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大河内 明子 院長の独自取材記事

おおこうちクリニック

(横浜市保土ケ谷区/天王町駅)

最終更新日:2023/01/18

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天王町駅から徒歩5分。商店街を抜けると、グリーンの木立ちが目印の「おおこうちクリニック」の看板が見えてくる。2010年2月の開業。ゆったりとしたやわらかな雰囲気で患者の話にじっくりと耳を傾ける大河内明子院長は呼吸器内科が専門。一般内科はもちろん、喘息や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療などに積極的にあたっている。呼吸器とは関係の深い禁煙外来に通う患者も多いという。「いつでも気軽に受診できる街のクリニックだからこそ、慢性疾患をきちんと丁寧に診ていきたい」という大河内院長に、開業されて感じたことや日々の診療で心がけていること、医師をめざした理由や、母親の一面を感じさせるプライベートな話まで、たっぷりと語ってもらった。

(取材日2011年03月18日/更新日2022年12月5日)

開業して初めて知る、正しい知識を広めることの大切さ

こちらを開業されたのはいつですか。

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2010年の2月です。横浜船員保険病院(現・JCHO横浜保土ケ谷中央病院)で勤務医をしていたこともあり、なるべく船員病院に近い場所で開業したいと思っていました。クリニックのロゴマークは、グリーンをイメージカラーにした自然を感じさせる木立ち。院内のカーテンやいろいろなところにもグリーンを使っています。本当は、自宅で飼っている2匹のフレンチブルドッグをモチーフにしたかったんですが、動物病院みたいだと、残念ながら反対されてしまいました(笑)。院内に飾ってある写真や絵は、すべてそれぞれ別の知人の作品なんです。患者さん手作りの人形も飾ってあります。皆さん、いろいろと持ってきてくださるんですよ。

これまで診療してきて、気になる疾患などありますか?

通常の風邪や糖尿病、高血圧など生活習慣病の患者さんはもちろん、私の専門が呼吸器内科で看板に掲げていることもあり、やはり咳などの症状でいらっしゃる方が多いです。中でも気になっているのは喘息の患者さんです。本当は一生継続して治療が必要な病気なのに、きちんと治療していない方や、途中で治療に来なくなってしまう方もいらっしゃるんです。開業してみて、こんなにきちんと治療できていないということに気づきました。町のクリニックは大学病院に比べて気安く行ける分、同じだけ、気安く行かなくなってしまうのかもしれませんね。途中で治療をやめてしまう方がいるのは本当に残念です。もっときちんと病気の正しい知識を広める活動をしていかなければいけないと思っています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんも多いのですか。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、テレビなどで報道されて認知されてきたこともあり、年々増えています。ほとんどはベッドパートナーの方が、規則的でないいびきや呼吸がとまっているなどの症状で気づくようです。また高血圧の方が治療してもうまく血圧が下がらないのでSASではないか、と紹介されて来る方もいらっしゃいます。というのも、呼吸が止まったときは少し目が覚めるので、いい睡眠が取れず、血圧が上がってしまうからなんです。SASになると一生の治療となり、寝ている間ずっとマスクのような機械をつけて気道が閉鎖されないようにしなければいけません。旅行や出張などにも持ち運びできる小さい機械ですが、治療を嫌がる方も中にはいらっしゃいます。でも重症の方になると、この機械がなければ朝起きたときの頭痛や昼の眠気がつらくて、機械が手放せなくなるようです。

娘が医学の道を志してくれたことが、何よりの喜びに

先生はなぜ医師をめざされたのですか。

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私の父が「女性も手に職をつけたほうがいい」という教育方針でしたから、将来は学校の先生か医師になりたいという気持ちは、小さい頃からがずっとあったんです。高校時代、とにかくバレーボールが好きで、とても頑張っていましたから、最初は体育大学に行って女子高の先生になり、バレーボール部の顧問になりたいと思っていたんですが。心臓に異常が見つかり、運動が禁止されてしまったんです。それで体育大学は断念し、高校3年生の時に医学部をめざすようになりました。実際に医師になって専門を選ぶ時は、実は、内科か麻酔科か迷ったんです。一時期は麻酔科に行こうと思い、2年間研修もしました。でも最終的に内科に決めた時、やはり麻酔科で学んだ2年間を無駄にしたくなくて、その知識が生かせる呼吸器内科の道を選んだんです。今、こうして役立てながら診療できているので、本当に良かったなと思っています。

