用いることもあります。おおむね3ヵ月程度で症状が快方へと向かうことが多い印象です。強い倦怠感などは、根性論や無言のプレッシャーの標的になることもありますが、根気よく治療をすれば、約3ヵ月で治療のめどがつくことが多いので、悲観しすぎず一緒に取り組みましょう。
- Q漢方薬による治療も行っているんですか?
-
A
▲患者への説明に力を入れていて多角的なサポートを行う
漢方薬は呼吸器疾患全般に有用です。患者さん側の治療の選択としての認知度も上がってきていますね。漢方薬のメリットは、比較的副作用が少ないこと。生薬で、基本的に食品と似たようなものが多いですから、妊婦さんや授乳中の方でも使いやすいこともメリットですね。作用の仕方が緩やかなものが多く、じっくりと根気よく治していくのにも向いています。喘息、気管支炎、痰が多いとか虚弱体質などそれぞれの疾患や症状のレベルに合わせたこまやかな処方を行っており、それも当院の魅力の一つだと自負しています。漢方の世界も日々進化しますので、私自身も日々勉強をしています。
- Q禁煙の外来にも注力しているとか?
-
A
▲ぜひ褒められに来てほしいと話す井上院長
当院では専任の看護師がおり、患者さんのお話を丁寧に聞いた上で、お一人お一人に適した12週間のプログラムを作成し、一緒に禁煙に向かって取り組んでいます。喫煙は、それだけで慢性的な咳などの疾患の原因となります。吸わない方への受動喫煙も問題になっていますし、咳、タバコ代の節約、歯の健康、肌への影響など、禁煙するだけでさまざまな問題を解決へ導くことが期待できます。当院では、患者さんの性格、職場環境、喫煙歴も考慮して、時には励まし、時には寄り添いながら、治療に取り組んでいます。喫煙者の方が禁煙の外来に来ていただくだけでも大きな進歩ですから、私たちはまずそれを褒めます。ぜひ皆さん、褒められに来てください。