充実の医療体制と多業種連携で
安心できる在宅医療の提供をめざす
双泉会クリニックなかの
(中野区/中野新橋駅)
最終更新日:2023/03/28


- 保険診療
高齢者が病気や障害で療養をする場所といえば、病院のベッドの上というイメージを持つ人も多いだろう。しかし現在では、住み慣れた自宅で療養したい、家族のいる場所で過ごしたいと願う患者が急激に増えているという。そうした希望をかなえるのに不可欠なのが、在宅医療。超高齢社会を迎えた今、在宅医療を行う医療機関は増えつつあるものの、具体的な活動の中身について理解している人は少ないだろう。そこで、長年在宅医療を中心とした診療を行い地域に貢献し続けてきた、「双泉会クリニックなかの」の法人本部である東京西双泉会の理事を務める和泉武彦先生に、実際にどんな医療サービスが受けられるのか、どんな思いで自宅療養の患者やその家族を支えているのか、看護や介護との連携などさまざまな話を聞いた。
(取材日2019年7月2日)
目次
患者とそこに関わるすべての人に寄り添う医療を提供し、最終的に地域全体の成長をめざす
- Qクリニックの理念について伺います。
-
A
▲長年在宅医療を中心に地域密着の診療を行っている
開業時に「ともに寄り添い、ともに考え、ともに成⻑する」という理念を掲げ、すべてを決める基準としてきました。「ともに」の対象は、患者さんやその家族はもちろん、⾃宅療養に関わる訪問看護師さんやケアマネジャーさんなどの多職種の⽅々、さらには当クリニックのスタッフも含めた⼈を指します。患者さんがご⾃宅で療養するためには、いろいろな職種の⼈たちが患者さんを中⼼にサポートする体制が必要で、その⼈たちが患者さんに寄り添った対応をし、⼀緒に考えることも必要。そうした活動を通してわれわれが成⻑していき、それが回り回って地域全体の療養サポート体制の強化へとつながっていくことをめざす。それが当理念を掲げた理由です。
- Q理念を実現するための取り組みを教えてください。
-
A
▲患者や家族が安心できるような医療体制を整備している
寄り添う対応のため、当クリニックでは患者さんの要望をしっかり聞くことを徹底しています。もう1つは、患者さんやご家族の安⼼につながる医療を提供できる体制の整備。これは⼤きく分けて3つありますが、1つは速やかに医療提供できる体制。往診体制だけでなく、深夜に対応できる当直体制の充実などを指します。2つ⽬は、幅広い診療科による対応と診療内容の充実です。内科医師でもある程度対応可能ですが、法⼈内の各クリニックとの連携により、それぞれに適した専⾨の医師による診療に努めています。3つ⽬は、接遇のレベルアップ。当クリニックのスタッフは定期的に接遇専門の講師による講習を受け、より良い接遇に努めています。
- Q法人内のクリニックとして医療に取り組む強みはありますか?
-
A
▲同院法人本部である東京西双泉会の理事を務める和泉武彦先生
法⼈本部に「本部機能」があることが、クリニック内の作業の効率化という意味で、1つの強みだと思います。例えば医療事務の仕事で、診療報酬のもとになる保険診療点数をどうとるかは複雑ですが、医療事務の本部が設置されているため、各クリニックの担当者はいつでも相談できます。また、数字の集約についても当クリニックではなく本部で⾏っているため、業務の効率化につながっています。営業部⾨も同様ですね。また、法⼈本部で勉強会や、スキルアップや自身の理解力を認識する目的としての試験を定期的に⾏う仕組みがあり、当クリニックのスタッフの能⼒向上にも役⽴っています。
- Q法人内のクリニックとの連携についてお聞かせください。
-
A
▲状態が悪化する前に医師や専門のスタッフに早めに相談を
⼈員の補完などでは法⼈内の各クリニックと密接な連携を図って取り組んでいます。当クリニックの医師に急⽤ができた時、法⼈内の各クリニックの医師に代診に⼊ってもらうことで患者さんにご迷惑をかけずに済む、といったことですね。電⼦カルテによって法⼈内で患者さんの情報を共有しているので、他業種でもスムーズな連携ができています。また、各クリニックの医師が集まった医局会など職種ごとに知識を⾼め合うことはもちろん、医師や看護師、介護部⾨のメンバーなど多職種が集まる合同会議で他業種の知識を吸収するといった取り組みも⾏っています。
- Q今後の展望について考えていることは?
-
A
▲栄養部門は在宅医療の中でも力を入れている分野である
今後さらに地域の医療・看護・介護事業をレベルアップする活動の輪を広げていければと思います。もう1つは、「訪問栄養」に⼒を⼊れていくということ。寝たきりの患者さんにとって、⾷事は極めて重要なテーマ。チューブを介しておなかに栄養を送る胃ろうでも栄養は取れますが、やはり⼝で⾷べる⾷事が精神⾯の上でも⼀番ですよね。嚥下や咀嚼機能の維持だけでなく、⾷べやすい食事の作り⽅指導、さらに「おいしく⾷べられる」ことを重視し五感をよりよく刺激する⾷事のためのアドバイスなどにしっかりと取り組んでいきたいと思います。