訪問診療と往診の違いとは
正しい知識をつけ適切なサービスを選択
双泉会クリニックなかの
(中野区/中野新橋駅)
最終更新日:2023/03/15


- 保険診療
「足腰が悪くて病院に通うのがつらい」「体が動かず外出もできない」、このような患者を自宅で診察するのが訪問診療だ。超高齢社会を迎えた日本にとって、必要不可欠な医療サービスだといえるだろう。しかし、訪問診療のサービス内容や「往診」との違いを知らない人もいるのではないだろうか。どちらも在宅で診察を受けることには変わりないが、その性質は大きく異なる。今回は「双泉会クリニックなかの」の院長・竹田広毅(ひろき)先生に、訪問診療と往診の違いについて解説してもらった。
(取材日2020年3月23日)
目次
適切な医療を住み慣れた自宅で迅速に
- Q訪問診療とはどのようなものですか?
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A
▲長年訪問診療の研鑽を積んできた竹田広毅
最も大きな特徴は、私たちが定期的に患者さんのもとにお伺いして診察させていただくという点です。「毎月1回は病院に行く」という方がいらっしゃると思いますが、訪問診療の場合はその診察の場所が住み慣れたご自宅になります。体調の悪いご高齢の方が病院で数時間待つのは大変なご苦労だと思います。それに代わって私たちがお伺いして診察させていただくのです。患者さんのご病気はさまざまで、脳梗塞で手足の自由が利かない方や、心臓が悪く通院が厳しい方などもいらっしゃいます。もちろんご家庭の事情などで通院が難しい方もいらっしゃいます。訪問診療とは通院が難しい方のお宅までわれわれが伺って診察させていただくというシステムです。
- Q往診との違いについて教えてください。
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A
▲培ってきた訪問診療のノウハウを生かし地域医療に貢献
「訪問診療と往診の違いがよくわからない」という方は少なくありません。定期的に伺って診察するのが訪問診療であるのに対して、往診は突然具合が悪くなった患者さんのもとに伺って診察することです。「転んでケガをした」「急に息苦しくなった」「熱が出た」といった連絡をいただき、できるだけ早く患者さんのお宅へ伺います。われわれが対応しているのは訪問診療で診察させていただいている患者さんです。普段から患者さんの健康状態を確認しているため、急な病状の変化や状態の変化に事細かに対応できるからです。
- Q訪問診療を利用する場合の実際の流れについて教えてください。
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A
▲患者の状況に応じて個々人に合わせた対応をしていく
ケアマネジャーさんに手配を依頼するか、当院に直接ご連絡いただくかが主な方法だと思います。訪問診療を利用される方は、介護サービスを受けておられる方が多いと思います。定期的に医師の診察が必要な患者さんは、担当しているケアマネジャーさんから連絡をいただきます。その他には病院の先生からご相談をいただくケースもございます。いずれの方法でも、ご連絡をいただいたら患者さん・ご家族と相談させていただき、患者さんの状況に応じて訪問回数や診療内容を考えさせていただきます。また必要に応じては訪問看護やその他のサービスの導入を提案させていただくこともございます。
- Qこちらならではの特徴は何でしょうか?
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A
▲外科処置にも対応している
外傷などの外科的な処置もその場でできるのが特徴だと思います。切り傷や巻爪(陥入爪)、床ずれ(褥瘡)などに対する処置も可能なことです。例えば転倒などでケガをされた場合動けない患者さんは救急車などで対応しなければなりません。そのお手数を少しでも軽減できるように在宅にいながらその場でケガの処置を行います。また皮膚科・眼科・泌尿器科など多科にまたがって受診をされている方もいらっしゃいますが、病院などと連絡をとり一回の診療で可能な限り診察させていただくことで患者さんの負担がなるべく少なくなるように努めております。
- Q訪問診療を検討する方へメッセージをお願いいたします。
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A
▲まずは気軽に相談してほしい、と語る竹田院長
「訪問診療とはどういうものなのか」を気軽にご連絡いただくことが第一歩だと思います。「病院に行くのが楽しみ」という方もいらっしゃると思いますが、訪問診療という選択肢があることを知っていただければうれしいと考えております。いかなる病気も病院と連携・連絡を取り、病院受診に近い環境をご自宅に提供してまいります。ご相談があればいつでも気軽にご連絡していただければと思います。