娘さんも医学の道に進まれたそうですね。

そうなんです。勧めたりはしなかったんですけどね。娘がまだ小さかった頃、当時の私は、本当によく夜中に病院から呼び出されて、そのたびに娘を一緒に連れて行ったんです。看護師さんたちにもかわいがってもらって病院が大好きでしたね。でも、小学3年生くらいの時、私の母が近くに住んでいたので、預けて仕事に行く時に、たった1度だけ「行かないでくれ」と泣いてすがられたことがありました。ちょうどその頃、原因不明の熱が続いたりもして、周りからは「寂しい思いをしているからではないか」と言われたりもしました。ですから、私には、きちんと面倒見てあげられなかった、娘にはつらい思いをさせてきたとずっと思ってきました。「お母さんが医者だったから、自分はとっても寂しい思いをした。医者なんか絶対に嫌だ」と言われていたら、とてもショックだっただろうと思いますが、こうして娘が医者になってくれたんです。本当にうれしいですね。

先生ご自身が健康上気をつけていらっしゃるのはどんなことでしょう。

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開業してからは運動不足になっているので、最近はゴルフに力を入れています。勤務医時代は、どうしても急な呼び出しがかかったりして、なかなか集中してできなかったんですよ。今は、その頃とはまた違った大変さがあり、体力的にはきつい部分もたくさんあるのですが、いつでもすぐに呼び出されるということがなくなったので、精神的には楽になりましたね。主人がクリニックの事務長として経営面をやってくれていますので、心強い部分もあります。少し時間にゆとりもできましたし、これからはゴルフも頑張ろうと思っているんですよ。やはり体全体で自然を感じるのはとてもいいですよね。

じっくり話を聞き、地域の健康を支える存在に

診療する上で一番心がけていらっしゃるのはどんなことですか。

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とにかく、よく話を聞くことですね。まずは、患者さんのおっしゃることを遮らずに、きちんとお伺いするんです。お話の中から治療に大切なものもたくさん得られますし、じっくり話を聞くことで信頼関係も築けます。勤務医時代はお一人にかけられる時間が限られていましたが、曜日も時間も関係なく、いつでも診療できる街のクリニックは、実は慢性疾患を診続けていくのに適しているのではないかと思います。私自身が心臓治療をして患者の立場になり、自分の親が入院して家族の立場にもなりましたから、医師とは違った立場の気持ちもとても良くわかるんです。それぞれの気持ちがわかるだけに、ジレンマや限界を感じることもありますが、その気持ちは忘れずに診療にあたりたいと思っていますね。

禁煙治療も積極的にされていらっしゃるのですね。

はい。タバコは本当におやめになったほうがいいと思いますね。体に何もいいことがないんです。現在も、たくさんの方が禁煙治療を頑張っていらっしゃいますよ。テレビなどの効果も大きいのでしょうか。だいたい3ヵ月コースなんですが、実は治療を終えられた時には表彰状をお渡ししています。大人になってから、表彰状をもらうことはほとんどないでしょうから、皆さん喜んでくださいます。成功されている方が多いですが、もちろん、なかにはうまくいかない方もいらっしゃいます。そういった方には「何度でも頑張りましょうね」と励まして、再チャレンジをお勧めしています。

最後に読者にメッセージをお願いします。

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まずは気楽に、何か気になることがあったらいつでもいらしていただきたいです。「こんなことで」と思わず、一度ご相談してみてください。また、今は何より予防が大切。年に1回の健診の大事さをはじめ、喘息治療や禁煙外来を広めていく活動こそ街のクリニックの大事な役目だと思いますし、私たち医師も、常に勉強しながら自分に足りないところを補っていかなければいけないと思っています。気軽に相談できる家庭医としての診療も大切にしていきたいですし、呼吸器内科という専門も生かしていきたい。周りのクリニックとも連携しながら、地域のなかで患者さんの健康を支えていけるよう、これからも頑張っていきたいです。

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